浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「競争と共存~平川忠亮選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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チーム最年長となった平川選手が、「競争と共存」を図りながらチームを支える

「チームとしては、絶対にタイトルしかない!」

開口一番に平川忠亮選手は、厳しい口調で語った。

気がつけば、平川選手はチーム最年長になっていた。今年、年男で36歳になる。筑波大学時代に、ユニバーシアード日本代表のキャプテンを務め、チームを優勝に導いた。そして、清水商業高校の同級生であった小野伸二選手の後を追うように2002年に浦和に加入したのだ。

当時、平川選手は「俺が浦和に加入を決めたら、伸二がいなかった」と残念そうに話していたことが印象的だった。

平川選手は「良い選手が、小さいころから側にいて、若いうちから刺激をもらってやれた。僕にとって、伸二と一緒にやれたことが財産だ。ツボ(坪井選手)もチームでお互いに刺激し合ってやって来た」とフットボール人生を振り返った。

平川選手が入団した当時、ユニバーシアード日本代表メンバーだった坪井慶介選手や堀之内聖選手など5選手が浦和に加入した。時の流れと共に、ひとり、またひとりと契約満了の下で浦和をあとに他クラブへ移籍していった。そして、今シーズンから坪井選手も湘南へと移籍し、平川選手だけが、たったひとり浦和で生き残った。

平川選手は、右利きで左右のサイドをこなす器用な選手であるが、なによりも安定感があり、攻守に渡り堅実なプレーが光る。培って来た経験からなのか、自分が次にどんなプレーをするのか、瞬時に判断してトラップをする。しかも、相手DFが獲り辛い位置にボールをコントロールして、常に自分が優位に立つ。慎重になり過ぎて、バックパスが目立つこともあるが、相手からしたら「ずる賢くて、嫌なタイプ」の選手だ。

浦和在籍13年目になるが、堅実なプレーでどんな監督からも重宝がられた。オフト監督から始まりミシャ監督まで8人の監督の下で、常にサイドのポジション争いに勝ちぬきリーグ戦を、実に322試合も闘って来たのだ。

ミシャ監督の求める攻守に渡り連動した動きの中で上下運動の激しいワイドのポジションをこなす平川選手だが、昨シーズンは若手の関根貴大選手の台頭もありリーグ戦24試合に先発しフル出場をしたのは、5試合であった。ミシャ監督体制の1年目は、31試合に先発しフル出場は15試合であった。試合の流れや選手の状況にもよるが、フル出場する回数が減ってきてしまっているのは否めない。

更に今シーズンは、補強に伴いワイドのポジション争いに拍車がかかった。平川選手は「若手と競争して闘わないといけない。若手からいろんな部分を吸収する。また、色んな選手が入ってきた。まだまだ成長出来るように、色んな選手からも学んでいきたい」と謙虚な姿勢を見せたが、チーム内のポジション争いを勝ち抜くために自分に無い部分をチームメイトから学びながらスキルアップを目指していた。

まるで、自分のライバルとなる若手の台頭や補強を喜んでいるように思えた。ポジション争いは、選手個人のスキルアップに繋がる。それを熟知している平川選手は「チームとして、手助け出来ることはして、チーム力をアップしたい。新しい選手にもチームに早く馴染んでもらいたいしね」と笑い「競争と共存、両方を出来るようにしたい」と話した。

「競争と共存」は、一見すると相反する言葉である。だが、フットボールにおいては、個人の能力を生かした組織の構築は重要なポイントとなる。ポジション争いの無い状況では、現状に満足してしまい個人の能力のスキルアップは厳しい。だが、ポジション争いに特化してしまうと組織は成り立たなくってしまう。まさしく、「競争と共存」が大切なのだ。

相反する「競争と共存」は、様々な経験を積んで来た平川選手らしい言葉であった。今シーズン、ACL出場とJリーグ2ステージ制に伴い、過酷な日程が待ち受けている。過酷な日程を乗り切り、厳しい試合を勝ち切り悲願のタイトルを獲るためには、「競争と共存」は不可欠なものである。

平川選手は「今シーズンは、昨年、獲り損ねたもの『Jの優勝』と『ACLのチャレンジ!』ACLは、予選突破だけでなく、もちろんタイトルを狙っていく!」と目を輝かせた。

そして、平川選手は「キャラ的にも最年長なんだよなぁ~」と苦笑いしながら「スタイルを変えずに、ブレずにやれることをやって行きたい。自分の良さプラスアルファでね!最年長の責任がある。きっちりと自分が追い込めば、周りがさぼれなくなる」と話した。

浦和で最年長となった平川選手は、どんなに厳しい状況に置かれても、常に監督の信頼を勝ち取り、ピッチで結果を出し続けて来た。その男が、「競争と共存」を図りながらチームを支え、悲願のタイトルへと燃えている。

Q. 尻もちの衝き方でも違いがあるのでしょうか?

A. 転び方で折れやすい場所は、変わってきますが。尻もちをした場合は腰の上の方の、第1腰椎や第2腰椎または腰椎の上の第12胸椎が折れることが多いです。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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