【無料記事/河合貴子の試合レビュー】プレナスなでしこリーグ1部レギュラーシリーズ第14節 vs伊賀フットボールクラブくノ一(2015/9/5)
なでしこリーグ再開!レッズレディース白星スタート!
風が秋の気配を運び少し肌寒い9月5日。約1カ月の中断期間を終えて、なでしこリーグが再開した。中断前の第13節アウェイ仙台戦を2-3で敗戦して7位後退した浦和は、エキサイティングシリーズの上位対決を目指し、再起を誓い中断期間を過ごしていた。リーグ再開の初戦は、伊賀フットボールクラブくノ一をホーム浦和駒場スタジアムに迎えた。
照明塔に灯りが灯り、17時に伊賀のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから浦和が主導権を握り始めた。3DFの伊賀は、両ワイドの選手が下がり5DFを形成する中、浦和はサイドから揺さぶりを掛けながらDFの裏を突く動きから崩すがシュートまで持ち込めないシーンが続いた。
16分、那須麻衣子選手の縦パスから園村奈菜選手がDFと身体を入れ替えて持ち込み鋭いカウンター攻撃を見せた。しかし、浦和は慌てることもなくDFラインを高く保ちコンパクトにして攻撃的な姿勢を崩さなかった。
そして19分、こぼれ球を拾った加藤千佳選手が、岸川奈津希選手へ預けると岸川選手から柴田華絵選手へとテンポ良く繋ぎ、柴田選手がドリブルでキープしながら乗松瑠華選手のオーバーラップのタイミングを図りDFの裏を突くスルーパスを出した。乗松選手のクロスを後藤三知選手が頭で合わせて浦和が先制!
先制点で勢いづく浦和は、畳み掛けるように伊賀ゴールへと襲いかかった。すると伊賀は中盤で攻守のバランスを取っていた那須選手をセンターバックへと下げ3-5-2のシステムから4-4-2と変更して来た。浦和は、決定的なチャンスを作るも決められず、前半を1-0で折り返した。
追加点が欲しい浦和は、後半も攻守に渡り積極的な姿勢を崩さずに仕掛け行った。50分、DFの裏を狙った岸川選手の浮球を清家貴子選手がDFと競りながらヘッドで自身の前に落としてドリブルで切れ込み冷静に右足でゴールへと流し込み2-0。
2点のリードを許した伊賀は、両ワイドが高い位置を取りながらFWとギャップを作り攻撃を仕掛けて来た。浦和は、自陣に押し込まれながらも長船加奈選手と高畑志帆選手を中心に上手く守備のバランスを保っていた。
69分には、柴田選手がドリブルでDFを引き付けてオーバーラップした乗松選手へとパスを送り、ゴール前へと走り込み乗松選手のクロスを飛び込みヘディングシュートを放つも決まらず、79分には加藤選手が思いっきり振り抜いたシュートはクロスバーに直撃!
伊賀の攻撃を往なしながらも3点目を奪いに行っていた。84分、疲れが見え始めた加藤選手に代えて栗島朱里選手を投入し、猶本光選手をトップ下に起用して4-2-3-1とシステムチェンジをして前線でのボールキープを試みた。
90分には、岸川選手に代わり石井咲希選手を投入に5DFで守備固めに入り、残された時間を使うために90+1分には清家選手に代えて白木星選手を投入し、逃げ切りを図る手堅い采配を吉田靖監督は見せた。
そして、浦和の勝利を告げる笛が高らかに浦和駒場スタジアムに鳴り響いた。先制点を叩き出しMVPに輝いた後藤選手は、かやぶきの郷薬師寺温泉旅籠のペアー宿泊券を手にしながら「ようやくホームで、みなさんと勝つことが出来ました。試合後に『浦和レッズ』コールが聞きたかった」と薄らと目に涙を浮かべていた。
実に4月11日エルフェン埼玉戦以来のホームで勝利であった。伊賀に2-0と完封勝利を飾った浦和は、勝ち点17となり5位に浮上した。
次節は、9月13日浦和駒場スタジアムにて17時キックオフ、勝ち点2差で浦和を追いかける7位の湯郷と対戦する。上位を目指し、浦和レッズレディースの熱い闘いは続く。