【河合貴子の大原なう】ホームで好調広島を下して、リーグ20戦無敗記録と共にホーム10連勝を飾りたい<ペトロヴィッチ監督コメントあり>(2015/7/18)
広島戦を前に、監督が多くの選手に声を掛けてコンディションを確かめる
薄曇りに覆われて射し込むような日差しはなく、時折り小雨がぱらつき蒸し蒸しとしたコンディションの中で、広島戦の試合前日練習が7月18日午後3時40分ごろから始まった。
2ndステージを好調な滑り出しを見せている広島だけに、浦和は普段よりも長めのミーティングとなった。ミーティングを終えて、照明塔に照らされたピッチに一番、最初に登場したのは、興梠慎三選手であった。また、練習が始まる前に、ミシャ監督は阿部勇樹選手を呼んで1分ほど話しをしていた。杉浦コーチと平川忠亮選手が、動きの確認をしているように話し込んでいた。前節の山形戦で退場処分となり出場停止の那須大亮選手は、完全なオフとなり、山形戦を回避した梅崎司選手は、右足ふくらはぎに張りがあるために室内調整となった。
2グループに分かれて、アップの通称“鳥かご”のボール回しが始まると、森脇良太選手が入ったチームが一番盛り上がっていた。森脇選手が自分のミスで鳥かごの鬼になると「オーマイゴット!」悔しがると周囲から笑い声が起きた。鬼の森脇選手にボールを奪われないように、テンポ良くボールを回すと「全然、獲れねぇ~」と森脇選手は悲鳴を上げていた。リラックスムードでアップが行なわれている中で、ミシャ監督は、柏木陽介選手、槙野智章選手、宇賀神友弥選手の所に足を運んで話し合う姿が見えた。
今日のミニゲームが始まるまでの間に、ミシャ監督は多くの選手に声を掛けてコンディションの確認や対広島戦などについて話しているようだった。ミニゲームが始まると阿部勇樹選手は離脱して、ステップワーク中心のコンディション調整となった。
ミシャ監督は「疲労を考慮して別メニューでは無い。ウメはふくらはぎを傷め、阿部は足の打撲で腫れがあり今日のミニゲームは回避した。連戦を闘う上で、疲労と言うより、怪我で次の試合に向けてコンビネーションを合わせていくことが出来ない。連戦を闘う難しさだ」と話した。
ビブ組のスリーバックのセンターには永田が入る
ハーフコートのミニゲームになると、リラックスムードは一変し球際が激しいぶつかり合いとなった。ビブ組はGK西川、DF槙野、永田、森脇、MF宇賀神、柏木、青木、関根、興梠、李、FWズラタン。ビブなし組はGK大谷・福島、DF岡本、茂木、加賀、MF橋本、鈴木、斉藤、平川、武藤、高木、FW天野コーチだった。
1本目は、両チーム共にボールを奪ったあとの切り替えが早かった。ゲームの入りから積極的に攻撃を仕掛けたのは、ビブ組であった。左からのクロスに李選手が綺麗なヘディングシュートを叩き込んだ。また、ビブ組はDFラインを高くして、永田充選手が縦パスを入れるシーンや、宇賀神選手が退き気味な位置から逆サイドのバイタルエリアのスペースに大きく展開するシーンが見られた。ビブなし組もDFの裏を突く動きを見せたが、ゴールネットを揺らすことは出来なかった。
2本目は前線の3選手を組み代え、ビブ組は興梠選手のワントップに武藤雄樹選手と高木俊幸選手がシャドーを務め、ビブなし組はズラタン選手のワントップに天野コーチと李忠成選手がシャドーを務める形となった。
ビブ組は、1本目と同じようにピッチの幅を使ったり、縦パスを入れる攻撃の組み立てを見せるが、ワントップの興梠選手に岡本拓也選手がトラップ直後のボールを奪うなどビブなし組の守備の意識が高かった。バイタルエリアまでのテンポある攻撃は見せるが、連戦の疲れで身体の切れが悪くラストパスの精度に欠きシュートまで行かないシーンが見られた。ラストゴールの声が掛かって約5分後、高木選手の強烈なシュートが大谷選手の手をかすめて決まり終了した。
ミニゲームでゴールを決めたのは、李選手と興梠選手、そして高木選手の3ゴールだけであり、ビブなし組の1本目も2本目も前線の選手が代わっても安定した守備から良い攻撃を見せていた。
ペトロヴィッチ監督「選手達が絶対にやるぞ!と良いゲームをしてくれる」
練習後、ミシャ監督は「無敗記録を続けている限り、常に難しい試合になる。どのチームも初黒星を付けたいと高いモチベーションでくる」と困惑した表情を浮かべた。そして「広島は、2ndステージを良いスタートを切った。2試合で10得点は、力がある。我々は、広島に対してリスペクトを持って試合に臨む必要がある。我々は、広島の好調とは反対に山形戦で良い試合が出来なかった。それは、選手も自覚している。我々のホームで、前節よりも良いものを出して闘い、無敗記録とホームでの連勝を伸ばす。記録は、意識していないが、選手たちは『絶対にやるぞ!』と良いゲームをしてくれると思う」と話した。
ホームで好調広島を下して、リーグ20戦無敗記録と共にホーム10連勝を飾りたい。