浦和フットボール通信

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椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)×島崎英純(浦和レッズマガジン編集長) 居酒屋レッズトーク対談第1回『ミシャ3年目のシーズンで、結果を求められる状況が渦巻いている』

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椛沢:新コーナー『居酒屋レッズトーク対談』ということで、本日は宜しくお願いします。第1回は、レッズサポーターにはお馴染みの酒蔵力武蔵浦和店にて、行わせて頂きます。

島崎:宜しくお願いします。酒蔵力さんは焼き鳥を中心に食べ物もめちゃくちゃ美味しいんですよね。

椛沢:まずは乾杯をしましょうか。私はレッズサワーで。かんぱーい!

島崎:かんぱーい!

椛沢:さて、2014シーズンも開幕をしました。開幕戦のガンバ大阪、サガン鳥栖戦を終えた現在ですが、この2試合を見ても、今季は結果重視のサッカーを展開しているという印象を受けましたが、島崎さんはどのように見ているでしょうか。

島崎:おっしゃる通りですね。ガンバ戦は先制点を奪って、そのまま逃げ切り、鳥栖戦は先制をされて、17本シュートを打ったけれども得点できずに0-1で敗戦と、スコアだけを見ても去年から色合いが違うことが窺い取れます。逆にサポーターから見て、どのような感じに受け取っているんでしょう?

椛沢:開幕前の雰囲気は、昨季終盤戦の守備陣の崩壊のイメージがみんなあると思うので、失点は許さないぞという雰囲気があったと思います。その中で選手達もその辺を感じ取って失点をしたくないということをプレーを見ていても感じることが出来ました

島崎:やっているサッカー自体は変わっていなくてミシャ監督3年目のシーズンであり、熟成の時期に入っているのは間違いない。その中で、もちろんシステムも変わらないですし、チームの骨子は変わっていないですけれども、リスク管理の部分。特に守備から攻撃に転換した時のリスクを今までより抑えていることは確かだと思いますね。守備においてそれが良い方向に働いている。その反面、ミシャさんが一番理想としていて特長でもある攻撃力が落ちている気がします。そこはチームの中でもチームバランスをどうするべきかを分かっているだろうから、これから整えていくことになるんだと思います。

椛沢:確かに開幕の数戦を見て、サポーターの中には、昨季となんら変わらないじゃないかという声があるのも確かです。

島崎:そこは良い意味で変わるわけは無いですね。同じ監督がいて選手が劇的に代わっているわけではないので、むしろ変わるほうがおかしい。ミシャさんでやる限りでは現象的に変わることはあるかもしれないですが、4バックの4-4-2でサイドからクロスを上げて、ドンというサッカーをやるチームではないですから、良い意味で変わっていないと思います。

椛沢:その意味においては、鳥栖戦は、ミシャさんのサッカーで負けているなという部分もありました。

島崎:鳥栖戦の問題点をあげるならば、守備に注力したのに、失点シーンに関しては連携の不備で、サイドを突破されて、一番注意をしている選手にヘディングシュートを決められたのは猛省しないといけないですね。ミシャさんのサッカーでは先制されると苦しい展開になる。ミシャさんのサッカーは相手を自陣に引き込んだ上で、相手の背後のスペースを突くことは才があるけれども、ポゼションして、相手のブロックを崩すという論旨は3年間で見出せていないのは事実です。それが鳥栖戦では出ましたね。

椛沢:あのような試合を見ると、昨季もそうでしたが、決定的なシーンを決めるストライカーが必要なんではないかと思ってしまいます。

島崎:それは間違いないですね。遅攻で、遅くボールを回しながら相手のブロックを崩すことはバルセロナのようにテクニックのある4人、5人の選手が細かくパスを回すという、やり方もあるけれども、一番手っ取り早いのは、単純にクロスを上げて1対1の勝負に持ち込んだ上で、それに勝てばブロック守備でも点が取れるということだと思います。イブラヒモビッチが来れば、簡単に攻略できるという考えは普通のサッカーファンの見方ではないですか。

椛沢:加えて優勝するチームは、苦しい試合でも勝てる力を見せられるチームだと思います。

島崎:2006年などはそうでしたが、苦しい時にも個人の力で勝てたということですかね。

椛沢:そういうことですね。今のレッズのサッカーは、良い試合をしないと勝てないという所になると、常に良いサッカーが出来るわけではないので勝ち点の計算が難しくなると思います。

島崎:今の浦和の戦力でJリーグでダントツで優勝するのは難しいかもしれない。他のチームとも実力差がほとんどないので、もちろんレッズも優勝の可能性があるけれども、他のチームにも可能性があると思うので、良いサッカーをして優勝が出来るのかという話にはなるのだと思いますね。

椛沢:逆にいえば、そのJリーグの環境なので、この状況でもレッズが優勝ができる可能性があるんだということだとも思います。

島崎:そう思いますね、もっと言えばミシャさんが指導した広島が2連覇した事実からみれば、それが分かるし、決して浦和が優勝をできないわけではないと思います。

椛沢:今のJリーグに圧倒的なチームがあったら出来ないと思いますけど、今のリーグにその存在がいませんからね。

島崎:だから、そんなに悲観しなくても良くて、苦しい試合もあるけれども、その中で優勝を目指していくという状況なんだと思います。サポーターからすれば4-0、5-0で勝てれば嬉しいかもしれないですけども、なかなかそのような状況ではないですね。

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