浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「拘りよりも大切な物~梅崎司選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけ、ケーブルテレビのパーソナティなどで活躍をしている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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チームのために、浦和を愛する人達のために全身全霊を傾け勝利を目指す。

気がつけば浦和で7シーズン目を迎えていた。梅崎司選手である。

ユース時代を過ごし、プロになった大分時代よりも長い月日が過ぎていた。

「7シーズン目ですよ」と梅崎選手に念を押されるぐらい言われた時、「えっ~そうだった?!」と思わず聞き返してしまったのは、梅崎選手がピッチで輝きを放っているのがここ3年ぐらいだったからかも知れない。7シーズンの年月を物語るように、良い伴侶とも巡り合い、家族も増えた。梅崎選手は、長期離脱の苦しい年月を乗り越えて、しっかりと浦和の地に足をつけて歩んできたのだ。

2008年に浦和へ移籍して来た当初は、小技が効く変化に富んだドリブルで相手DFを翻弄した。22試合に出場して、ようやく浦和に馴染む2シーズン目に腰痛を患い、シーズン始まる直前に手術に踏み切った。そして、復帰したかと思うと、右膝前十字靱帯損傷、右膝半月板損傷と次々と梅崎選手を不運が襲った。またもや長期離脱を余儀なくされて苦しい年月が過ぎていった。その間、1人暮らしだった梅崎選手は、故郷の九州から母親を浦和に呼び寄せた。怪我から復帰しても居残りランニングは、現在も梅崎選手の日課となっている。「もう二度とあんな思いはしたくない」と梅崎選手はコツコツと怪我に負けない身体作りをして来た。そしてミシャ監督体制になり、その努力が実ったのだ。

シャドーでもサイドでもプレーをこなす梅崎選手であるが、ミシャ監督になってサイドでプレーすることが多くなった。しかし、今シーズンは原口元気選手の移籍に伴い、シャドーのポジションでの出場機会が増えた。

「前線の3人がお互いを意識し合えている。続けてシャドーで試合がやれているから、タイミングが判り合えている」と梅崎選手は、目を輝かせシャドーの手応えを感じていた。

実際、梅崎選手は水得た魚のように、シャドーのポジションで柏木陽介選手と興梠慎三選手と絶妙なバランスのトライアングルを形成し活き活きと輝いていた。前線から相手を嵌めこむ守備でボールを追いかけ、奪ったらショートカウンターを狙う。相手チームが、ブロックを形成してきても我慢強く何度も動き直しをしてパスを受けるタイミングやスペースを作る動きで仲間を助けた。

「シャドーのポジションで勝負したい!拘りがある!」と梅崎選手は、はっきりとした口調で力強く話し「もっとゴールに直結するプレーを大切にしたい」シャドーのポジションへの決意表明であった。

そこには、決して譲ることの出来ない思いが籠められていた。浦和に移籍して来てから今まで一度も梅崎選手は、どのポジションでプレーをしたいなどと言ったことが無かったのだ。正直、梅崎選手の決意表明を聞いた時は、ビックリした。今まで露わにすることが無かった、秘めたる熱い闘志を知った。苦しい年月を過ごし、やっとミシャ監督の下で公私共に充実した日々を送れるようになり、闘える手応えがあったからだ。

「もう一つ、選手として抜けられる感じがある。行けそうな感じがする」と梅崎選手は、笑顔を見せていた。そして、シャドーのポジションでも結果を出した。

しかし、連戦が続き夏の疲労などチーム状況を考慮してミシャ監督は、梅崎選手をサイドでスタメン起用したり、ベンチに置いて戦況に応じてシャドーやサイドで途中から試合の流れを引き寄せるために起用した。決して譲ることの出来ない思いはあったが、梅崎選手は愚痴ひとつ零すことなく、ミシャ監督の思いに、チームのために、浦和を愛する人達のために全身全霊を傾け勝利を目指して闘った。

「シャドーへの拘りが、無い訳ではないよ」と梅崎選手は爽やかな笑顔を見せた。そして「自分の拘りよりも大事な物がある。シーズンが佳境に入って来て、目標としている物が見えて来ている。チームのために何が出来るか考えるのは、とっても重要なことだと思う。今の状況を総合的に考えて、何でも良いからチームのためでしょ!!それが、強いては自分の成長に繋がる。まだまだ成長したいしね。自分のサッカーの最初のベースにあるものは、献身性だ。如何にハードワークして、闘って、走る。そこが、あっての自分の特徴が付いてくる。順序を逆にしちゃいけん」と最後は思わず九州弁が飛び出すぐらい熱く語っていた。

梅崎選手のベースにある『献身性』は、プレー全てに現れていた。それが、如何なるポジションであっても自分の力が尽きるまで、走る!闘う!自分の拘りよりも大事な、リーグチャンピオンの栄光に浦和が輝くために・・・。

Q.膝の裏の痛みについて教えて下さい。

A.要因はいろいろとありますが、膝の関節を怪我すると最初に膝の裏が痛くなる患者さんが多いです。関節の中に1本だけ腱があります。外側の半月板の後ろにある膝窩筋腱(しっかきんけん)の周囲で炎症を起こすと、膝の裏が痛くなります。腱の周囲は、炎症を起こし易いので、過度な運動は気を付けた方が良いです。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科クリニック 整形外科・スポーツ整形・リュウマチ科・リハビリテーション
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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