【河合貴子の大原なう】練習試合は、若々しく躍動する慶応大学に1-1の引き分け。<橋本、永田、大谷、茂木コメントあり>(2015/5/17)
今日のポイント!
炎天下の中で、慶応は若々しく躍動していた。前半からしっかりと前線から嵌めこむ守備をして、セカンドボールを拾う意識も高く、とにかく良く走っていた。浦和と比べてスキルが劣る中で「7番の所に強く行こう!」とか「縦切れ」とお互いに声を掛け合いフォローしていた。後半、足が止まりかけても「やりきろう!!」と声を掛けて励まし合っていた。フットボールにおいて、ピッチの中で大切な声が出ていたのは慶応であった。練習試合は、試合勘を含めてコンディション調整の一環であったり、課題にチャレンジする場でもあるが、慶応はフットボールの基本を大切にしていた。苦しい時間帯でも、声を掛け合い乗り切った慶応の選手たちを褒めたい。
試合終了後に浦和のベンチはもちろんであるが、観戦しに来ていた浦和のファン・サポーターにも挨拶をした慶応に、惜しみない拍手が送られていた。浦和に胸を借りて、全力で挑んで来た慶応の選手たちは、清々しい表情をしていた。
炎天下の中で慶応義塾体育会サッカー部との練習試合
FC東京にフットボールの質の違いを見せ付けて快勝した翌日の5月17日。容赦なく太陽がピッチを照りつける中、午前11時から慶応義塾体育会サッカー部と練習試合が行われた。
FC東京戦に出場したスタメン組は、ゆっくりとクールダウンを行なった後、年間チケットホルダー者に開放されたスペースに訪れた方々に挨拶をして練習を終えて、練習試合を観戦。ミシャ監督は、全体の動きが分かり易いように高い位置から観戦していた。
練習試合は、立ち上がりから慶応が積極的にプレスを掛けて来た。慶応は4-4-2の布陣で、浦和にひと泡ふかそうとモチベーションが高く、攻守の切り替えも早く主導権を握ってきた。一方浦和は、ワントップに188㎝のユースの松澤彰選手を起用して挑んだ。コンビネーションが確立されていない中で、少し様子を見ながら試合に入っていた。
7分、橋本和選手のクロスに合わせた松澤選手のシュートは、決まったかと思われたがオフサイドの判定となり、幻のゴールとなってしまった。11分、スピードを生かした中込暁選手がドリブル突破からゴールを狙うが、永田充選手が身体を張ってシュートをスライディングブロック。しかし、不運にもブロックしたボールが手に当ってしまいPKの判定。
永田選手は「ハンドは仕方なかったですね。故意じゃなかったけど・・・。しょうがない」と悔しそうにしていた。そして、PKを加瀬澤力選手が大谷幸輝選手の動きを見て、冷静に逆方向に見事に決め慶応が先制した。
浦和は、セカンドボールを拾って2次、3次攻撃を仕掛けるシーンも見られたが、ラストパスの精度やシュートの精度に欠いてしまった。22分には、永田選手が持ち上がり橋本和選手へ、橋本選手が岡本拓也選手に落として、逆サイドの茂木力也選手へ。サイドの揺さぶりをかける浦和はらしい攻撃を見せるが、茂木選手のクロスはゴール前に飛び込んできた松澤選手とは、僅かに合わなかった。良い攻撃の形は作れるものの、全体的に急ぎ過ぎてしまう傾向が見られた。
大谷選手は「ボールの失い方が悪くて、守備がゴテゴテになりやられそうだった。ファーストDFも上手く行かず、攻撃参加に後ろが上がって前に圧力を掛けていた時に、パスカットされた。慶応は、切り替えが早く前にドンドン来るチームだった」と守備のバランスが崩れたことを気にしていた。
永田選手は「前半は、内容的に縦パスが入っていたが、コンビネーションが前で作れなかった。ボールは前線に入ったが、上手くいかず、ボールを失ってからの守備の連動性が上手くいかなかった。マークが浮いて、掴むのが難しかった。前半は、何回か相手に崩されて、ボールを回されている感じがあった」と話した。
浦和は、梅崎司選手に代えてユースの渡邉陽選手(高校2年生)、暑さと慣れないトップチームの試合で疲れ果ててヘロヘロ状態になっていた松澤選手に代わり、同じくユースの高山大智選手を投入して、選手のポジションチェンジを図り後半に挑んだ。浦和は、後半の立ち上がりからテンポの良いパス回しで主導権を握り始めた。
59分、高木俊幸選手のクロスをファーサイドで走り込んで来た高山選手が豪快なシュートを放つと、クロスバーに直撃しながらシュートはゴールへと吸い込まれて、1-1の同点とした。
勢いを吹き返した浦和が、このまま波に乗れるかと思いきや、鈴木啓太選手の縦パスを奪われてそのままカウンターからシュートを撃たれたが、大谷選手が慌てずにクリア。
大谷選手は「前半は、バランスが悪くて落ち着かなかったが、後半は落ち着いていた」と話した。72分には、橋本選手が攻撃の起点となり、こぼれ球を拾った高山選手のマイナスのクロスを青木拓矢選手が狙うもゴール上に外れてしまった。
橋本選手は「元気ですよ~大学生は・・・。難しい試合だった」と走り回る学生に困惑した表情を浮かべ「90分間、試合が出来ることが無いので、暑い中でコンディション維持するためにも良い試合だった。点に繋がるクロスは無かった。初めての選手が居る中で、もう少し丁寧にクロスを上げれば良かった」と反省していた。
浦和は、前半よりもボールが回るようになったが、粘り強い慶応の守備に手を焼きゴールを奪うことが出来ずにいた。前半はワイドのポジション、後半はストッパーでプレーした茂木力也選手は「大学生相手に、1対1は負けられないって思っていた。前半は走れたが、後半は走れず・・・。パスもずれて、攻撃のリズムが作れなかった。カウンター気味になり走る量も増えて、高い位置にボールが入っても取られたら戻るの繰り返しになってしまった。もう少し攻撃参加をしたかった。ポジション別にやることをはっきりとさせないといけない」と話した。
終了間際の鈴木選手のシュートもゴール上に外れてしまい。結局、1-1の引き分けで終了した。それぞれの課題を持って臨んだ練習試合であったが、少々物足りない結果となってしまった。