浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう番外編】レッズレディースが5年ぶりに、なでしこリーグを制覇!(2014/11/24)

薄曇りの中から時折り柔らかな秋の日差しが差し込む11月24日。首位を走るレッズレディースは、2位の日テレとの勝ち点は3差、得失点8差で迎えたエキサイティングシーリーズ最終節、アルビレックス新潟と対戦した。

得失点差を考えれば、ほぼ優勝は間違いない。浦和駒場スタジアムに向う浦和を愛する人々の足取りは、軽やかであった。しかし、きっちりと新潟に勝利を収めて有終の美を飾る思いは強かった。

浦和は、前節のINAC神戸戦で内側側副靱帯損傷のため戦線離脱した猶本光選手のポジションに、柴田華選手を起用。2列目のワイドに後藤三知選手を下げ、吉良千夏選手と大滝麻未選手が2トップを組む布陣であった。浦和のスターティングイレブンは、GK平尾、DF堂園、乗松、高畑、和田、MF後藤、柴田、岸川、加藤、FW吉良、大滝。対する新潟は、GK一谷、DF小原、北原、山本、小島、MF斉藤、高橋、坂口、上尾野辺、佐伯、FWティファニー・マッカーティー。

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試合は、立ち上がりから新潟に主導権を握られ、苦しい展開を強いられてしまった。前線にボールも収まらず、自分たちのリズムが作れない中、浦和は耐えながらも虎視眈々とチャンスを狙っていた。38分、右サイドの堂園彩乃選手のオーバーラップから吉良千夏選手がゴール前に流仕込み、大滝麻未選手がゴールを狙うも、左ポストをかすめてノーゴール。前半は、苦しい展開の中で後半に勝利の臨みを掛けて0-0で折り返した。

後半の立ち上がりから、ボールをポゼッションしながらバイタルエリアに攻め込むが、なかなかシュートまで持ち込めない中、72分、新潟の途中出場した大石紗弥香選手のミドルシュートがDFに当りコースが変わって不運な失点をしてしまった。追いかける展開となった浦和は、76分に大滝選手に代えて清家貴子選手、86分には加藤選手に代えて斉藤あかね選手を投入。ポジションも後藤選手を前線に出し、吉良選手をワイドに代えて反撃を試みるも流れを変えることも出来ず、アディショナルタイムに吉良選手から15歳のJrユースの長野風花選手をボランチに起用するも追い付くことは出来ずにタイムアップ。無情な笛が浦和駒場スタジアムに鳴り響いた。

浦和は新潟戦に0-1と敗戦。2位の日テレは、湯郷ベル戦に1-0で勝利。勝ち点は並んだが、得失点差6点浦和が上回り優勝が決定した。勝ってスッキリと優勝を決めたかった思いが強く、スタジアムは微妙な雰囲気に包まれた。しかし、表彰式でメダルをかけられると選手たちにも笑顔が戻って来た。「WE ARE REDS」の歓喜の雄叫びと共に、紙吹雪が舞い、栄光を手にした浦和は至福の時を噛みしめた。

吉田監督「選手達は年間を通してよく頑張ってくれた」

試合後、吉田靖監督は「レギュラーシリーズ、負けて優勝を逃した。エキサイティングシリーズは、圧倒的に得失点差で優位だったが、勝って終わりたいと臨んだ。勝ち切れずに残念。年間通して、選手たちは本当に良く頑張ってくれた」と安堵の表情を浮かべた。優勝へのキーポイントの試合を第2節の日テレ戦をあげ「3-0で日テレ戦を勝ち切れたことが大きかった」と話した。「今年は、やりたいサッカーを徹底して最初から走らせ、繰り返し練習をした。ポジティブに分かり易く指導した。若い選手は、経験がない。苦しくなるとプレッシャーが掛かり、消極的になってしまう。前回の引き分けで優位になった。前節、負けていたら優勝は無かったかもしれない。選手は、いろんな経験で伸びて行く。来年になったら、もっと強くなる!昨年の悔しさから努力して、この結果になった。選手に感謝します。選手、クラブ、サポーターに感謝している」と優勝の喜びを噛みしめながら話した。

昨シーズン、2部降格の危機にさらされた浦和を、闘う走れる女子力をアップさせた吉田監督は、この優勝に満足することなく、さらなる飛躍を目指していた。

選手の喜びの声は、この後のレポートでお伝えします。

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