浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「Nice guy ☆ Tough guy~宇賀神友弥選手 」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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北沢豪氏と中山雅史氏が代表に欲しい選手と絶賛した

首位攻防戦でG大阪を征する勝利の笛が、高らかに埼玉スタジアムの空に鳴り響いた瞬間、宇賀神友弥選手はピッチに膝から崩れ落ち、芝生に突っ伏し拳を何度も叩きつけた。

宇賀神選手が、全身全霊で勝ち取った勝利への喜びの「やった!!」と言う心の叫び声が聞こえて来た。

試合後、宇賀神選手は「笛が鳴った瞬間、全員が同じ気持ちだったと思う。嬉しかった。やってやったぁ!って感じだった」と本当に嬉しそうにその瞬間を振り返っていた。

勝敗を分けたズラタン選手のゴールをアシストした宇賀神選手は、50m以上の距離を駆け上がり、武藤雄樹選手からパスを受けると右足でワントラップしてすぐに左足で倒れ込みながらクロスを上げたのであった。大抵は、ゴールを決めた選手にみんな駆け寄る。だが、宇賀神選手は違っていた。ズラタン選手のゴールが決まった時に、すぐに溜めを作って自分のオーバーラップを信じて待っていてくれた武藤選手と抱き合ったのだ。

如何にも、宇賀神選手らしい行動であった。自分を信じてくれた大学の後輩である武藤選手のパスが、本当に嬉しかったのだ。「休んだ分、決定的な仕事が出来て良かった」と安堵の表情を浮かべていた。

連戦の中、甲府戦を累積カードの為に出場停止となった宇賀神選手は「ガンバ戦に向けて、良いコンディション調整になったが、ガンバ戦のプレーで魅せないといけないと言うプレシャーになっている」と神妙に話していた。「宇賀神選手なら大丈夫!プレシャーを力に変えられるよ!」と励ますつもりで言っては見たが、「プレッシャーは、無い方が良いよぉ」と弱気で、苦笑いをしていた。

宇賀神選手にとって、G大阪戦へのプレッシャーは他にもあったのだ。それは、昨シーズンの優勝を逃した悔しさ忘れずに「絶対に、リベンジしてやろう」とずっと思って来た。

昨年の11月22日、埼玉スタジアムでG大阪に0-2と敗戦した時、ガックリと打ちひしがれる浦和のベンチ前で、今野泰幸選手がガッツポーズをしたことが、宇賀神選手の脳裏に焼き付いていた。宇賀神選手は、その行動が同じスポーツマンとして許せなかったのだ。宇賀神選手は、G大阪戦でリベンジの強い気持ちと、連戦でみんな疲れている中で出場停止のフレッシュな自分がやらなきゃいけない2つの思いがあった。その思いを見事に、豊富な運動量とメンタル的な強さに変えてピッチの中で闘っていた。

宇賀神選手は、決してフットボール界のエリートではない。浦和ユースからトップ昇格を果たせず、流通経済大学のサッカー部でもサテライトチームから這い上がって来た選手である。浦和に入団した当初は、「雑草魂」と自分のことを言うことがあった。代表経験も無く、世界と戦う修羅場をくぐって来た訳ではないが、こつこつ地道にひたすらやってきた選手である。

修羅場の経験が無い分、「雑草魂」と言いながらもプレッシャーに弱い部分もあった。純粋で真っ直ぐで素直だからその弱い部分を虚勢を張らずに、正直に話すのも宇賀神選手であった。

G大阪にリベンジする最初のチャンスであったゼロックススーパーカップは、0-2と敗戦を喫した。しかし、その試合中に「浦和の3番の選手って良いね。どんな奴?」とたまたま記者席で後ろに座っていた北沢豪氏と中山雅史氏が声を掛けてきたのだ。宇賀神選手の経歴や私が知る限りのことを説明すると、2人とも「今の日本代表に必要な選手だ。浦和で結果を残して、代表に入って欲しいね。周りを活かして、自分も生きるプレーが出来るし、ほら~槙野の穴を(槙野選手が上がったスペース)埋めるし、チャンスだと思ったら行くし、気が効くね」と大絶賛した。

嬉しくなって、この話しを宇賀神選手に伝えると「えっ?!本当に?!」と嬉しそうに笑ったが、すぐに「俺が代表なんて無理。考えたこともなかった。無理でしょう」と照れながら現実味の無いように話していた。

そんな話をした約1カ月後、宇賀神選手は27歳の誕生日である3月23日に「僕の目標は、ヒラさん(平川選手)。ヒラさんという良いお手本がいる。まずは、そこを目標にしている」と同じポジションで、筑波大卒ルーキーで浦和に加入したベテラン平川忠亮選手を目標に掲げ、そして「ヒラさんは、代表に縁が無かったから、そこは越えて行きたい。ここ1、2年のチャンスをものにする」と力強く話すではないか!北沢氏と中山氏の話しを伝えたあとだけに、宇賀神選手の心境の変化に驚いた。

だが、今シーズンの宇賀神選手の活躍を見ると納得出来る。メンタル的な強さと豊富な運動量で走り負けないタフさが心境の変化を物語っていた。豊富な運動量はもちろんであるが、虚勢を張らずに本音を語り、弱い部分を曝け出しながらも、挫けずに乗り越える強さを持ち、更に仲間を気遣う強さも身に付けて来た。宇賀神選手は、試合を重ねるごとに、Nice guy で Tough guyにどんどん変貌を遂げていく。本当に頼もしい、浦和の3番だ!!

Q. 足の指を骨折した時は、どうしたら良いでしょうか?

A. まずは、アイシングして固定しましょう。バディテーピングと言って、骨折した足の指を隣の足の指を添え木代わりに一緒にテーピングで固定すると良いでしょう。これは、手の指の骨折した時や突き指など応急処置としても有効です。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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