浦和フットボール通信

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Devotion to URAWA – 浦和から世界を目指せ – 池田伸康Jrユース監督 –

浦和から世界を目指せ

池田伸康 浦和レッズJrユース監督

 

 浦和生まれの浦和育ち、小さい頃からサッカー池田3兄弟として地元では有名だった。学校の行き帰りサッカーボールが片時も傍から離れる事は無かった。それが、池田伸康レッズJrユース監督だ。

現役時代の池田監督は、ボールを持ったらまずゴールを果敢に目指す選手だった。ゴールが決まると、鹿島のビスマルクの祈りのポーズをお焼香のポーズにしたり、当時流行っていた「キャイーン」の真似をしたり様々なパフォーマンスでゴールの喜びを表現し、スタジアム沸かして楽しませてくれた。「勝利こそが一番の喜びだが、足を運んでくれた人達が少しでも楽しんでくれる事が大事。楽しんでくれるんだったら何でもやるよ」と当時話してくれた事があった。細かい事に気配りが出来、どんなにチームが苦しく辛くても下を向かず明るく元気のパワーを振りまくチームのムードメーカーにもなっていた。

サポーターからも「ノブ」「ノブさん」の愛称で親しまれ続けて来た池田選手は、時を経て今はJrユースの子供たちから「ノブって、グランドの中では監督だけどグランド外ではU14だよね」と言われるぐらい愛されている。それは、子供達と同じ目線に立ち、常に子供達の温もりを人として感じ、対人間として子供達の心の声を聞く事が出来るからだと思う。「グランドの外では平気でプロレスごっこしたりするし、いたずらもされるよ。子供達と距離が無さ過ぎるって言う指導者も中には居るけど、距離を置くと子供一人ひとりの良い所も悪い所も分からない」と池田監督は話す。

その拘りは、人間が本来生まれた時から備わっている「個性」の尊重から来たものだった。池田監督は「チームとしてやらなければいけない原則のルールの中で、チームのやり方で個性が消えてしまうのではなくて、ドリブルが上手い選手がいたらミスしても良いからドリブルで勝負させてあげる。足が早かったらスピードを生かしてあげる。子供達の芽を潰したら駄目なんだ。何が大事って情熱とか、愛情とか大きな物で分ければそうだけど、子供を見極める事だと思う。一人々が輝きの違うダイヤモンド。その輝きをくすませる事はしたくない。本当に可愛いし、抱きしめてあげたい」と輝く子供達の姿を思い描く様に話す。

池田監督は「子供達には闘う気持ちが一番大事だって言っているけど、それは気持ち一つで養える物だ。個性だけは違う」と話す。どうして池田監督が此処まで「個性」に拘るのか?それは「個性」がある選手しか世界に行ってないからである。池田監督は「オリンピック選手になって、プロになってレッズに入って満足したんだと思う。だから世界には行けなかった。もう一つ上の物を持っていたら違っていたんだと思う。だから子供達には個性を失わずに上で勝負して欲しい。じゃないと世界には行けない。自分の現役時代に世界に行こうって言う夢を持っていなかったから、今伝えて居るんだよね」と思いを話す。自分の経験を糧に指導者と言う立場で子供達に伝えている姿がそこにはあった。

選手時代、明るく元気なパワーを振りまいていたノブさんは、今「子供達はレッズに入る事を夢みているかも知れないが、それは届く物だから・・・世界に行こう」と輝く個性溢れる子供達に毎日、夢を与えている。そして夢を実現するために、子供達はノブさんと一緒にサッカーを楽しんでいる。

Profile 河合貴子  92年よりJ:COMさいたま「REDS GET GOAL」のパーソナリティを務め、浦和レッズを中心に取材活動を行っているフリーアナウンサー。「貴ねぇ」の愛称でサポーターからも親しまれている。指導者資格(財)日本サッカー協会公認C級ライセンス取得。

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