浦和フットボール通信

MENU

『攻めて勝つ』伝統の“市高”が5年ぶりの全国出場【高校サッカー選手権埼玉大会】

さいたま市立浦和高校が、全国高等学校サッカー選手権大会埼玉県大会を5年ぶり13回目の制覇を果たして、全国大会への切符を勝ち取った。「攻めて勝つ」のスタイルを掲げて、昨年の王者、正智深谷に挑んだ戦いをレポートする。(浦和フットボール通信編集部)

IMG_0108

IMG_0104

市立浦和の、ここまでの勝ち上がり結果

3回戦 vs狭山ヶ丘 2-0
準々決勝 vs西武台 延長2-1
準決勝 vs武南 延長2-1

2013/11/17 埼玉スタジアム
決勝
さいたま市立浦和高校 1-0 正智深谷高校

粘りの市立が決勝戦も昨年の王者、正智深谷に粘り勝ち

市立は、決勝トーナメントで、優勝候補の西武台、武南を延長で退けて、決勝の舞台まで勝ち上がってきた。決勝戦でも池田監督が掲げる『攻めて勝つ』をスタイルに、FW登録の選手を5人起用。池田監督も「攻めて勝つと言っている以上は、選手たちにメッセージを送らないといけないと思って、FWを5人起用しようと思った。守備の部分での不安がなかったわけではないが、自分で怖がるような思いはなかった。うまく機能するだろうという気持ちでいた。」と攻めの姿勢で試合に挑んだ。両チームが高い位置からプレッシャーをかけて、一進一退の展開となった決勝戦だった。池田監督は「こちらが攻撃的にいくことで、相手の攻撃力を抑えて、必然的に相手のロングボールが増えてくると思っていた。その対応として、こぼれ球をしっかり拾ったり、ポジションの修正を徹底しようと指示をしていた。」と狙いを明かした。前からプレッシャーをかける市立を前に正智深谷の攻撃力は影を潜めることになった。

IMG_0213

前半はお互いにチャンスを作るもゴールは奪えず、スコアレスで終了した。後半に入ってもお互い高い位置でのプレッシャーをかけ続けるが、徐々に足が止まり出すと正智深谷が試合の主導権を握り始める。サイド攻撃から、ビックチャンスを正智深谷が作り出すが、GK鈴木のビックセーブにあい、得点ができなかった。

スコアレスのまま、延長に入るかと思われた、79分に初めてのCKのチャンスを市立浦和が得ると、池田監督も「予感がしていた」という言葉とおり、富田の好クロスを松本が身体で押し込んで決勝点を決めた。このまま試合は終了をして、市立浦和が試合を制して、全国出場を決めた。

最後まで諦めず、ボールに食らいついて、ボールを追いかけ続ける姿は、いつ見ても清々しい気持ちにさせてくれる。URAWAの名を背負った伝統の市立浦和が、全国の舞台でどのような活躍をみせてくれるのか、今から楽しみだ。

IMG_0490

IMG_0513

全国優勝を常に目標においている

IMG_0619

池田一義 さいたま市立浦和高校 監督
「浦和高校が54年ぶりにラグビーで全国大会出場となって、中学は浦和の尾間木中学が勝ったので、色々な意味で良い風が吹けば良いなと思っていました。

決勝までに西武台、武南を破ったことは、自信になったと思います。決勝戦の正智深谷に対しても臆病に入ることはなくて、俺たちは出来るという気持ちで試合の臨むことは出来ました。私自身もこのチームが成長をしてきたことも感じながら、試合に挑むことができました。

今年は3トップに特長を持たせて、両ワイドに張るのではなくて、バイタルエリアを徹底的に攻めようということでチームを立ち上げたのですが、前と攻守においても運動量が足りなくて、インターハイでも早めに負けてしまったこともあって、私が赴任してから初めてくらいの厳しいトレーニングを夏に課しました。夏場で暑いからといって無理をさせないということではなく、今、動いておけば秋に動けるということで、前から厳しくプレッシャーをかけるということを繰り返してきました。その練習によって、選手たちも走らないとゲームにはならない。足元だけの技術だけではダメだということが分かってもらえた。それは前線の水上、野澤、鍛冶が強く感じてくれたと思います。

鍛冶、野澤はそれまで交代で出ていましたけども、彼らはスタメンで出ていてもおかしくはない選手ですし、1試合を通じて力を発揮しないといけない選手ですので、これから全国大会の時に彼らがスタートから出ていないとダメだぞという想いもあった。試合の前に彼らに「スタメンで出たいか?」と聞いたら、出たいということでしたので、任せることにしました。俺がやるんだという気持ちをみんなにもってもらいたかった。CBの二人も両サイドがFWの選手になった関係で、自分たちがしっかりとやらないといけないと思ったでしょうし、ひとりひとりの自覚を強めたこともあります。この予選、特に狭山ヶ丘戦あたりからCBの二人が安定をしてきた。彼らの成長が大きい。それもあって、この形で臨むことが出来ました。

我々の『攻めて勝つ』というスタイルの下、色々なアイディアをもって発想を豊かにして、サッカーのみならず、人間的な成長も求めていきたいと思っています。ゴールをすることが最大の喜びだと思いますので、選手たちに感じてもらいたいですし、応援してくれている人たちがそれを望んでいると思いますので、その場面を多く作れたら良いと思います。

決勝点のCKは、ここまでの勝ち上がっていく中で、色々な方から「粘る強くやっているね」と言われていましたし、劇的な試合をやってきましたので、この場面で来るかなという予感はありました。選手たちもここで決めてやるんだという気持ちがあったのではないでしょうか。CKはそのエネルギーが集まる場所ですから、その部分で相手よりも上回ったところがあると思います。松本が気持ちで押し込んでくれました。

全国までの時間は、1ヶ月ちょっとしかないので、劇的にチームが変わることはないと思いますが、今できることをやっていくだけです。正しい判断が出来て、正確なプレーに繋げていく精度を高めること。そして、それぞれの持っているものを発揮できるようにする。ピッチ内でのチームワークも高めていくこと。やらないといけないことは多いと思いますが、私も冷静に見極めて、何か1つ2つの課題を定めてやりたいと思います。

全国優勝を常に掲げてやっているので、それに向けて1試合1試合戦っていくだけです。多くの方が、それだけの力を秘めていると思っていないと思いますが、それだけの力を蓄えて、その時に一番良いパフォーマンスが出せるようにやっていきたいと思います」。

IMG_0636

松本渉 キャプテン
「夏から自主練習をして、CBの二人で話し合いをしながら、連携確認などをしてきたことが守備の安定にも繋がっていったと思います。正智深谷のエースストライカー、オナイウ選手は、テレビ中継で、彼のプレーを確認して、ドリブルの特徴や、ヘディングも強いので、彼が競ったあとの、こぼれ球をどうするのかなどの確認と、彼をゴールにどれだけ遠ざけるかということを確認して挑みました。西武台、武南に勝って自信を得たこともありますし、正智深谷には夏のS1リーグで、3-2と勝利していたので、良いイメージがありました」。

IMG_0726

 

IMG_0904

 

IMG_0862

 

IMG_0503

 

IMG_1010

ページ先頭へ