【河合貴子の大原なう】手応えが残る練習試合となった、横浜・Fマリノス戦<永田、李、マルシオ、矢島、直輝コメントあり>(2014/8/10)
悪天候の中、練習試合横浜F・マリノス戦
台風11号の影響が懸念される8月10日。キックオフ前に、遠くで雷鳴が轟き激しい雨に見舞われたが、午前11時から大原で横浜F・マリノスとの練習試合が行われた。
激しい雨が、降ったり止んだりの中、気温は24℃と涼しげであったが、雨が止むと一気に蒸し暑さが増した。
浦和はGK加藤、DF濱田、永田、坪井、MF関口、山田、青木、関根、矢島、李、FW阪野のスターティングイレブンで臨んだ。横浜Fマリノスは、藤田祥史選手のワントップで、トップ下の真ん中に藤本淳吾選手、右サイドバックに小林祐三選手、センターバックの一角には冨澤清太郎選手などそうそうたる顔触れが並び、4-2-3-1のシステムであった。
試合は、立ち上がり良い入りが出来た浦和であったが、巧みな藤本選手のポジションチェンジに惑わされるシーンが見られた。15分、GKからの自陣でのボール回しで、前からプレスを掛けて来た横浜ボールを奪われると、佐藤優平選手のミドルシュートが決まり先制点を許してしまった。細かくパスを繋ぎながら流動的にポジションを変えて来る横浜に対して、徐々に浦和DF陣もブロックを形成してマークの受け渡しをしっかりとして、ボールを奪ってからも落ち着いて、縦パスを入れたりサイドに展開したりと自分たちのリズムを取り戻していった。しかし、バイタルエリアまで良い形を作るものの、なかなかゴールを決めることが出来ず、前半を0-1で折り返した。
後半、浦和はGKを加藤順大選手から、岩舘直選手。横浜は藤本選手から松本翔選手、小林選手から端戸選手が交代で起用された。浦和はDFラインからサイドや縦パスを有効に使い、59分には、永田充選手から右サイドに流れた矢島慎也選手にボールが渡り、矢島選手のクロスをペナルティーエリアまで侵入してきた山田直輝選手が冷静に落として李忠成選手がワントラップシュートで同点に追いついた。しかし、徐々にゲームを横浜に支配されてしまい。64分には、阪野豊史選手からマルシオ・リシャルデス選手、76分には関口訓充選手から練習生へと選手交代が行われた。81分には、横浜の大きなサイドチェンジから、喜田選手に切れの良いドリブルで持ち込まれてしまい、思わずエリア内で倒してしまってPKを与えてしまった。そのPKを藤田選手が決めて、再び追いかける展開となってしまった。だが、その直後の83分練習生と山田選手とのコンビネーションで相手の左サイドを切り崩し、練習生が角度の無いところから、折り返そうとしたボールが相手DFに当たりオウンゴールで2-2の同点となった。最後まで諦めずに相手ゴールに襲いかかった浦和は、FKのラストチャンスにマルシオ・リシャルデス選手がキッカーを務め、ファーサイドの永田選手を狙うも惜しくも合わずタイムアップ。試合は、2-2の引き分けで終わった。大学生との練習試合のように、ボールを支配して主導権を握ることは出来なかったが、横浜F・マリノスにゲームを支配されながらも手応えが残る良い練習試合だったと言える。
永田「広島戦使ってもらえたら、やれる自信がある」
永田充選手は「負けなかったことは良かったが、もう少し、アピール出来たのに・・・」と悔しがり「後ろからのフィードところでミスパスもあった。パスの受け手が、スピードに乗れるようなパスが出せれば良かった」と自らのプレーを振り返った。次節、那須大亮選手が累積のために出場停止となることを受けて「使ってもらえたら、やれる自信がある。今週、しっかりとアピールしていく」と話し、練習試合で出た課題を真摯に受け止めて広島戦に向けて良い準備をしていく。
李忠成「結果でチームに貢献したい」
唯一ゴールを決めた李選手は「何で、昨日のシュートが入らないんだよ!今日の方が難しいシュートだったのに・・・」と開口一番、昨日の川崎戦のシュートを悔しがった。「今日は、結果を出したこと、90分試合をやれたことは良かった。大学生との練習試合よりもテクニックとスピードがあるよね。小椋や冨澤、小林、藤本もいたしね。自分の足元にボールが入った時に相手との距離間を意識してやっていた。マルシオは、まだ動き出しが見えてないが、クオリティが高いから慎三(興梠選手)や陽介(柏木選手)、梅(梅崎選手)俺と上手くなっていくと思う。自分はFWだからね、自分が出た時には(試合に)点が獲りたい!結果でチームに貢献したい」と力強く話した。
マルシオ「ゲームのテンポを取り戻したい」
前回の青山学院大学との練習試合は、約10分の出場であったマルシオ・リシャルデス選手は「非常に良かった!」と今回も笑みが零れ「今の自分が取り戻さないといけないものは、ゲームのテンポ。動き出しだとか、納得のいくプレーが出来た。FKは、ポジション的に得意な位置ではなかったが、効果的なボールが蹴れた。全部試合に出ようと思ったら出来る気持ちだった。45分ぐらいは、出たかった」とコンディションが徐々に戻ってきているようだ。
直輝「自分が入ったら点を獲ってくれると思わせたい」
山田直輝選手は「相手の方が距離間が良く、ボールを支配されていた。負けなくて良かったです。相手は、フリーでポジションが流動的にやっていたが、ブロックを作り上手く守れたと思う。ボランチの位置から得点に絡むプレーを心掛けていて、今日は出来たと思う」と話し、「昨日の試合で、1-2で負けている状況で青木君が入った。自分が入ったら、点を獲ってくれると思うプレーをしたいし、思わせたい」と公式戦出場へ意欲を燃やした。
今日のイチオシ!「矢島慎也」
シャドーの位置から降りて来て縦パスをもらいサイドに展開したり、サイドのスペースが空いていたら斜めに走り込んだりと豊富な運動量と視野の広さを見せた矢島慎也選手。矢島選手は「退いて、ボールもらって、前向いて、運んで、が自分に合っている」と話し、李選手のゴールシーンを振り返り「俺のイメージだと直輝君が、相手と入れ代わるイメージだった。直輝君に決めてもらいたかった。僕のアシストが付いたのに・・・。ボールが少し浮いたので、落としたと思う。もっと良いパスを出さないといけない」とラストパスの精度に拘った。矢島選手は、明日11日から13日までU-21日本代表合宿に参加する。「期間が短いので大事にして行く」と話し大原をあとにした。矢島選手の武器であるスペースを使う動きで躍動してきて欲しい。U-21の経験が浦和でも必ず力になるはずである。