浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「沈まぬ浦和の太陽~柏木陽介選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

闇に入り込んでしまった柏木選手。しかし、そこから脱却した時は、更に強い輝きを放つだろう。

「今日はごめん」

と蚊の鳴くような声で柏木陽介選手は、きまり悪そうにミックスゾーンを足早に後にした。それは、奇しくも4月6日試合終了間際に原口元気選手の逆転ゴールが決まり、歓喜に酔いしれた磐田戦後の事であった。

どんな不甲斐ない試合をした後でも、余程の事が無い限り、柏木選手はミックスゾーンで足を止めて報道陣の取材に応える選手である。不徳の致す事態で、かなりメンタル的に自分を追い込んでしまっているように思えた。

その予兆は、3日に逆転負けしたACL・全北現代戦にあった。柏木選手は「3、4点決められるチャンスがあり、そこで決められなかった。チャンスを決められないと、いつもその時に悪い流れになる。俺がしっかりとクリアーしていたら、失点しなかったし・・・。(後半6分エニーニョ選手のFK)2失点目も俺のファールからやし・・・。(後半18分エニーニョ選手のFK)勿体無い。前半が良くても決められなかった事が全てだ。逆転された時に、自分達がやらなきゃいけない事を忘れて、自己中のプレーになっていた。落ち込む事は落ち込んで、今日は反省して、良かった前半を思いだしながら、次の試合に臨みたい」と自責の念にかられていた。

そして「ACL、ホームで負けないって言って直ぐに負けてしまったので、自分の中で心が痛いって言うか・・・。こんな直ぐに約束を破ってしまうのか?!って言う悔しさが凄くあるし・・・。
今日はもう喋れない」と下を向き、直ぐに顔を上げるなり自分を奮い立たせるように「切り替えてやって行くしかない。今日は落ち込むだけ落ち込んで、また頑張っていきたいと思う」と話していたのだ。

柏木選手は責任感が人一倍強い選手である。失点はチーム全員の責任であるのに、それを一人で背負いこんでいたのだ。人はメンタル的に落ち込むと、ネガティブ思考になりがちになり、上手く行く事も上手く行かなくなってしまう傾向が多々ある。磐田戦の柏木選手がそうであった。柏木選手らしいテクニックを見せ付けるプレーはあったが、何処となくゲームの流れに乗れていないように観ていて感じた。ピッチの中での出来事は、本人が一番良く分かっているからこそ、磐田戦後のミックスゾーンで話したくなかったのだ。「今日はごめん」その哀しげな一言が全てを物語っていた。

磐田戦から一晩明けて少し冷静になった柏木選手は「チームが勝てば、それが一番良い。ただ、自分自身、気持ちの余裕も自信も無い。自分の事を良く知っている人から『どうしたの?』って言われるけど・・・。プレーに余裕が無いし、ビビってしまっている。走れている。闘えているのは分かっているが、自分の中で満足いく物では無い。判断の余裕が無いと言うか、相手がいると分かっていても(ボールを)蹴ってしまったり・・・。トラップ一つでプレーが変わる。身体やコンディションは良いが、頭が・・・。気にしなければ良いが、性格が出ている。ネガティブなタイプだから・・・。常に楽しい事を考えてやれていたら良いんだけど・・・。なんだろなぁ?」と柏木選手の心は、まるでアリ地獄の巣に落ちてしまって、一生懸命にもがいて這い上がろうとしている状況のようであった。

「サッカーは、相手の逆を突く事が楽しいのに・・・。相手を欺く事が出来たら楽しいが、余裕が無いから、一瞬の閃きがない」と柏木選手は混沌としていた。

柏木選手は、根が真面目で几帳面で、責任感の強い選手だからこそ色々と考え込んで自分を追い込んでしまい、それが悪循環になってしまっている。もっと気楽に考えられたどんなに楽な事か?!

しかし、それが出来ないから苦しいのである。どんな有能な選手でも、ちょっとした切っ掛けでスランプに陥る事もあるように、ちょっとした切っ掛けでスランプから脱却出来る。そのちょっとした切っ掛けを掴む事が出来た時に、柏木選手は一瞬の閃きを取り戻す事が出来るだろう。

「浦和の太陽 柏木陽介」とサポーターから応援歌が歌われているように、ピッチで燦々たる柏木選手でいて欲しい。今は、闇に覆われてしまっているが、その闇から脱却した時は、更に強い輝きを放つだろう。輝きを取り戻した浦和の太陽は、決して沈む事はないと信じて、その時を待つ。

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