【河合貴子の大原なう】1stステージ制覇に向けて、鬼門・神戸で勝利なるか<ミシャ監督コメントあり>(2015/6/19)
1ステージ制覇に向けて、いざ神戸へ
朝から雨が降ったり、止んだりと慌ただしい天候となった6月19日。1ステージ制覇に向けての練習が始まった。選手たちは、いつもと変わらずリラックスしたムードで笑顔を見せながらアップを行なっていたが、ハーフコートでのミニゲームが始まると様子は一変。「行こうぜ!」と口々に気合いを入れた。
小島秀人選手、茂木力也選手、斉藤翔太選手は天野コーチの下で人型を立ててDFが居るイメージの練習に取り組んでいた。ミニゲームは、神戸の布陣を想定してミラーゲームで行なわれた。
ビブ組は、GK西川、DF槙野、那須、森脇、MF宇賀神、阿部、柏木、関根、武藤、高木、FWズラタン。ビブなし組はGK大谷、DF岡本、永田、加賀、MF橋本、鈴木、青木、平川、梅崎、李、FW興梠だった。
1本目から、球際に対して激しさが見られ、ビブ組は前線からプレスを掛けてDFラインを高く保つことを心掛けていた。そのため、ビブなし組の李忠成選手が下がり気味になり守備に終われるシーンが目についた。
ビブ組は、高い位置からボールを奪い、小気味良いパス回しから武藤雄樹選手、ズラタン選手がゴールを決めた。一方、ビブなし組は、興梠慎三選手にボールを預けて、攻撃の組み立てを図っていた。興梠選手は、ビブ組みにプレスを掛けられても、相手がボールを奪い辛いところに置いて身体を張ってキープしながら、上手いタイミングで相手DFから逃れるシーンが見られた。興梠選手は、ビブ組のDFラインが高いことを利用して、西川周作選手のポジショニングを見て、つかさずループシュートを狙い、慌てて戻った森脇良太選手のオウンゴールを誘った
2本目は、前線の3選手をビブ組は興梠選手のワントップ、シャドーに武藤選手と梅崎司選手に、ビブなし組はズラタン選手のワントップ、シャドーに高木俊幸選手と李選手の組み合わせに代えた。
2本目が開始される前に、ミシャ監督から「スペースがあったら、しっかり前にボールを持ちだすこと」をDF陣に、「斜めの動き」を前線の選手たちに要求があった。すると、ビブ組は、全体的に1本目よりも更にコンパクトさを見せて、攻守の切り替えに拍車がかかった。それに伴いビブなし組は、両ワイドの選手が下がり、5バックとし、ブロックを形成して守備を固めて来た。
苦戦を強いられた、ビブなし組であったが、ビブ組の連携ミスを見逃さずに、青木拓矢選手が一瞬の隙を突くループシュートを狙うシーンがあった。それでも、ビブ組は「下がるな!」「押し出せ!」「前から!」と西川選手や那須大亮選手から檄が飛んでいた。守備を固めたビブなし組に対して、ボールを奪った槙野選手から、興梠選手が退き気味にボールを受けて、柏木陽介選手に落として、右サイドの梅崎選手へ展開。梅崎選手のクロスをオーバーラップしてきた槙野選手が胸トラップからボレーシュートを放つも、大谷幸輝選手の好セーブで決まらず。決定機を決まられなかった槙野選手から「あっあ!くそ!」と悔しそうな声が上がった。
良いリズムで攻めていたビブ組であったが、ゲーム終了間際に興梠選手が接触プレーで倒れ込みなかなか起き上がることが出来なかった。クールダウンが始まると西川選手や阿部選手などみんなが代わる代わる心配そうに声を掛けていたが、興梠選手はやっと立ち上がり、クールダウンをしないままロッカールームへと自力で引き上げて行った。興梠選手は「痛い」と小声で一言残して、ロッカールームへと入っていった。
ミシャ監督「興梠は神戸ステーキが好きだと言うので連れていく」
ミシャ監督は「リーグが2週間空いたが、この期間をしっかりとトレーニングして良い準備が出来た。神戸は個の能力が高い選手が揃いクオリティーが高い。新しい監督に下でチームを作ってきている。我々は、無敗で来ている。神戸は、我々に対してハングリーに勝つと臨んで来る。強い気持ちをもって普段通りに闘いたい。このまま我々は、無敗のまま17節を終える」と強気に話した。
しかし、ミシャ監督には不安材料が2つあった。1つ目は、今日のミニゲームで興梠選手が負傷したことだ。「今の段階でははっきりと言えないが・・・。明日、足が腫れるかも知れない。明日の状態をドクターが判断する」と厳しい表情で話したが、「慎三は、神戸ステーキが好きだと言うので、神戸には連れていく」と話した。ちなみに、神戸のマスコットは神戸牛の「モービィ」である。
2つ目は、ノエビアスタジアムのピッチコンディションである。「心配をしているのは、ピッチの状態だ。良くないと聞いている」と話した。
浦和の得点源の1人、興梠慎三の足状態もピッチコンディションも心配だ。ボールをポゼッションしながらパスを繋ぐ浦和にとって、ピッチコンディションは重要な要素である。しかも、アウェイの神戸戦は6年間未勝利が続いている。1st制覇に向けて大きな壁が浦和の前に立ちはだかっている。浦和は、その壁を打ち破り、1st制覇をしっかりと決めたいところだ。