浦和フットボール通信

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「結果で示さなければ評価されない」ゴール裏からの試合レビュー Jリーグ第2節vsサガン鳥栖

sagan
敵地・大阪でガンバを1-0で破り、ホーム埼玉スタジアムに戻ってきてのホーム開幕戦となった。ホームタウン浦和にフットボールゲームがあると、どこか街も赤くなる。ユニフォームを着てスタジアムに向かう人、フラッグを掲げるお店や家、大型店の装飾も2014モデルのものとなり、浦和駅前のフットレリーフも原口元気や山田暢久の活躍を記す、足型の記念プレートが登場した。

試合前には昨年ベストピッチ賞の受賞を表彰するイベントが行われ、今季も埼玉スタジアムのピッチは青々と輝いていた。スタンドも赤く染まり、そのコントラストがまた美しい。しかし観客動員数は42,850人と昨季のホーム開幕の52,293人から1万人近い数が減ってしまった。これは昨季の終盤戦の失速のイメージからチームへの信任度が下がっていることも要因の一つであろうと思う。

スターティングメンバーは、ガンバ戦のメンバーから代わり、最終ラインの右に濱田水輝を起用。森脇が右サイドに入った。リベロは怪我の那須から永田が入った。昨季の終盤での対戦でも高さにやられた対策としての対応策としてのメンバーチェンジだったのではないだろうか。結果を出すことに主眼を置いた起用に今季にかけるミシャの想いを感じた。

サポーターは、選手入場と共に赤、白、黒にそれぞれハートの12が描かれた、デカ旗3色をゴール裏スタンドに翻させた。サポーターをビジュアルを大掛かりに展開する気持ちにさせるに至っていないが、ホーム開幕からチームを後押ししたいという気持ちの表れからのサポートになった。

そして『アレ浦和』の大合唱からゲームがスタート。人数は減っても埼玉スタジアムの熱狂は変わらない。しかし、前半9分に早くも先制点を奪われてしまう。GK西川のビルドアップから濱田がボールを奪われて、そのまま左サイドの安田がクロスを上げて、エースの豊田にヘディングで決められた。後ろから丁寧に繋ぐレッズのサッカーで起こりうる形からの失点とも言える。鳥栖もここを狙ってきた。

その後は落ち着いてゲームを作り直した。サイドを使って何度か好機を作るもゴールには至らずに前半が終了。後半早々に、永田に代えて李を投入。濱田がリベロに入り、森脇がスリーバックに、梅崎が右サイドに入った。しかし、後半に入ってもなかなかエンジンをかけられない展開にゴール裏が反応をして、ゴールに向かう姿勢を要求するチャントが歌われる。さらにゴール裏からは、もっと仕掛けることを要求する、関口コールが起こる。徐々にゴールに迫るも、中央をがっちりと締める鳥栖のディフェンス陣をこじあけることが出来ない。

最後までゴールを割ることが出来ずに、先制点を逃げ切った鳥栖が0-1で勝利した。相手に守備を固められた時に如何に崩すかという課題も昨年から残っている。このような試合も強引に勝利に結びつけるチームが『優勝をする』チームなのかもしれない。そのために必要な強烈な個、強烈なストライカーが存在しないのも事実だと思う。

挨拶に周る、選手達にスタンドからはブーイングが起きた。頑張って諦めずに戦っていたというだけでは評価されない。結果を残すと言ってシーズンインしたチームは結果を残すパフォーマンスを見せ続けるしかない。厳しいシーズンだが、ミシャ3年目高いハードルを乗り越えるしかない。

試合後から話題になっている「Japanese ONLY」の幕について、出した人間の本当の意図は分からない。現在クラブと話し合いを行っているとのことだが、非常にナーバスな問題に対しての言葉として捉えられてしまうという意味では、不必要な行動だったといわざるを得ない。浦和に関わる人間が、コミュニケーションをしっかりと図りながら雰囲気を作らなければ、浦和レッズのワンダーランドは創ることが出来ないと思う。

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