浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「スタジアムの風に乗って~田中達也選手」(7/13)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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ワンダーボーイ田中達也の境地は。

6月23日仙台戦、後半26分「背番号11 田中達也」と選手交代のアナウンスが声高らかに流れると、埼玉スタジアムに歓声が上がり、拍手と共に田中選手がピッチに登場した。試合は0―0と均衡した状況だが、流れは浦和に来ていた。「カモンスーパー達也!カモンワンダーボーイ」のコールと共にゴールの期待は高まり、その思いに応えるかのように、田中選手は水を得た魚のように前からプレスをかけて、ピッチを走り廻った。後半39分、山田暢久選手の右からのクロスをファーサイドで、頭で合わせた。誰もが待望した瞬間であったが、ピッタリと合った田中選手のヘディングシュートは、オフサイドの判定。田中選手の今シーズンの初ゴールは幻に消え、スタジアムの歓声はため息に変わった。しかし、「我らの達也が帰って来た!」と言うみんなの思いは変わらなかった。試合後、田中選手は「オフサイドになってしまったのは、しょうがない。貰ったチャンスを生かせずに悔しい。勝ち点3を獲れなかった。復帰したけど、まだ何もしていない。次があると思ってやっていない。そう言う意味で悔しいです」と唇を噛みしめた。

田中選手の昨シーズンは、リーグ戦34試合中、出場したのは22試合。時間に直すと、1337分であった。今シーズンのリーグ戦は3試合で94分である。(第17節鳥栖戦終了時点)3月10日の開幕の広島戦にスタメンでピッチに立ったものの、怪我でしばらくピッチを離れ、4月4日のナビスコ杯・磐田戦に復帰したものの、また怪我と繰り返す状況が続いた。そして、仙台戦が約2カ月半ぶりの公式戦であった。フットボール選手には、怪我が付き物である。かつて『ガラスのエース』と呼ばれたFW福田正博選手のように、今や『ガラスのエース』は田中達也選手の代名詞のようになってしまった。ガラスのように壊れやすいが、輝きは決して失わない。輝きを失わずにいられるのは、サポーターはもちろん、チームメイト、家族に支えられてきたからである。そして「自分自身に負けたく無かった。プロだから当たり前だと思います」と田中選手は迷う事無く、断言した。怪我の繰り返しで挫けそうな心の葛藤に打ち勝って来たのは、プロ根性であった。練習を見ていても調子が良い田中選手は「ベストなコンディションでいつもやりたいって思っています。今は、恐れなくやれています。実戦不足かなぁ?!スタメンでも途中からでも、どちらからでも出来る良い準備をしています。90分間やる不安はない。ガンガン行って、後の事を考えないで行きます」と笑顔がこぼれた。

今シーズン残り17試合、田中選手の戦線離脱が無い事を願う。チームメイトから離れて、別メニューをこなす田中選手の姿を何年も見て来た。もう、そんな姿は正直見たくない。『ガラスのエース』は『強化ガラスのエース』となり輝きを放たなければならないと思う。田中選手が、再びピッチにたったあの日、スタジアムを包み込む雰囲気が一瞬にして変わった。スタジアムに浦和を愛する人達の思いを乗せた熱い風が吹いたのだ。その風に乗ってゴールを目指す田中選手がいた。

田中選手は、不撓不屈の精神を持って必ずゴールを決める!そして、スタジアムに旋風を巻き起こす。

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