【高校サッカー選手権埼玉県大会】強化7年目の昌平高校が、市立浦和を破り、初の全国出場を勝ち取る
年末に開幕する全国高校サッカー選手権大会出場を掛けて、埼玉大会の決勝が11月16日埼玉スタジアムで行われた。両校の大応援団、高校サッカーファンが数多く集まり12,638名がこの決勝戦の行方を見守った。
市立浦和の伝統のサイド攻撃と、ポゼションサッカーの昌平と、お互いに大会を通じて磨いてきたサッカーを展開。序盤はお互いにがっぷりよつとなった。試合が動いたのは20分だった。昌平の9番、エースストライカーの野村がクロスボールが、市立浦和のDFに当たり、浮いた所をダイレクトでオーバーヘッドを決めて先制した。場内がどよめくほどのゴールで、昌平の藤島監督も「あれはスーパーゴールだった。野村は練習でもいつもシュートを狙う意識を持ってプレーしているので、それが試合でも成果として出た」と称えた。
市立浦和も先制点を奪われても怯まず、冨田を中心としたサイド攻撃で、ひたむきに攻撃を仕掛けて決定機を作るが決めきれず、前半が1-0で終了する。
後半に入り、市立浦和もギアを上げて同点を目指すが、昌平の落ち着いたポゼションに対して、なかなか捕まえきることが出来ずにペースを握れなかった。昌平は、藤島監督が就任して8年目、強化としては7年目となる。藤島監督は「ボールを丁寧に繋ぐというベースを変えずに、ここまでやってきた。昨年のベスト4、新人戦の優勝という経験を経て成長した。個人の所でしっかりやろうという話をして、決勝戦でも落ち着いて入れた」と、継続した強化の成果を語った。決勝戦で経験の差が出るかと想像したが、昌平は浮き足出ることなく、決勝戦でも自分たちのサッカーを完遂していた。
後半15分にもCKをDF小泉が押し込んで追加点。ポゼションだけではなく、決めるべき所で決める。今大会の昌平はこの武器を身につけてきた。この後も最後まで諦めない市立浦和の怒涛の攻撃を防ぎきり、2-0で昌平が勝利した。
大宮東、埼玉栄、武南、西武台、市立浦和と埼玉の強豪を次々に破っての完全優勝。藤島監督は「大会前は正直厳しい組み合わせだと思いましたが、その中で選手達が大きく成長することが出来ました」と語った。
全国大会は今大会から決勝戦が、地元埼玉スタジアムで行われる。「一戦一戦を大切に戦いたい。自分たちが何を出来るかを考えてさらにベースアップをしていきたい」と意気込んだ。自身も現役時代は習志野高校で名古屋グランパスの玉田圭司選手と共に全国出場経験がある。「3年生時に大会に出場して優勝候補と言われながら一回戦敗退をして悔しい思いがある。まずは一つ勝ちたい」と指導者になってのリベンジを誓った。
初の全国出場となるが、埼玉強豪校を破っての代表権獲得に確かな実力を感じた。近年、全国大会もレベルが拮抗しているので、昌平にもチャンスは充分あると思う。全国の舞台でも昌平サッカーを存分に見せて、地元での栄冠を目指してもらいたい。全国大会の組み合わせ抽選会は本日行われる。