浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「さぁ~突き進め!~レッズレディース」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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あの悔し涙を美しく輝く嬉し涙に変えるために

フットボールとは、如何に無情なものなのか?!試合終了の虚しい笛の音が、浦和駒場スタジアムに鳴り響いた。

昨シーズン、降格の危機にさらされたチームとは思えない快進撃を繰り広げていたレッズレディースは、8月17日に行われたレギュラーシリーズのラストゲーム。INAC神戸戦に0-1で敗戦した。INAC神戸に勝てばレッズレディースは、レギュラーシリーズを首位で通過していたのだ。

レッズレディースは首位通過のプレッシャーからか、INAC神戸戦の前に行なわれた日テレベレーザ、ジェフレディース、ベガルタ仙台と3試合連続0-0で引き分けてしまった。そのため勝ち点差を湯郷ベルと日テレベレーザに詰められて、薄氷を踏むような首位であった。だからこそ、なでしこリーグ3連覇を成し遂げている女王INAC神戸をホームで叩きのめして首位通過を決めたかったのだ。

レッズレディースの選手たちは、勝利を掴み獲るために全力を出し切って闘った。ゲームを支配し、再三チャンスを作った。レッズレディースが放ったシュートは実に13本、INAC神戸のシュートがたった3本であった。そのたった3本のシュートの内、後半に放った1本のシュートがINAC神戸に勝利を呼び込んだのだ。

FKのクリアーボールが、偶然にも増矢理花選手の目の前にこぼれて、決められてしまった。再三チャンスを作りながらもゴールネットを揺らすことが出来なかったレッズレディースにとって、『不運』としか言いようのないゴールであった。

この大切な試合で『不運』では片付けられない出来事が、余りにも多すぎた。20分の加藤千佳選手と67分の岸川奈津希選手の接触プレーでの負傷交代を余儀なくされてゲームプランが変わってしまった。それだけではない、36分DFの裏に抜け出した吉良千夏選手のパスを中央で受けた後藤三知選手がゴールを狙うと、GK海堀あゆみ選手がエリアの外に飛び出し、ハンドしたように見えた。試合終了間際にもエリア内で今度はDFがハンドしたように見えた。しかし、いずれも主審の判定はノーファールであった。不可解な判定ではあったが、主審の判定に文句ひとつ言わず、直ぐにミスジャッチもゲームの内と切り替えて闘っていたレッズレディースの選手たちを誇らしく思えた。

吉田靖監督は「楽しんでやれ。ピッチでそれぞれの良さ出して輝け!」と選手たちをピッチへと送りこんでいた。選手たちは、本当に良く闘い吉田監督の言葉通りピッチで輝いていたと思う。『運も実力の内』とは言うが、悔しさだけが涙と共にピッチに残っていた。

試合終了後の記者会見で、吉田監督は「勝ち切ることが出来なかったのは、力が足りなかったからだ。4試合、得点が獲れていない。得点を獲るために精度を上げる。そして良い形でボールを奪えていない。守備のアプローチをもう一度していかなくてはいけない。これで終わった訳ではない!」とエキサイティングシリーズに向けて気持ちを切り替えていた。

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エキサイティングシリーズは、8月31日からスタートする。上位6チームのホーム&アゥエーで闘い、10試合が開催される。首位でレギュラーシリーズを終えた湯郷ベルは勝ち点6、2位の日テレベレーザは勝ち点5となり、3位のレッズレディースは勝ち点4のスタートとなった。ちなみに、4位の新潟レディースは勝ち点3、5位のINAC神戸は勝ち点2、6位のジェフレディースは勝ち点1となる。

3位につけているレッズレディースからしたら、上位との直接対決で勝利することで優勝を手繰り寄せることが出来る。

吉田監督は「レギュラーシリーズ18試合対戦して、我々がどのチームに対してもゲームを優位に運んだ」と手応えを感じながらも「まずは、悔しい気持ちを立て直すことから始めた。良い守備から、良いボールの奪い方が出来て良い攻撃が出来る。いろんな繋がりが出来る距離関係を意識してプレーが出来ている。良い奪い方が出来なかったとしても、しっかりと組み立てから崩す。どのチームも守備を構築して来る。セットプレーでも活路を生み出す。もっとやらないといけないと2週間過ごして来た。上位6チームの力は、変わらない。粘り強く闘いを征する」と優勝を射程圏内において力強く話した。

レッズレディースのエキサイティングシリーズ初戦の相手は、奇しくも涙に明け暮れたあのINAC神戸である。猶本光選手は「4試合、無得点だったので、2週間の練習で攻撃面のコンビネーションを意識した。前線から連動したプレスで奪い、良い繋ぎ方をして得点に繋げて行ければ優勝も狙える。チームの真ん中で(ボランチ)、前線の落としのサポートや攻撃の展開をしつつ、相手のDFラインの裏に抜けてゴールも狙う。運動量の違いを見せたい。INACにこないだ負けた瞬間から、次の対戦はINAC!嬉しかった。絶対に勝ってやろう!って言う気持ちしかない」と目を輝かせた。

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高畑志帆選手は「初戦がINACと出来る!舞台は整った。ここでリベンジを果たすのが今年のチームだ。ここ数試合、点が獲れていなかったのは、高い位置でボールを奪えていなかった。後ろが余り過ぎていた。しっかりと声をかけてDFラインを高めにする。細かい所の修正でステップアップ出来る。チーム全員でゴールを獲りに行く」と後方からチームをサポートして行く。

キャプテンの後藤三知選手は「距離間を意識して、ボールを受ける前の3人目の動きを練習してきた。この2週間でアプローチしたことが試合でどれだけ出来るか楽しみ。INACに負けた日に、次の対戦もINACだと知って面白いと思った。同じようにやっていたら勝てない。より進化した過程に目を向けて、ちょっとずつだが、自分たちが前に進めて行く意識が大事。信じられるものは、練習だ」と練習で培ったものを試合で出す。

不謹慎かも知れないが、あの日、流した涙は美しかった。一生懸命全力を出し切り闘ったからこそ輝いて見えた。あれから2週間。さらに美しく輝く嬉し涙に変えるために、レッズレディースの新たな闘いが始まる。

Q.膝の向きによってO脚とX脚がありますが、矯正することは出来るのでしょうか?

A.基本的に、マッサージなどで矯正するのは難しいですが、矯正しないと足の形が変わり、腸脛靱帯炎や鵞足炎(がそくえん)など様々な障害がおきます。ですから、足の向きを良くするために靴の中にインソールを入れます。例えば、O脚の場合は、靴の外側のインソールを少し高くして、足を中に向くようにします。X脚の場合は、内側を高くして足のアーチが高くして矯正します。インソールを入れることで、完治する訳では無いですが、O脚やX脚で起こる障害を予防します。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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