浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】甲府との練習試合は3-4で敗戦(2015/10/31)

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川崎戦を想定してリーグ年間11位の甲府とトレーニングマッチ

賑やかなハロウィンの喧騒とは裏腹に、気温14℃と肌寒く厚い雲に覆われた10月31日。午後1時よりヴァンフォーレ甲府との練習試合が行われた。甲府から訪れたサポーター・ファンも見守り、約500人が寒空の下で両チームへ熱い視線を送っていた。

1週間後に行なわれる川崎戦で森脇良太選手の出場停止を受けて、右のストッパーを宇賀神友弥選手が任された。また、那須大亮選手は右足に張りがあり、高木俊幸選手は腰痛、永田充選手は左足ふくらはぎを軽い肉離れのために大事を取ってトレーニングマッチは不参加となった。

1本目は、GK西川、DF槙野、阿部、宇賀神、MF梅崎、青木、柏木、関根、武藤、興梠、FWズラタンのメンバーで挑んだ。甲府もワントップにバレー選手、シャドーに伊藤純也選手と阿部拓馬選手、ボランチにマルキーニョス・パラナ選手を置きベストメンバーであった。

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先手を打ったのは、甲府であった。開始早々、浦和は甲府の出方を見ようと思ったのか、その一瞬の隙を突き、左のバイタルエリアに流れたバレー選手にパスが通り、バレー選手から伊藤選手へ、そして追い越す動きの流れの中から阿部拓馬選手へとスルーパスが通り、あっという間に阿部選手の見事なシュートが決まり甲府に先制点を許してしまった。

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思わぬ立ち上がりの失点であったが、浦和はボールをポゼッションしながらDFラインを高く保ちゲームを支配していった。宇賀神選手がインターセプトしてドリブルで持ち上がり、中央の武藤雄樹選手へ、武藤選手の左から走り込んで来た梅崎司選手へ、梅崎選手がゴールを狙うも松林優選手がシュートコースに入りブロックされてしまった。

また、9分にはズラタン選手へのロングボールが通ればGK河田晃兵選手と1対1のシーンが作れるチャンスだったが、河田選手が一足早くクリアされてしまった。浦和は、相手陣内に押し込み、甲府が5DF気味となり前線が良い形でボールを受けることが出来ず、クロスやラストパスを奪われるシーンが続いていた。

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13分には、宇賀神選手が右の高い位置にフリーでポジションを取っていたのにも拘らず、青木拓矢選手が左へと展開すると「拓矢!!ウガ~!ウガ!!」とミシャ監督から大きな声で檄が飛んだ。なかなかシュートまで持ちこめない展開の中で、浦和は焦れずに詰まったらDFラインまで戻して攻撃の組み立て直しを行なっていた。しかし、ボールの失い方が悪いと甲府は素早く、バレー選手に預けて縦に早い攻撃を見せた。

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バレー選手には、阿部勇樹選手が付き攻撃の芽を潰しに掛かっていた。そして35分、関根貴大選手から前線のズラタン選手へのロングフィードを津田琢磨選手が拾ってバックパスをしたところ、運良くズラタン選手へのパスとなり、ズラタン選手が冷静にゴールへと流し込んで1-1と追い付くことが出来た。

その後も浦和が攻め続けるが、統率された甲府のDFラインに手こずり、上手くDFの裏に抜けたと思ってもオフサイドラインに引っ掛るシーンが何度もあった。これには、ミシャ監督も苛立ち「ノー!オフサイド!!」とアシスタントレフリーに思わず異議を唱えてしまった。

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40分には、柏木陽介選手が右足の内転筋を気をして鈴木啓太選手と交代した。1本目は、ゲームの入りが悪く、主導権を握りながらも流れの中から崩せずに1-1となった。

 

2本目は、関根選手に代わり平川忠亮選手が起用された。2本目の立ち上がりから、主導権を握ったのは浦和であった。7分、宇賀神選手のクロスをファーサイドでDFがクリアしたボールがズラタン選手の目の前へ、ズラタン選手が豪快に右足を振り抜きゴールネットを揺らした。運も実力の内、ズラタン選手のゴールで2本目は浦和が先制。

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流れの中からゴールが欲しい浦和は槙野智章選手も積極的にオーバーラップして相手陣内へと攻め込むが、甲府に高いDFラインの裏をあっさりと突かれてしまった。18分、伊藤選手から縦パスをバレー選手が阿部選手と競りながら持ち込み、阿部選手を振り切りシュート!バレー選手の身体の強さを見せ付けられてしまい1-1にされてしまった。

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22分には、宇賀神選手に代わり森脇選手、阿部選手に代わり加賀健一選手、槙野選手に代わり岡本拓也選手、武藤選手に代わり橋本和選手、興梠選手に代わり李忠成選手と5選手を入れ替えた。

左のワイドでプレーした梅崎選手をシャドーで起用して橋本選手が左のワイドでプレーをした。選手を入れ替えフレッシュになった浦和は、その2分後の24分に楔のパスを受けたズラタン選手が、エリア右の深い位置へ走り込んだ鈴木選手へ、鈴木選手のクロスはゴール前でDFがクリアするが、李選手がエリア内で上手くクリアーボールを狙いゴールへと叩き込んだ。

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浦和にリードされた甲府は、一挙にメンバーをリフレッシュして来た。そして、右CKから秋吉泰佑選手にゴール中央でシュートを撃たれるが、西川周作選手がファインセーブ!しかし、そのこぼれ球を熊谷駿選手に決められてしまった。

そして、37分には右のバイタルへポジションチェンジした秋吉選手へと大きく展開し、秋吉選手のクロスをファーサイドで保坂一成選手が合わせて、2-3と逆転されてしまった。

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3本目は、GKを西川選手から大谷幸輝選手、青木選手に代わり茂木力也選手、シャドーを石原直樹選手と斉藤翔太選手とし、李選手のワントップで挑んだ。しかし、オーガナイズされた甲府の守備は堅く、楔のパスも収まらず、サイドからのクロスも甲府の厚い壁に阻まれてしまい苦戦を強いられることとなってしまった。

李選手が倒され、絶好のポジションで獲得したFKも任せられるキッカー不在の事態に、森脇選手がキッカーに名乗りを上げてゴール右上を狙うが、ボールに勢いが無くふんわりとしたボールはGKにキャッチされてしまった。

主導権を握りながらも攻める浦和に対して、甲府は1本目、2本目と変わらずにしっかりとした守備からカウンターを狙っていた。だが、前線の盛田剛平選手には、加賀選手が密着してセカンドDFに森脇選手がカバーに入ったりと良い守備の連係が見られた。

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膠着(こう着)状態が続く中、時間は刻々と過ぎていった。そして、試合終了間際、左CKを獲得した途端にラストチャンスと見たミシャ監督から「幸輝!上がれ~!」の指示が飛んだ。驚きの表情を浮かべて「えっ!?」と何度もベンチを見ながら大谷選手は、上がってラストチャンスにかけた。そして、橋本選手の左CKをゴール中央で大谷選手がヘディングシュート!!しかし、相手GKが冷静にキャッチして試合終了。3本目は、お互いゴールが決められずに0-0の引き分けで終わった。

45分×3本で行なわれたトレーニングマッチは、トータルで3-4と敗戦を喫した。結果が大事なトレーニングマッチではないが、流れの中でゴールを決められなかったことは、大きな課題となった。シャドーで起用された興梠選手が、欲しいタイミングでパスが出て来ず、悔しそうに天を仰ぐシーンがあった。

川崎戦までは、まだ1週間と時間がある。充分に修正は出来るはずである。また、累積で出場停止となる森脇選手に代わり右のストッパーを任せられた宇賀神選手は、良い手応えを掴んだのではないだろうか。

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