浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】阿部、槙野、柏木の主力組が別メニュー調整も充実した練習で戦術理解度を深める(2015/8/19)

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仙台戦に向けて戦術理解を深める

蝉しぐれの中、次節の仙台戦に向けて8月19日午前9時から練習が始まった。2ndステージで初の連勝を飾り年間順位で首位に立った浦和は、次節仙台戦も勝利を収めて波に乗りたい。

長期離脱中の石原直樹選手も岩舘直選手も最近は屋外のリハビリメニューをこなして日焼けした肌が頼もしく見えて来た。リハビリ中の2人とは別に、前節の湘南戦で足を傷めた阿部勇樹選手と左内転筋に問題を抱える柏木陽介選手、そして東アジア選手権から連戦が続いていた槙野智章選手は、別メニューでコンディション調整を行なっていた。

アップ後、両ゴールをペナルティーラインまで持ち出し、ハーフラインから約5m間隔でマーカーが設置されて練習が始まった。ビブ組はGK西川、DF岡本、那須、森脇、MF橋本、鈴木、青木、宇賀神、武藤、梅崎、FW興梠。ビブなし組は、GK大谷、DF天野コーチ、永田、加賀、平川、MF斉藤、茂木、高木、関根、FWズラタン、李の組み合わせであった。ビブなし組は4-4-2の布陣で仙台を意識したものと思われる。

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まず2チームに分かれて、最初に行なわれたセンターサークルを挟んで真ん中にスペースに空けて、攻撃陣と守備陣に分かれた。わざと中盤にスペースを作り、基本ハーフラインを越え無いことをベースにしながら、縦パスを受けるタイミングやサイドに展開するタイミングがポイントとなっていた。

また、ビブなし組の基本のDFラインは、ハーフラインから2本目に設定し高い位置を取っていた。GKを入れれば、お互いが同数で対峙出来るが、状況によっては数的不利を作られてしまうこととなる。

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ミシャ監督が、ビブ組の攻撃陣5人に求めたのは、いかにしてスペースを作り、使うことであった。誰かが動けば、スペースが生まれるため、チェックの動きなどボールを持っていない選手の連動した動きがポイントとなっていた。

 

更に、守備側がボールを奪うとビブなし組は攻守の切り替えが早く、前からドンドンとプレスを掛けていた。まるで仙台の激しい前プレスを想定しているようであった。そんな中で、李忠成選手が前プレスからゴールを決めるシーンがあった。

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ビブ組は、ボランチの位置で前プレスを掛けられるとかなり厳しい状況に追い込まれ、バックパスでDF陣やGKに戻しても狙われてしまった。ミシャ監督はフリーズをかけて、詰まったら動き直しを要求して修正を図った。そして、前プレスを掛けられながらもビブなし組陣内の攻撃陣の動き出しを見ること、攻撃陣にもパスを繋げるための動きも要求していた。「オープン!!大事なところだよ」「中に入れて外だよ!もっと前を見ろ」と声を掛けていた。

 

ビブ組の攻撃陣は阿吽の呼吸で、縦パスを受ける動きからDFの裏を狙ったり、DFの裏を狙う動きでDF陣を釣り、空いたスペースでミドルシュートを狙う連動した動き出しからチャンスを作っていた。

給水タイム後は、前線の選手を入れ替えて、ビブ組はズラタン選手のワントップに李選手と高木俊幸選手がシャドーを務めた。一方、ビブなし組は興梠慎三選手と武藤雄樹選手のツートップとし、左のワイドを梅崎司選手が任された。そして、最初に縦に入ったボールはダイレクトで捌き、パスを出した選手に戻すことを禁止したリターン無しの制限で行なわれていた。

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制限があるためなのか、1本目のビブ組の攻撃陣と比べると前線のボールの収まりが余りよくないように感じた。それでも高木選手と李選手のシャドーの2人がバランスを取りながら、鈴木啓太選手の縦パスを李選手が高木選手へと落とし、高木選手が逆サイドの宇賀神友弥選手へと展開すると、宇賀神選手のクロスをファーサイドで橋本和選手がヘッドで中に折り返し、ズラタン選手がフリーで飛び込みシュートを放つが決定的なチャンスを決められないでいた。

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マーカーが外された3本目のメンバーは、1本目と同じ形になって行なわれた。1、2本目で攻守の意識付けがしっかり出来ていて、両チーム共に攻守の切り替えが早かった。対峙した選手同志のバトルが激しく、中でも岡本拓也選手と関根貴大選手のバトルが一番迫力があった。

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また、ビブ組は、那須大亮選手のロングフィードから宇賀神選手がバイタルエリアに抜け出し、宇賀神選手の落としのパスを梅崎選手が受けてDFの裏を狙ったアーリークロスを送り、武藤選手が飛び込むもシュートまで持ち込めずに思わずゴール前で大の字になってしまったが、テンポの良い攻撃を見られた。DSC_0250

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気温35℃と一時の暑さよりも涼しくなっていたが、モワっとした蒸し暑い中で行なわれた練習は、約1時間45分で終わった。練習に不参加だった阿部選手や柏木選手、槙野選手の状態も心配であるが、充分に闘える手応えを感じる練習であった。

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