浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「横断幕が示した本当の意味」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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「安全で快適なスタジアム」は、クラブとサポーターが話し合い、歩み寄って共に手を取り、お互いを理解して実現して行くものである。

当たり前のことであるが、人間には「価値観」がある。人間が抱く「価値観」は実に多様で、ある人にとって見れば「とても大切な物」が、違う人から見たら「不愉快な物」になる。人間がみんな同じ「価値観」であったら、揉め事などは起こらないだろう。だが、全てが同じ「価値観」だったら・・・と想像すると恐ろしくなる。「価値観」の違いがあるからこそ、人間にはコミュニケーション能力があるのだと思う。

G大阪戦で申請が完了していない横断幕の掲出によって、2試合の入場禁止処分が横断幕の申請者に下された。昨年の差別的な出来事から、横断幕の掲出はクラブに事前申請しクラブ側が承認したものだけとされている。ルール違反は、決して容認は出来ない。入場禁止処分は、当然のことである。

だが、何故に事前申請をしていたのにも拘らず、申請された横断幕の承認が下りなかっただろうか?

昨シーズンのホーム開幕戦の差別的な出来事をクラブもサポーターも真摯に受け止めた。クラブは、サポーターズミーティングを開催して横断幕の掲出について話し合いをおこなった。デザインや文言をチェックして申請された135枚の横断幕のうち109枚が許可された。もちろん、申請された横断幕に差別的物は無い。だが、悲しいことに不許可となってしまった横断幕が26枚もあるのだ。申請した人々は、浦和を愛して、時間とお金を掛けて、思いを籠めて横断幕を作成したのだ。人によって「価値観」が違うのだから、何が良くて、何が悪いのか、正直なところ分からない。

以前、2ステージ制を反対した横断幕を掲げてサポーターの意思表示をしたことがあった。意思表示は、何も横断幕に頼らなくても声を上げることで表現が出来る。しかし、横断幕があった方がより効果的である。サポーターが、自分たちの意思表示をする横断幕の申請をしたら、クラブは承認してくれるのだろうか?などと考えてしまう。承認されなかった横断幕の何処に問題があったのだろうか・・・。

承認されていない横断幕を掲出することで、それなりの処罰を受けることになる。クラブから2試合の入場処分受けた当事者は、処罰対象になることを覚悟の上で掲出した。ルール違反を犯すことは、いかなる理由でもやってはいけない。当事者だって百も承知していたが、そこにはどうしても譲れない思いがあったのだ。まるで、選手が試合中にレッドカードを覚悟でファールを犯してしまうのと同じように見えた。

試合が開催されるスタジアムには、観戦のルールやマナーがあるのは当然のことだと思う。例え「価値観」が違ったとしても、スタジアムに一歩足を踏み込めばそのルールやマナーを守ることは当然である。クラブは「安全で快適なスタジアム」を実現した上で、ファン・サポーターの人たちの思いを表現出来る熱いスタジアムを取り戻さなければならないと様々な取り組みをして来た。理想論なのかも知れないが、ルールやマナーが表記されていないことでも、人として常識を持って行動をするものである。

常識から逸脱しているのであれば、周囲が注意を促すことが出来れば良い。価値観の相違があれば、コミュニケーションをとって相互理解を深めれば、そこには人間としての温かさが生まれる。だが、規制によってしか守ること出来ないスタジアムは、本当に悲しい。

ルールを犯してまで掲げた横断幕は、問題を提示することでクラブとの心ある対話を求めたのではないだろうか・・・。横断幕が示した本当の意味は、「安全で快適なスタジアム」を実現させるために、大切なことが何であるかを考えさせてくれる物であった。「安全で快適なスタジアム」は、クラブとサポーターが話し合い、歩み寄って共に手を取り、お互いを理解して実現して行くものである。

意に反して掲げられた旗は、相互理解を求むサポーターの悲痛な心の叫びだったと思う。手を繋げば、心の温かさを感じて力が生まれるはずだ。紆余曲折しながらも、全てが浦和の明日へと繋がる。だからこそ、ルールを犯してまで掲げた横断幕が示した本当の意味を考えて欲しい。

Q. 足の指が骨折しているか?プレーを続けさせる判断が難しいのですが・・・。

A. 足の指の場合は、骨折しているかどうかは、レントゲンを撮影しても分からないことがあります。足の指が骨折していると、傷みが強く腫れて内出血がみられます。しかし、その場ではすぐに内出血は出て来ません。内出血は、後から出てきます。足の指を踏まれて、腫れるような痛みが在る時は、その場でジャンプさせてみたり、踏み込みをしてみると良いでしょう。力が入らない場合は、ドクターストップがかかります。親指は別ですが、小指などは多少のことならば手遅れにはなりません。しかし、ジャンプや踏み込みをして、患部を触ってみて痛みが強ければ、プレーを止めた方が良いです。プレー後は、必ずアイシングをしましょう。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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