浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「最後の望みをかけて」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

残り2試合、浦和らしく終わるために闘い抜け!

敗戦を告げるホイッスルが、夕闇せまる埼玉スタジアムに鳴り響いた。精根尽き果てた柏木陽介選手は、バックスタンド側のピッチで膝を抱えて座り込んでいた。その姿が、全てを物語っていた。首位横浜FMを勝ち点1差で追撃する浦和にとって、絶対に落としたくない試合であった。

J1リーグ屈指の攻撃的サッカーを誇る川崎Fとの対決は、試合前から撃ち合いになる展開を予想していた。前半12分、中村憲吾選手の右CKをジェシ選手が頭で合わせ先制点を許し追いかける形となった。浦和はサイドから揺さぶりを掛けた。後半12分、ドリブルで槙野智章選手がサイドから中に切れ込み、原口元気選手とワンツーで抜け出して同点に追いつくも、その直後、登里享平選手のグランダーのクロスをクリアーしようと飛び込んだ槙野選手のオウンゴールになってしまった。立ちあがれない槙野選手を励ますように山岸範宏選手が助け起こし、檄を飛ばした。

誰もが勝利を目指して必死に闘っていた。だが、ジェシ選手を中心とした川崎Fの守備は堅く、崩すために前掛りになった浦和の隙をつきカウンターの脅威に晒されてしまった。アディショナルタイムに大久保嘉人選手に決められ1-3と敗戦。

試合後、川崎Fの風間八宏監督は「攻撃的な志向で90分通そうと選手達には伝えました。選手もボールを持って突破することを試みてくれました。カウンターを繋いで行くことや、選手達が最後まで遣るべきことを、自分達の判断で遣った結果3-1になったことは自信になったと思います」と笑みを浮かべて話した。

お互い放ったシュートは14本と同数であった。リードを許した展開で、浦和は苦しいゲーム運びとなったが、悔しいが川崎Fのゲームコントロールは見事であった。最後まで諦めずに死力を尽くした浦和にとって本当に痛い敗戦となったが、ガックリと肩を落とす選手たちを勇気付ける拍手と声援が飛んだ。

ロッカールームから出て来た柏木選手は「同点になって、勢いつけて行く所だった。守備に関して、全体的に足が止まっていた。セカンドボールに対して相手の方が反応早かったように感じたし、それが最後失点に繋がった。正直、優勝という物が程遠い物になったし・・・。それは、仙台戦でも落としたから仕方ないと考えている。もちろん優勝を目指すために全力を尽くすけど、自力は無理なんで、残り2試合2勝することだけを心掛けてプレーするしかない」と重い口調で話した。

敗戦の痛みを必死に切り替えようとする那須大亮選手は「セットプレー・・・。僕がマークだったんで、どうにか弾きたかったが上から乗っかられて悔しい。良い時間帯で追いついたが、不運もあって失点してしまい、リスクを掛けて攻撃にでた。全体的に攻撃的に行ったが、なかなか点に結びつくことが出来ず、3失点目してしまい悔しい敗戦だった。自分達のスタイルでやり切って来たので、臆することなく、自分達のサッカーを貫いて、あと2試合、自分達には勝利しか無いのでそれを信じてやっていくしかない」と力強く話した。原口元気選手は「悔しいね・・・。俺にも力が無いし、チームにも力が無かった。でも、成長出来るから、諦めずにチームでまとまってやることをやる。全員ハードワークしていたけど、その中で、プラスアルファーで自分達の仕事が出来なかった」と、暗い沈んだ表情で話したが、「諦めてないです!勝ち点3を獲って(鳥栖から)帰って来ることだけを考えている。やります!」とその目は輝きを失ってはいなかった。

宇賀神友弥選手は「自分達が2連勝したとしても、次にマリノスが勝ってしまえばマリノスが優勝だが、間違い無くプレッシャーがあると思う。ミシャも最近よく言っているが、残りは一日々をサッカーのことを考えてやらなきゃいけない。次に僕らが勝ってマリノスが負けたら、マリノスにはもっとプレッシャーが掛かると思う。『人事を尽くして天命を待つ』自分達が遣るべきことをやるだけ!しっかりと気持ちを切り替えて練習からやっていく」と明るく話してくれた。そして「陽介も色々と考えるところがあるだろうし・・・。あいつは背負い過ぎちゃう部分もあるし、自分がミシャを優勝させたい気持ちが凄く強いから、あいつ1人が抱え込まないように、メンタルの部分もケアー仕合ながら遣れれば良い」と仲間を気遣った。

首位に立てるチャンスだった仙台戦に続き、勝ち点4差となった川崎F戦の敗戦。確かに優勝の可能性は遠のいた。諦めることも、嘆き悲しむことも簡単である。だが、可能性は0では無い。何が起こるか分からない。川崎戦後のロッカールームから出て来た選手たちは、厳しい表情をしながらも誰一人として諦めていなかった。最後の望みをかけて、一丸となって闘うしかないのだ。最後の笛がなるまで共に走ろう。

Q.フットボールアンクルについて教えて下さい

A.アキレス腱が痛いと思っている患者さんの中に、フットボールアンクルの人がいます。フットボールアンクルとは足首の後方にある骨が足首の底屈で衝突して痛みを発生する障害のことを言います。足首の距骨という骨の後方が大きい人や三角骨という過剰骨がある人がボールを蹴る瞬間に出っ張っている前述の骨が足首の底屈で衝突して痛みが発生します。アキレス腱のもっと奥に痛みがでますが、アキレス腱痛と自覚する人が多く、アキレス腱痛とフットボールアンクル鑑別には注意が必要です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック
整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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