浦和フットボール通信

MENU

【This Week】週刊フットボールトーク Vol.143 (6/13)

山田直輝、復帰から想う、怪我と戦ってきたレッズ選手の歴史

椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)× 豊田充穂 (コピーライター)

椛沢:リーグ中断期間を使って、浦和レッズは北海道での合宿を行っています。昨日行われた練習試合では、山田直輝がゲームに出場をしてゴールまで決めたようですね。昨年の3月に・・・で離脱してから復帰まで一年以上が掛かりました。タカネェのコラムで、復帰までの模様を詳細にお伝えしていますが、彼自身もなかなか治らない怪我に焦りを感じながら、ようやく復帰が出来たという思いがあるようですね。

豊田:直輝君のチーム内やレッズ周囲での存在感を示す河合さんならではのレポートでした。気負わず、プロセスを踏んでピッチに戻ってきて欲しいです。取材歴の中で出場停止中やリハビリのメニューにある選手の様子は何人も見てきました。大原取材を初めて行なったのは2000年夏なのですが、ミスターレッズ(福田正博)や伸二(小野)が窓から内部が素通しで見えるプレハブのような送風設備だけの室内でメニューをこなしているシーンは鮮明に記憶しています。ヴェルディやアントラーズのプロ仕様の施設を同時期に見る機会もあったので複雑な思いがあった。あの頃からクラブを取り巻く情況は大きく変わりましたが、ゲームに出られない、それも負傷で長期離脱という情況を背負ったプレーヤーの取材は苦しみが伝わってくるものです。

椛沢:伸二と怪我というと、やはり1999年のシドニー五輪一次予選のフィリピン戦での怪我。左膝靭帯断裂という大怪我により長期離脱してしまった出来事を思い出します。その後も怪我を乗り越えて何度も魅せてくれた。その伸二が直輝に激励の言葉を直接かけてくれたそうです。その逸話については、今週末公開のタカネェコラムをぜひ、お楽しみにください。

豊田:同時期に出場停止を受けていた永井雄一郎君の取材もありました。「ゲームを外から見る価値」を盛んに口にして気持ちを高めていたことを憶えています。でも、とりわけ怪我と戦いながらレッズの復活と日本代表の未来を背負っていた当時の小野君の姿は忘れられない。降格のさなかにありながら直輝と同年代の当時ですでに浦和のキャプテン。J1復帰へのサポーターの思いを「その重さは想像を絶する」と、ポツリとつぶやきましたね。いきなり直輝君を小野伸二と比較するのは気の毒ですが、多くのものを負傷のさなか得て成長する意味をかみしめて帰って来て欲しいです。

椛沢:原口元気と共に、山田直輝がセンターでレッズを引っ張ってくれるようになる将来に期待をしたいと思います。彼らの後輩となるレッズジュニアですが、現在、全日本少年サッカー大会埼玉県大会が行われており、ベスト4まで進出をしています。今季から始動しているチームで最初は成績を求めるような活動をしていかないとのことでしたが、さすがの潜在能力の高さを見せています。16日(日)にベスト4が埼玉スタジアム第3グラウンドで行われます。対戦相手は県下最強チームの大宮アルディージャジュニア。ジュニアのダービーです。もうひとつの山は、レジスタFCと江南南サッカー少年団の対戦ということで、埼玉のハイレベルな2試合が見ることが出来そうです。

豊田:夏の全国大会に向けて知名度や実績から言っても見逃せないカードになりました。レッズ支持者にはぜひとも見てほしい気持ちがあります。ジュニア年代に対するこういう視点が、レッズのクラブ力を底上げする私たちの力になるのではないでしょうか。

椛沢:今週金曜日には、酒蔵力本店で、URAWA TOWN MEETING005を開催します。タウンミーティングには3回目の登場となる橋本光夫代表にお越しいただきます。5期目を迎えた代表に、今季までの印象や、5期という長期で見てきたレッズを今後どのようなクラブにしていきたいのかなどを語っていただく場にしたいと思っております。会の最後は直接交流をして頂く時間もあります。まだお席にも余裕がありますので、クラブと直接膝を交えて交流をしたいという方はご参加ください。

豊田:橋本さんは自らの意思表示をもっての続投と聞いています。代表としての就任期間も指折りとなりました。個人的にはそのあたりの心境もうかがいたいと思います。ところでさいたまシティカップにイングランドの名門・アーセナルFCが来日することになりました。告知のコメントをマンチェスターのマーク・ラッセルに依頼しましたが、彼も私と同様に48年も前の来日を憶えているそうです。「日本代表相手に失点したんだろう?」って(笑)。得点者は釜本邦茂さん、日本ゴールを守っていたのは横山謙三さん(元浦和レッズ監督)ですね。ユナイテッド支持者としてもロンドンのライバルの動向は気になるらしい。デニス・ベルカンプ、ティエリ・アンリ、シルヴィー・ヴィルトールらを台頭させたアーセン・ベンゲル率いる“ガンナーズ”との対戦を楽しみに待ちたいと思います。

椛沢:アーセナルというと地味だという方もいるようですが、れっきとしたプレミアのビッククラブのひとつですね。近年は収容人数6万人のエミレーツスタジアムを建設するために、スター選手を放出して健全経営を展開しているので、そのイメージもあるのかもしれません。それに対しての賛否はあるようですが、その状況下でチームをまとめてきた、ベンゲルの手腕はさすがですね。サッカーの内容も、アーセン・ベンゲルの下で、プレミアでもエレガントなサッカーを展開しているという印象もあります。先日アンバサダーとして、さいたま市に来訪したユングベリさんも「アーセナルがレッズのサポーターを見たら驚くだろう」と昨年Jリーグをプレーした経験から、レッズの印象を語っていました。ユングベリが期待する“本気の応援”はないと思いますが……(苦笑)プレミアの名門クラブとレッズがどのような試合を展開するのか楽しみな夜になりそうです。

ページ先頭へ