浦和フットボール通信

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【This Week】週刊フットボールトークVol.80(3/22)

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:先週末のホーム開幕では、昨年のチャンピオンチーム・柏レイソルを見事破りました。前回のトークでの「チーム構築とは別に、1試合1試合の勝負に拘って欲しい」という心配を吹き飛ばしてくれるような勝ちに拘った姿勢を見せてくれた試合だったかと思います。スタジアムも柏レイソルに噛み付いてやるという雰囲気が充満して、先制してからは、スタジアム全体で1点を守って勝利を掴み取ったと言える試合でした。ホームに集まった約41,000人のサポーターも満足して家路に帰ることが出来たのではないでしょうか。

豊田:初戦に比べると最終ラインのボール回しから縦に入るパスがかなり出せていたし、そこからの攻めのバリエーションも効いていました。阿部と坪井の守りの連携が安定しているので、永田充のフィードや啓太の攻め上がりなど、味のある展開パターンが見えてきましたね。相手の柏は昨年とはまるで違うレッズの手口に戸惑う様子があったし、アウェーでも前がかりに来てくれるチームなので好都合だった。しかしながら今後は引いてカウンターで裏を狙ってくる相手や、名古屋のように高さとパワーで押し込んでくるチームとの対戦も待っている。ミシャ監督の腕の見せどころはまだまだこれからでしょう。ただ、編集長言うようにスタジアムの一体感は強く感じた。ゴール裏からはレッズの戦術プランどおりの展開が出るとそれに合わせた歓声や拍手も聞こえて来たし、久方ぶりの埼スタらしい雰囲気を楽しみました。

椛沢:ランコ・デスポトビッチのゴールは、そんな空気から生まれた象徴的なゴールでした。相手のストロングポイントであったジョルジ・ワグネルに対して、逆に守備面の不安を突くことが出来てのゴールでした。レアンドロ・ドミンゲスもボランチに入った阿部が完璧に抑えて、攻守にわたり獅子奮迅の活躍でした。特にホームでは今後もこのような気持ちの入った試合を展開してもらいたいと思います。槙野選手の提案で、試合後にはサポーター達が勝利の後に凱歌をあげる「We are Diamonds」を一緒に熱唱するという光景も見られました。一体になりたいという気持ちは良いと思いますが、他のチームがやっているような選手も加わっての軽いパフォーマンスのようにならないで欲しいとは思います。あの光景はレッズが作ってきた大事な時間ですから。その文化を汲んだ上での行動をしてもらいたいと思います。

豊田:槙野選手が中心の発信でありながら、おなじみの“サンフレッチェ劇場”にはなりませんでした(笑)。埼玉スタジアムならではの空気感に繋げることができ、良かったと思います。スタンドはタイムアップ後のお楽しみを期待しているわけではない。あくまでも「余韻まで味わえるゲーム」を求めていることを確認した上で、次のキックオフに臨みたいところです。

椛沢:火曜日はナビスコカップ予選のベガルタ仙台戦でした。こちらは柏戦から先発メンバー8人を入れ替えての戦いとなりました。メンバーを入れ替えたことでのチグハグさが目立つ試合でしたが、後半早々にセットプレイから永田がヘディングを決めて、その先制点を守りきり、勝利しました。山田直輝がこの試合で負傷退場をして、左膝前十字靭帯損傷ということで、復帰までは6ヶ月くらい掛かるのではないかという大きな怪我となってしまいました。ようやく怪我が癒えて、これからという時の怪我で本人もショックを受けているかと思いますが、しっかり治してまた復活を目指して頑張ってもらいたいと思います。

豊田:ロンドン五輪を間近に控えた折に、ああいう形で負傷退場する姿を見るのは本当に辛かったです。でも当然のことですが、未来が消えてしまったわけではない。こういう局面から立ち上がれる選手と信じています。治療と心身のケアに専念して欲しい。

椛沢:直輝の代わりに出場した矢島慎也は、新人とは思えないプレーぶりで、可能性のあるシュートを見せてくれました。昨年の天皇杯でも出場しているわけですが、彼は今後期待できる選手という印象を受けましたね。彼は、直輝の後輩にあたる北浦和少年団出身ですね。

豊田:とっさの場面ですぐにシュート体勢や前を向いたキープに入れるボールタッチは見事でした。直輝君とは異質のタイプですが、楽しみなタレント。そうそう、彼の後輩に当たる北少OBですね。どうしてあそこからは次々と才能が輩出されるのだろう。近々に幹部の方たちにお会いする機会があるのでお話しを伺って来ます。

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