浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「フットボールは心理ゲーム」(10/16)

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

ネガティブ志向では、勝てるものも勝てない。何事もポジティブシンキングで行こう!

既にJ1降格が決まっていて、今シーズンは1度もアウェイで勝利した事の無い札幌に敗戦。すごくやる瀬なく、情けない気持ちになってしまった。かつて『連敗ストッパー』などと汚名をきせられた事もあったし、2007年には、J1降格が決まっている横浜FCに敗戦して、目の前にある優勝を逃した経験があった事を思いだしてしまった。これは浦和の悪しき伝統なのか?考えれば、考えるほど、気持ちはどんどん沈んで行ってしまう。

当時を知る平川忠亮選手は札幌戦前に「降格が決まった札幌の選手コメントを見ると、浦和に対して『一矢報いたい』気持ちが伝わって来た。失う物が無い相手。難しい試合になるのは分かっている。横浜FCに敗れて優勝を逃した事もあった。同じ事があってはいけない。きっちりとゲームコントロールしながら、勝って仙台戦に良い弾みにしたい。大事な1戦」と険しい表情で話していたのに・・・。ミーシャ監督も「どんな相手であれ、球際を厳しく、規律をもって、走り、闘わないと勝利は難しい。明日は強い気持ちを持って闘う」と話していた。決して、監督も選手も相手を侮る事はなく、闘う強い気持ちで勝利を目指して試合に臨んだ。しかし、結果は付いて来なかった。

「何故、札幌に負けたか?」 この1週間、ずっと考えていた。試合後、札幌の石崎監督は「DFの部分でかなり頑張った。槙野の攻撃参加をしっかり対応出来、カウンターで良い形で飛び出せた。1対1のトレーニングを積んで来た成果だ。練習は嘘をつかない」と悦に浸った。「練習は嘘をつかない」と言うのは事実であるが、浦和だって、この試合を迎えるにあたり良い準備をしてきた。決定的チャンスはあった。ミーシャ監督が「サッカーが如何に難しいか分かる。チャンスを決められないと罰を受ける。先制点を獲れば、もっとスムーズにいけた」と悔しがった様に、全ては先制点だったのかも知れない。ゴール前を固めている相手を崩すのは、どんなチームでも容易な事ではない。相手DFとGKの動きを見て、ゴールまでのイマジネーションがパスの出し手と受け手が一致し、ボールの方向、強さ、タイミングなどあらゆる要素が絡みあってゴールが生まれる。ゴールを必死に規律をもって守る札幌を上回る攻撃力が浦和には無かったのだ。勝つための運動量も精神面も戦術も、勝利を呼び込む運も札幌に負けていたのだ。敗戦とはそう言うものだ。全てにおいて相手を上回る事が出来れば、勝利出来る。

天皇杯の讃岐戦では、中々先制点が獲れず厳しい状況に追い込まれた。それでも75分に矢島慎也選手が決めて、安堵したのもつかの間88分に追いつかれてしまった。嫌な空気を払拭してくれたのは、ポポ選手だった。柏戦に続いての値千金のゴールだった。ポポ選手は「練習だったり、努力を怠らない事がゴールに繋がる。そして、簡単に諦めない事」と口癖の様に言う。柏戦も讃岐戦もポポ選手の諦めない気持からゴールが生まれ、勝利を手にする事が出来た。

ゴール前を固めた相手を崩すのは確かに至難の業であるが、何事も「ダメだ」と思った時は、上手くいったためしがない。面白い物で「ダメでもともと、やるだけやってやる」と開き直ると肩の力が抜けて上手く行く事もある。また、「絶対にゴールを決めて勝つんだ」と強い気持ちで臨んで、勝利を手にする事も出来るが、逆にそれがプレーシャーになり自滅する事もある。メンタルはフットボールにおいて、重要な要素だ。90分間、ピッチの中で22人の選手達の色んな心理が蠢いている。「此処は味方が走ってくれるだろう?!」等と甘い事を少しでも思っていたら、相手はその隙を見逃さずに遣って来る。球際を激しく競い、相手よりも1歩前へとボールに近づく、ボールへの執着心も大切だが、平常心も大切である。だが、何よりも大切なのはポジティブな考え方だと思う。

札幌戦の敗戦は、浦和を愛する人達にとって多大なるショックを与えた。残念ながら讃岐戦での勝利は、そのショックを吹き飛ばす内容ではなかった。し
かし、運の良い事に2位の仙台戦までには十分に気持ちの切り替えが出来る時間がある。そして日本代表に召集されて選手が何人も抜けているチーム状態ではない。チームを立て直すには、時間もメンバーも揃っている。今シーズンの浦和は、連敗は無い。敗戦から多くの事を学んで、修正して来ている。優勝争いをしている仙台と広島と対戦する前に、フットボールの神様が、浦和に与えた敗戦と貴重なインターバルだと思えた。これは、浦和にとって飛躍する大きなチャンスなのかも知れない。

ネガティブ志向では、勝てるものも勝てない。何事もポジティブシンキングで行こう!

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