「敵地では4年ぶりのダービーに完勝」 Jリーグ第13節vs大宮アルディージャ ゴール裏からの試合レビュー(2014/5/12)
前節は、最後の国立で、ヴァンフォーレ甲府にスコアレスドローに終わったレッズは、敵地・NACK5スタジアム大宮で、さいたまダービー大宮戦を迎えた。
本来ダービーは、同一市内の対戦を指すものであるので、さいたま市の2チームが激突するさいたまダービーこそが、日本で唯一の本当のダービーとなる。さいたま市が、旧浦和市、旧大宮市、旧与野市が合併して出来た市ではあるが・・・。
ダービーを盛り上げようと、浦和側が大宮を挑発してきた感があったが、差別的横断幕事件以降、レッズ側はオフィシャルフラッグ以外の応援アイテムは禁止されているので、当然、大宮を挑発するアイテムもなく、この試合に勝ちたいという純粋な気持ちだけが、このダービーを盛り上げる要素となった。大宮が今まで以上にダービーへの執着が見えなかったのは、執拗な浦和側の煽りがなかったせいだろうか?・・・。
NACK5スタジアムは大きなスタジアムではないということもあって、この試合もチケット発売と同時に10分を待たずして完売となった。この注目の一戦にアウェイスタンドは、もちろんのこと、メイン、バックスタンドにもレッズサポーターが詰め掛けて、ダービーを後押しした。
サッカー専用スタジアムは、選手が近いので臨場感があり、迫力のプレーが見られるだけではなく、声援がダイレクトに選手に届くので応援しがいがある。選手が登場すると同時に大きな声援が選手達に送られていた。サポーターがこのダービーに向けて期待のコールを送ったのは、久しぶりのワントップに入った興梠と、ダービー男の原口だった。
前半は、その期待に興梠が応える。29分に柏木のクロスを大宮ディフェンスラインの裏で、受けると振り向きざまのボレーシュートで先制点。シャドーの位置に下がっていた興梠のストライカーとして意地の一発だった。その後もレッズには試合を決めるチャンスがあったが、ゴールを決め切れなかった。しかし下位に沈む大宮はどこか勢いもなく、レッズが終始ゲームのペースを握って前半が終了する。
後半に入ってもレッズがゲームを支配。68分には柏木が前線でプレッシャーをかけてボールを奪うと、そのままドリブルで相手陣内に進入して、見事なゴールを決めて2点目。この所、ほとんどの得点で絡んでいる柏木は今季初ゴールとなった。このゴールでほぼ勝負があった。大宮はディフェンダーを前線に入れてパワープレーを仕掛けるが、レッズも濱田を投入してこれに対応すると、大宮にはほとんどチャンスを与えずに、完封勝ち。
GWをはさんだ、5連戦を3勝1分1敗の成績で乗り切った。そして、ダービーの通算対戦成績も7勝5分7敗の五分に持ち込んだ。このダービーの勝利は、大宮優勢で続いた今後のダービーの流れを変える勝利になるかもしれない。現在のチーム力の差を大きく感じる、レッズの完勝だった。