浦和フットボール通信

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椛沢佑一(浦和フットボール通信編集長)×島崎英純(浦和レッズマガジン編集長) 居酒屋レッズトーク対談第4回『共通認識をもった一体感が生まれている』(2014/6/13)

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本誌編集長、椛沢佑一と、レッズマガジン編集長の島崎英純さんがホームタウンの呑み屋で、呑みながらざっくばらんにレッズの話を転記する「居酒屋レッズトーク対談」第4回は、前半戦を振返っての印象。そしてスタジアムの雰囲気についてから。

鳥栖戦での事案以降、共通認識をもった一体感が生まれている

島崎:ぼくが、サポーターの応援について、何かを語るのは、すごくおこがましいし、サポーターのすることに対して何かを言う立場にはないんですけども、本来的に、クラブやチームをサポートして勝って欲しいと思っているのですが、それが違う雰囲気を及ぼしているという残念さを鳥栖戦で感じたんですけど、その後どうなっているのか、率直にサポーターの雰囲気を聞きたいですね。実際に福田さんも言っていましたけど、サポーターの雰囲気が柔らかくなったことで選手達へのプレッシャーが軽減されて、やりたいサッカーを行えている雰囲気があると言っていましたけど、実際は、どうなんでしょう?

椛沢:確かに、例の一件以降は、チームに対しての捉え方が、ポジティブになったかもしれないですね。その要因があの件だけなのか、チームがやっていることが賛同されているということもあるのかもしれません。現状のチームのパフォーマンスを見れば、サポーターもピリピリすることはないとも思います。その両方の要因はあるかもしれないですね。

島崎:今までは罵詈雑言が飛び交うことがあったけども、それが全くなくなったということを取材者でも感じている人もいるようです。

椛沢:いろいろな環境の変化で、より試合だけに集中する環境に変わったことが影響していることはあるかもしません。

島崎:今まで、慣習的なサポートとして、叱咤するという気持ちもあったのかもしれないですけど、選手からしたら、それが罵詈雑言に聞こえて、もしかしたらプレッシャーに繋がっていたのかもしれない。それが今は一体感があって、もちろん横断幕が出せなかったり、太鼓がなかったりと窮屈なサポートをサポーターは強いられているけれども、逆に一つの方向に向けられている動機にもなっているのかなと記者席から見ていて感じていました。

椛沢:サポーターも選手達に申し訳ないことをしたなということと、今回の一件を選手達がピッチでの活躍でカバーしてくれているという思いがあると思いますね。

島崎:そこでの共通認識での一体感が生まれているのかもしれないですね。今回の件を経験にして良い方向に作っていこうという気持ちになることが出来れば良いのではないかと思います。

椛沢:サポーターもそうですけども、選手たちもレッズでプレーすることのより責任感を感じているのではないかということを感じます。

島崎:そうですね。もちろん今までも責任感はあったとは思いますけども、今回の一件があって、より責任感が増したことは間違いないし、それがプレッシャーではなくて、ポジティブな空気に繋がっているのが良い成績に繋がっているのかもしれないですね。実際に埼玉スタジアムに動員が増えてきているのは、何回かスタジアムに足を運んだ人が良い雰囲気だと評価してくれているんじゃないですかね。

椛沢:セレッソ戦はフォルラン効果があったとはいえ、5万人の観客動員がありましたからね。

島崎:そのセレッソ戦の5万もセレッソの人気があってのことだけども、ほとんどが赤い服を着て応援をしている人でした。ということはセレッソが見たいけれども、レッズを応援している人が多いということだから、潜在的に埼玉スタジアムを埋める人気が浦和にはあるということを証明したのではないでしょうか。最近は試合を見ていても楽しいし、雰囲気も良いと感じます。それが成績に繋がっているのは自然な感じがしていますね。

椛沢:確かに、前回にここで話した時の雰囲気だとチームが壊れてもおかしくないかなという危機感があったのは事実ですね。お互いの信頼感が崩れている感じを受けました。

島崎:サポーターがあの目線だと、壊れるのは止むなしで、チームをリセットした方が良い方向に向くのではないかと考えになりかねなかった。しかし現状を見ると、それは間違いであることが分かる。優勝するか分からないけども、前半戦の成績を見れば、今までやってきたことをやり抜くことの方が大事だったのではないかと思いますね。

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理想よりも現実を考えて勝つサッカーを展開している

椛沢:そう思います。ミシャ3年目ということで、継続的な力が目に見えるようになってきました。

島崎:サッカーに関して言うと、守備が素晴らしく安定をしました。要因を探るのはなかなか難しいのですが・・・。

椛沢:正直、ガンバ戦、鳥栖戦までは昨年同様に、守備がフワフワをしていたと思うんですけど、その後は、突然しっかりとして、今はその雰囲気がほとんどないように思えます。

島崎:神戸戦はミスが生じて失点をしました。今まであのようなミスがあったけども、それもなくなりましたよね。とにかく集中をしていますね。槙野や森脇が上がらないことでのバランスの良さということもあります。

椛沢:確かに彼らが目立ってないですね。しっかりと守っている印象があります。

島崎:柏木が面白いことを言っていて、槙野は足の調子が良くなくて、あまり上がらないのだけど、それが良いんだと。今まではチームスタイルの魅力を表現するために、あえて槙野や森脇が上がるパターンを作り出していたけども、今はそこまでしなくても辛抱をして結果をもたらすことが出来ている。そうなると選手達もむやみに攻撃に移行をしなくても勝利を得られるという自信が芽生えてきて、そうなるとリスクを犯したプレーが少なくなる。もしかしたらミシャさんは今のサッカーを内心は、良くは思っていないかもしれない。これは、俺のサッカーではないと(笑)

椛沢:昨年の派手なサッカーから比べると、地味にはなりましたよね。点数がそんなに入る気がしないけれども、失点もする気配が少ない。

島崎:ミシャさんからすると、たぶん、地味と言われると嫌なんだと思うよ(笑)

椛沢:福田さんがいやらしく、試合後のインタビューで、「レッズは、イタリアみたいなサッカーをしていますね」とミシャさんに言ったら、「そんなサッカーを目指しているわけではない」と強く否定をしているシーンが印象的でした。

島崎:その点については、ちょっと敏感になっていて、本来的にやりたいサッカーではないけども、結果が出ていて選手もやりがいを感じている限り、監督自らが腐してはいけないと抑制が働いているという状況ではないですかね。どう見ても、今はミシャさんのサッカーではないですからね。

椛沢:ただ、点を取りにいこうとした時に、今までの積み重ねで点が取れるのだから、そういう意味ではブレているわけではないと思いますし、それはそれで、勝つサッカーが出来ているのかなと思いますね。

<その5へ続く>

取材場所:武蔵浦和ワイン居酒屋BURCAK
埼玉県さいたま市南区別所6-5-2 JR埼京線・武蔵野線 「武蔵浦和駅」下車 徒歩5分

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