浦和フットボール通信

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【河合貴子の試合レビュー】試合勘が大切だと実感させられた。勝利なく予選敗退が決定。ACLグループリーグ第5節vs水原現代<柏木、西川、鈴木、平川、槙野、高木、ズラタンコメントあり>(2015/4/22)

今日のポイント!!

選手にとって試合勘とは、本当に大切なものだと実感させられた前半であった。普段の練習では、ハーフコートのミニゲームをおこなっていて試合勘は養われているが、フルコートになると選手同志の距離間も違ってしまう。ハーフコートと同じぐらいのコンパクトな距離間で、フルコートでも出来れば良いが、難しい。

また、試合に常に出場している選手は、闘う、走れる身体が、試合出場によって出来ている。槙野選手や柏木選手が試合後に話した「コンディションの差があった」「難しい」と言うのも理解出来る。ならば、普段の試合から、ゲームの流れをよんで交代枠を上手く使いながら、また一気にターンオーバーするのではなく、選手のローテーションを上手く使って欲しいと思う前半であった。

ACLアウェーのブリスベン戦は、残念なことに消化試合になってしまった。ならば、気持ちを切り替えて、茂木力也選手や岡本拓也選手、小島秀人選手、大谷幸輝選手たちに経験を積ます試合にして欲しいと願ってしまう。

柏木「立ち上がりは悪くなかったが・・・」

ACLグループリーグ予選突破は、他力本願となった浦和だが、他力の前に目の前の水原戦に無失点か2点差以上で勝利あるのみ。決死の覚悟で挑んだ4月21日水原戦は、Jリーグ横浜FM戦から中2日とあって、西川周作選手と槙野智章選手、そして柏木陽介選手意外のメンバーを大幅に入れ替えた。

水原は、試合の立ち上がり4-1-4-1としっかりブロックを形成してきた。11分、李忠成選手の落としを槙野智章選手がドリブルシュートを狙うも、相手GKに阻まれて先制点を奪うことが出来なかった。そこから、徐々に水原がパスを繋ぎ主導権を握り始めた。キム・ウンソン選手が柏木陽介選手にマンマークで張りつき、浦和の攻撃の起点を消しにかかった。

柏木選手は「立ち上がり、10分間は試合の流れが悪くなかったが、ミスが多くなってしまった。後ろ3枚でボールを回す時に、ボランチ2枚も下がり気味になってしまい中盤が空いてしまった。相手の6番が、マンマークで来ていたから、自分が下がって貰っても厳しく、ボールを当てないで欲しいと言っていた」と話した。

浦和は、中盤でボールが収まらず、20分には、ソ・ジョンジ選手がDFの裏を抜け出し西川周作選手と1対1の大ピンチを迎えた。しかし、ソ・ジョンジ選手のシュートを西川選手が好セーブで難を逃れた。前半だけで、相手の決定的なチャンスを3本、西川選手は止めた。

鈴木「自分たちのミス」

西川選手は「メンバーが変わった中で、自分がやることを頭に入れていた。チームが上手くいかない時に、我慢して前半を0-0で押さえた。相手のスルーパスに対して、自分のポジションが良く、相手が近くなればなるほどシュートコースも限定出来る。わざと股を狙わせました」と好セーブしたシーンをニヤリと笑い振り返った。浦和はセカンドボールも拾えず、ボールも繋げず、フィフティー・フィフティーのボールもなかなかマイボールに出来なかった。

平川忠亮選手は「前半は、自分たちのイージーミスが多かった。勝利しないといけないこととプラスアルファーあった」と厳しい表情で話し、鈴木啓太選手は「ゲームの入り方は、悪くなかった。中盤でボールを奪われて、カウンターから何度も相手にチャンスがあった。周作やDF陣が上手くカバーしてくれた。前半、良くない内容で0-0。何を持って主導権と言うか、分からないが、相手はやろうとしていることを実行していたし、主導権を握っていると言えば、そうなのかも知れない。ただ、相手が良いのでは無く、自分たちのミスだ。難しいね」と悔しそうに話した。

西川選手のお陰でと言っても過言ではない状況で、前半は0-0で折り返した。

槙野「試合に出ている選手と出ていない選手のコンディションの差があった」

前半、自分たちのリズムが作れない浦和は、ミシャ監督になって初の3枚代えで後半に挑んだ。槙野智章選手は「3枚、一気に交代は今まで無かった。0-0でゴールを獲らないといけないメッセージだった。獲るべきところで、しっかりとゴールを獲らないといけなかった。選手の中で、試合に出ている選手と、出ていない選手のコンディションの差があった」と試合勘やコンディションの差をピッチの中で感じていた。

また、柏木選手も「試合に出ていない選手は、難しい大変な状況だったと思う。それを上回るプレーが出来たら良かったと思う」と庇いながらも厳しい口調で話した。

後半は、ズラタン選手のワントップに高木俊幸選手と李忠成選手の2シャドー、左のワイドに梅崎司選手を起用し、柏木選手と青木拓矢選手のダブルボランチに代え、右のストッパーに阿部勇樹選手を起用して反撃を試みた。前線からの積極的な守備も嵌り、セカンドボールも拾えて、攻撃のリズムを作り出した。

58分、平川選手のマイナスのクロスに高木選手が合わすも枠を捉えることが出来ず、その1分後の59分には、李選手の縦パスに抜け出した高木選手のシュートは相手GKの好セーブに合ってしまい、立て続けに訪れた決定機を高木選手は生かせなかった。

高木「ゴール感覚が鈍っている」

高木選手は「シュートを撃てたのに、枠に収まらず・・・。あの位置から何本もシュート撃って、自分自身、多少の焦りはあるが、ボールをコントロールするのに、精一杯だった。2本目は、GKを見る余裕も無かった。ゴール感覚が鈍っている。ゴール前の冷静さと思いっきりの良さの両方のバランスが必要だ」と悔しがった。

そして69分、高木選手のアーリークロスをファーサイドでズラタン選手が頭で合わせて先制!!高木選手は「相手のDFは、僕がシュートを撃つと思っていたから、逆にクロスを選択しました。ズラも良い走りをしていたのが、見えていた」とアシストしたシーンを振り勝った。

ズラタン「負けてしまったのでゴールの意味はない」

決めたズラタン選手は「負けてしまったので、このゴールの意味はない。FWとして、結果に繋げられずに悔しい」と哀しそうな表情で話していた。

ズラタン選手のゴールで波に乗れると思いきや、74分に左からのヨム・ギフン選手のクロスを交代したてのコ・チャウオン選手に決められ、更に89分には、ヨム・ギフン選手にドリブル突破を許すと、カイオ選手の左足に合わせられて、痛恨の2失点となってしまった。

西川選手は「1失点目、ゴール前に人数はいた。ニアにマキがいて、ファーにも2人いたのに・・・。真ん中を見ていれば防げた。どフリーにさせてしまった。2失点ともクロスからで、意識ひとつで防げる失点だ。相手のクロスに対しての意識をチーム全体で持って行きたい」と唇を噛みしめた。

無失点、もしくは2点差以上で勝たなければならない浦和にとって、厳しい2失点であった。先制した時点では、ACLグループリーグ突破に夢を繋いだが、それも陽炎のごとく儚い夢と終わってしまった。

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