浦和フットボール通信

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『鬼門鳥栖で首位陥落』Jリーグ第33節・サガン鳥栖戦 ゴール裏からの試合レビュー(2014/12/3)

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前節、この試合に勝てば優勝が決まるという大一番に敗戦を喫して、2位ガンバとの勝ち点差は2。フルパワーで挑んだ決戦のあとの試合のメンタルも気になるところだった。

毎年最終節の一つ前に組み込まれるアウェイ鳥栖での試合は、まさに鬼門。2年連続でこの地で苦杯を舐めさせられてきた。この試合にも7、8,000人のサポーターが鳥栖に集結をして、スタジアムの半分を赤く染めた。そのサポーターはこの嫌な流れ、空気を変えようと、新チャントで選手達を迎え入れた。

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試合は、序盤からレッズが試合をコントロールをして、天敵・豊田に対しても仕事をさせなかった。守備の整備を図ったことが、首位を走る大きな要因となっていた。この試合でもその守備力をしっかりと見せた。

反面、興梠不在で攻撃の形が激減したことが、ここ数試合の停滞を招く原因となっていた。その中でも李忠成が裏に抜け出して、GKと1対1のチャンスを作り出すが、決め切れなかった。

 

後半、先に勝負に出たのは、レッズだった。65分、梅崎、平川に代えて、マルシオ、関根と攻撃のピースを投入する。しかし鳥栖が圧力をかけ続ける。押し込まれる中で、カウンターからチャンスを作り出した。宇賀神のロングボールを受けた李忠成が受けて、ペナルティエリアで倒されてPKを獲得。倒した菊池が退場になり、そのPKをしっかりと阿部が決めて先制をした。

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相手が一人少なくなり、大きな大きな先制点を奪い、レッズが勢いづく。ここで一気に試合を決めたかったが、ゴールを決めることが出来なかった。終了が近付くにつれて、レッズの選手達が固くなっているように感じた。とにかくシンプルにゴール前にボールを入れてくる鳥栖に対して、受ける形が続いた。0で抑えてロスタイムに突入。しかし、ラストプレーだったCKで鳥栖に決められて同点とされてしまった。

 

最後まで諦めない姿勢を見せて追いついた鳥栖に対して、失点後にゴール前に倒れこむレッズの選手達の姿は残念だった。ホイッスルが鳴る最後まで諦めて闘う姿勢をどんな時も見せる必要がある。

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試合後、挨拶にきた選手にも当然ながらサポーターから、「最後まで闘い抜こう。まだ戦いは終わっていない」という声が掛かる。下を向く選手達もその声に頷いていた。

レッズは19節から続いた首位が陥落。首位となったガンバとの勝ち点差が並び、得失点差は7。ガンバの対戦相手は最下位の徳島となると、事実上は厳しい状況であることは変わらない。今のレッズが優勝に値するチームなのかと問われると、素直に頷けない部分もある。優勝うんぬんは、結果として転がりこめば嬉しいが、それよりも今季最後のシーズンを、体たらくのままで終わるのが、最後はしっかりと姿勢を見せて勝って終わるのか。最後の終わり方がどうなるかは、来シーズンを考えても大きなものになると思う。

最終戦も優勝を期待していたサポーターが6万人集まっての試合となる。そのサポーターの前で、ここまで戦い抜いてきたサッカーを、最後もしっかりと見せて欲しい。

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