【河合貴子の試合レビュー】吉田監督「もっともっとやらなきゃいけない」<吉田監督、長船、加藤、臼井、清家、石井コメントあり>(2015/9/14)
吉田監督「もっともっとやらなきゃいけない」
エキサイティングシリーズを迎えるにあたり、レギュラーシリーズは6位以内が必須条件である。岡山との直接対決で敗戦すれば、厳しい状況に追い込まれるところであった。試合後、吉田靖監督は「手応えは出てきて、チャンスも作れた。ただ、日テレやINACに勝つにはもっともっとやらなきゃいけない。この後の対戦カードを考えると、新潟も湯郷も下位と当たる」と険しい表情を浮かべた。
吉田監督は試合を振り返り「攻撃がスムーズになった。もう1点獲って、落ち着きたかった。宮間は、世界でもトップクラスの選手だ。フリーにしないように、ボールを触らせるな!とみんなに伝えた。彼女がボールを持つと攻撃の起点になる。湯郷で一番フリーにしてはいけない選手だった。フリーにさせないことが重要だった」と話した。そして、5DFにして逃げ切ったことに関しては「最後は、守り切る。押し込まれたが、ピンチにならなかった。DFラインに長船が入って安定した。最後は守り切る!選手たちには、もしも勝っていたら、徹底的に守る。攻撃の良い形が作れないが、守ることを言っていた。良くやってくれたと思う」と笑みが零れた。
長船「練習でやってきたことが試合で出せた」
高畑志帆選手と共にDFを安定させてリスクマネージメントをしていた長船加奈選手は「向こうが蹴って来ることが多く、こぼれ球を宮間さんに拾われないように、先に宮間さんを捕まえる意識だった。中盤で、宮間さんを潰してくれたのは大きかった。宮間さんにボールが入ってしまった時に、相手が動きだす。FWの2人は競り合いにも強いので、潰せたら良いが、あとのカバーを練習でやって来た。練習でやって来たことが試合で出せた」と嬉しそうに話した。怪我で長期離脱していた長船選手だが、試合を重ねるごとに本来の動きが戻ってきているようだ。
加藤「追加点が取れたらもっと楽なゲームだった」
加藤千佳選手は「今日は、サイドハーフが中にポジションを取って、サイドバックを上げる形でした。湯郷の真ん中の間が空くことが分かっていた。中間のポジションは取れたが、そのあとのミスがあって上手く行かなかった。追加点が取れたらもっと楽なゲームだった」と悔しそうに話した。「宮間さんが、いろんなところに動くから、近い人が必ず宮間さんを見てケアをした。そこでチームのバランスが取れたと思う。みんなで押さえられて、攻守の切り替えを大事にした。新潟が勝った結果も知って、試合に入った。負けられないと思ったし、みんな運動量があって、しっかりとスライドした守備も出来ていた。問題は、次です!日テレ戦です」と早くも19日に西が丘で開催される日テレ戦に向けて気持ちを切り替えていた。
臼井「今は楽しい」
左サイドで加藤選手が作ったスペースを上手く利用出来た臼井理恵選手は「前節の伊賀戦で瑠華(乗松選手)と華(柴田選手)の右サイドの崩しが多く、千佳(加藤選手)と自分サイドが少なかった。VTRを見て千佳といろいろと話しあった。点には繋がらなかったが、千佳とのコンビで崩すことは出来た。光(猶本選手)と奈津希(岸川選手)が展開力があって、サイドで対応しながら2点目が獲れればよかった」と悔しがりながらも「昨年は、迷いがあったが、今は楽しい」と生きいきした表情で話した。そして試合終了までの5DFの10分間を振り返り「最後の時間、恐かった。DFを固めて受け身になってしまった。あそこで跳ね返して、セカンドボールを拾ってどうするか?!簡単に蹴ってクリアーするのか、繋いで行くのか、考えのズレがあった。最後の10分の闘い方が、課題だ。安心して観て貰えるようにしていきます」とゲームの締め方を課題として上げていた。
清家「得点王は意識している」
「得点王は、意識している」とニヤリと笑ったのは、清家貴子選手だった。「チームとして、自分を上手く使ってくれているので、それに応えていきたい。自分も上手く、相手DFのタイミングを見て動き出す」とゴールを狙い続ける構えを見せた。そして「華さんが(柴田選手)ドリブルしてパスを貰えて、ワントラップで相手を剥がして、GKの動きが見えてコースも見えて、そこに蹴ろうと思った。自分もビックリするぐらい冷静だった」とゴールシーンを振り返った。
石井「自分が途中から出たら身体を張って守る!」
後半、残り10分で途中出場した石井咲希選手は「順位的に厳しい位置にいて、無失点で終わることが大事だった。まずは、守備からと監督に言われた。チャンスがあれば、前に行こうと思っていたが、迷ったら前に蹴れと言われていたのでセーフティーを意識した。自分が途中から出たら、守備を固めることは、言わなくてもみんな分かっている。守備が出来るから試合で使ってもらえている。自分が途中から出たら、身体を張って守る!」と与えられた役割をしっかりと理解した上で、無失点でゲームを締めた。