浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「浦和の鰻 泥臭く-野田紘史」(10/1)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

浦和の鰻 泥臭く-野田紘史

浦和のサイドバックは、高橋峻希選手、宇賀神友弥選手、岡本拓也選手、野田紘史選手、ベテランの平川忠亮選手、サイドバックもセンターもボランチも出来る山田暢久選手、そして今シーズンからサイドバックも練習している坪井慶介選手と多才な顔ぶれが揃っていて、ポジション争いも熾烈である。9月28日に2-1と勝利を飾ったナビスコカップの大宮戦で、初スタメンでフル出場した野田選手の喜びは一入だった。「先発して勝った!勝った後に自分のコールをしてもらって、言葉に出来ない嬉しさがあった。思わず感極まりました」と目頭を熱くし「平さんが怪我して、宇賀が怪我して、俺が出て負けたって言われたく無かった。勝って良かった。俺に関しては1試合1試合が勝負なんです。90分闘って結果が出れば、次のチャンスがある」と野田選手は率直な気持ちを話してくれた。

大卒ルーキーとして2009年加入したが、僅か半年余りで出場機会もないままJ2岡山に約1年半のレンタル移籍となってしまった。当時を振り返り「最初、行く時は悔しい部分もあって・・・。行くからにはやらないといけない!!腐ったりする事がないんで」と野田選手は笑った。岡山では、影山雅永監督から「特徴を生かすプレー、スピードをつけてボールを貰え」と言われて来たそうだ。岡山で試合経験を積み、野田選手の持ち味であるスピードを生かしたプレーだけでなく、守備の部分でも1対1の強さやセンターバックのカバーリングに磨きをかけて来た。

しかし、浦和に戻って来た今シーズンは熾烈なポジション争いの中自分のプレーを失いかけていた時もあった。9月2日関西大学との練習試合で左右のサイドバックで出場した野田選手であったが、本来持ち味であるスピードを生かしたオーバーラップを仕掛ける事も無く終わってしまった。野田選手は、上がるタイミングが掴めずに悩んでいたのだ。そんな野田選手のプレーを見て広瀬コーチは「上がるな~って指示は出していないのに・・・。野田らしくないよ」と気にかけ、影で野田選手を支えていた。野田選手は「広瀬コーチにはプレーの細かい事を指摘されたり、何かあったら聞いたりしています。まぁ、いじられている時の方が多いですけどね」と話す。そして、9月24日鹿島戦で突然やって来た出場機会も「思ったよりも落ち着いて出来て、自分がビックリしています」と野田選手は話すが、そこにはJ2での経験だけでなく、日々の練習や広瀬コーチの支えがあったからだろう。

試合に出場したからと言って野田選手は慢心する事なく「怪我人が戻って来たら、次の試合に使ってもらえるか分からない。常にアピールをしないと駄目。練習から集中して、技術を上げていかないといけない」と話す。紆余曲折しながらも、決して腐らず、泥臭く努力を重ねて来た野田選手を見ていると、野田佳彦総理大臣が民主党代表選で「ドジョウが金魚のまねをしてもしょうがない。泥臭く汗をながして」と演説をした言葉と思わず重なってしまった。野田選手には、ここは浦和なので、ドジョウではなく浦和名物の鰻になって貰いたい。


パートナーサイト

ページ先頭へ