浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「鬼門打破の鍵~武藤雄樹選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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武藤が古巣・仙台戦での注意事項を伝授。仙台サポーターが作り出す雰囲気に気をつけろ!

浦和には、鬼門とされている場所がある。時代の流れと共に、監督が変わると鬼門も変わっているような気がするし、迷信だと思いながらも、結果が伴ってこないと「鬼門だ」とつい言ってしまう。

柏木陽介選手は「蹴ってくるチームのホームでは、勝てない。鳥栖、仙台、神戸が勝てない鬼門だ。試合に関して、失点がいずれも安い。ロスタイムでやられたりしている」と悔しそうに話した。鬼門とは、古来から丑と寅の間を鬼が出入りする方角とされていて、北東の方位である。また、鬼門とは反対の南西の方向も裏鬼門と言われて、忌み嫌われて来た。浦和の対戦成績を当て嵌めると、鳥栖、仙台、神戸が方位的にも良くない結果が起きやすい場所なのかも知れないと思ってしまった。

今シーズン、リーグ戦無敗と波に乗る浦和は、次節は鬼門の1つである仙台と対戦する。ミシャ体制になり、優勝争いをしながらも仙台で勝利を収められずに、ずるずると終盤を失速していったイメージは拭いきれない。だが、此処で無敗記録を止める訳にはいかない。仙台戦の鍵を握っているのは、武藤雄樹選手だ。

武藤選手は「アウェイのユアスタで試合をするのは、不思議な感じがする。当然、知っている選手やスタッフがいるし負けたくない。仙台戦に向けて気持ちが入っている。僕としては、成長した姿を仙台の人たちに観て貰いたい。仙台戦、しっかりとプレーして勝ちます!」と勝利宣言が飛び出すほど、古巣の仙台戦に意欲を燃やしていた。そして「ただ、空回りはしないように気をつける」と冷静さも備えていた。

武藤選手は4年間在籍した仙台から、浦和へとやって来た。ちょうど、浦和にとって仙台が、鬼門になったころから仙台にいたのだ。

「僕は仙台側で、浦和が負けているイメージがある。優勝争いしながら、仙台に負けて落ちて行くのが浦和だった」と少し不思議そうに話した。そして、自信たっぷりに「今年の浦和が、仙台に負けるとは思えない!」と武藤選手は力強く言い切った。

「仙台は、守備から入るチーム。勝てないチームは、基本に立ち返り守備のチームになる。強い相手に対して、守りから入り仙台の良さが出る。先ずは、ウイルソンと言う絶対的な存在のエースを押さえて、焦れずに攻め続けることだ。仙台は、守りを固めて不用意なパスミスを狙って来る。だが、仙台の堅いブロックの守備を今の浦和なら打ち破れる」とニヤリと笑った。さすがに4年間も在籍していただけあって、仙台の闘い方も熟知していた。

そして、注意事項として「サポーターの熱い声援で選手が動く。特に後半の追い上げが凄い。浦和のサポーターも凄いけど、カウンターになった時の仙台サポーターの後押しで、選手たちはスピードを上げて来る。ロスタイムのコーナーキックは、ヤバい!コーナーキックでゴールが決まると思える声援だ。『レッツゴー、仙台』が凄いボルテージになっている」とユアスタの雰囲気を上げた。

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確かに、武藤選手の言う通り、仙台のホームであるユアテックスタジアムには、独特な雰囲気がある。サッカー専用スタジアムで、観客席が屋根に覆われているため、サポーターの声が屋根に反射して良く響く。仙台の選手たちがボールを持つと、急に仙台のサポーターの声が大きくなる。特に、仙台のコーナーキックの時の掛け声『仙台!レッツ!ゴー!仙台!レッツ!ゴー!』と連呼をしているだけなのに、アウェイの選手やサポーターたちにとっては、本当に耳触りになる。今は浦和の武藤選手なのに、仙台の話をしているだけで仙台サポーターの歌声が「ベガルタ仙台、ゴー!行くぞ仙台 俺達と共に~」とか「ベガルタ仙台~♪ベガルタ仙台~♪俺達と~勝利を掴もう~♪」などと脳裏に蘇るほどだ。

もちろん、浦和からも沢山のサポーターが仙台へ乗り込んでいるが、やはりホームのサポーターたちを数で圧倒することは難しい。仙台時代に武藤選手が肌で感じたことは、事実である。仙台の選手たちは、どんなに疲れていても、敗戦が濃厚な試合でも、あの歌声1つでスイッチが入る。ここ数年、浦和はどれだけ煮え湯を飲まされて来たことか!?

仙台の選手の原動力となる歌声を止めるには、浦和の選手たちがプレーで圧倒することである。球際に激しく、走り、なお且つ冷静に闘う大切なことを武藤選手は知っている。しかも、4年間の蓄積で得た仙台の選手のプレーの特徴や弱点を他の選手たちに伝授しているはずだ。だからこそ、「今年の浦和が、仙台に負けるとは思えない!」と武藤選手は断言出来るのだ。

浦和の鬼門からやって来た武藤選手だから、鬼門を打破する方法は、手の内に掴んでいる。鬼門を打破する鍵を武藤選手が開けるのだ。杜の都仙台は、新緑が眩しい季節であるが、ピッチで輝くのは浦和だ!!

追記
4年間仙台に在籍した武藤選手に、仙台のお薦めのお土産などを聞いてみた。すると照れながら「やっぱり、牛タンでしょう!!『利久』とか『司』・・・。お土産は、萩の月とずんだ餅!!」と言いながら「ありきたりだねぇ」と苦笑い。「週2回は、牛タンを食べに行っていた。お昼ごはんに良く行ったなぁ~。スタジアムから3分の所にある『若』で、いつも選手たちと昼飯を食べたよ」と懐かしそうに教えてくれた。

Q. 少年団の現場では、ドクターがいないため足の指の骨折か、打撲か見分ける方法を教えて下さい。

A. 足の指と言っても、足の甲の骨から指先までの違いがあります。一番多いのは、ジョーンズ骨折と言って、第五中足骨です。指先ではなく、付け根の骨で、踏み込んだ時に凄く痛みが出たり、腫れたりします。第五中足骨を傷めた場合は、骨折の可能性が高いのでプレーを止めた方が良いでしょう。指先を踏まれて痛みがある場合は、たとえ骨折をしていても必ずドクターストップが掛かることは、その場所では余りありません。ただ、プロ選手ではないので、子供の場合は、無理をさせる必要はないでしょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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