「熱狂の純度を保ち続けるボンボネーラ」『ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー』レビュー/ヨコハマフットボール映画祭(2016/2/3)
2011年から珠玉の世界のサッカー映画を放映してきた「ヨコハマフットボール映画祭」が今年も2月11日から14日まで、横浜のブリリアショートシアターにて開催される。
今回上映の作品の中で注目したのが、日本初公開となる『ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー』だ。イギリスの老舗サッカー雑誌『4-4-2」に世界のスタジアム100選のうち、第1位に輝いたボンボネーラ。マラドーナ、テベス、リケルメを輩出してきた南米を代表するクラブ、ボカ・ジュニアーズの本拠地だ。このボンボネーラを舞台にした数々のストーリーが描かれているのが『ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー』だ。
俺の人生はボカ一色だ。
全てはボカに捧げてきた。
家族もだ。妻も孫も・・・。
あるインチャ(サポーター)が語る。
まさにボカのために生きる熱狂。この街には情熱がある。
1999年に東京・国立競技場で開催されたTOYOTA CUPでは、フィーゴ、ロベカル、ラウル、グティと銀河系軍団のレアル・マドリードと対戦して、2-1で勝利して世界一に輝いた。この試合の舞台裏をクラブ幹部、当日の選手が語っている。
この試合、私もボケンセのインチャが集まるゴール裏に飛び込んで観戦していた。地球の真裏から、国立のゴール裏スタンドを埋め尽くすインチャが集まってくる、その数にも驚かされた。さらに試合前には国立のゴール裏スタンドを覆い隠すほどのデカ旗が運び込まれて、掲げられた。そして試合中はチャントが叫び続けられる。ボカへの愛情を伝え続けるチャントの数々。ずっと歌い続けながらも試合展開にあわせて、リズム、音量が変わることで、応援のマンネリはなく、ピッチとともに戦い続けていることがビシビシ伝わってきたことを今でも思い出す。あの時、南米サッカーの歴史をスタンドからも感じることができたのは自分の大切な思い出だ。
クラブと共に生きていると、様々なストーリーにも出会うことができる。
リーベルとのダービーで決めた、サポーターが永遠に語り継がれるエースパレルモのゴール。アルゼンチンの英雄であり、ボカのアイドルでもあるディエゴ・マラドーナ。マラドーナの10番を受け継いだ、ファン・ロマン・リケルメ。ボカで育ち、アルゼンチンのエースと成長したカルロス・テベス。ボカのインチャに愛され続ける彼らのボカでの思い出をコメント、映像と共に振り返る。
選手も監督もしょっちゅう替わるし、
経営陣も変わる。
それでもインチャはずっと離れない。
この言葉が世界でも最も熱狂的と言われるボカ・ジュニアーズの『ボンボネーラ』の源になっているのだろう。ボカに関わる全ての人がインチャであり、ボカは“自分たち“なのだ。この当事者感がサッカークラブの忠誠心のバロメータになる。
少しでも異物が注入されるとサッカークラブの熱狂は衰えてしまう。ボカジュニアーズは、この純度をいつまでも保ち、熱狂を続けているクラブなのだと思う。
花火、発煙筒、紙吹雪、そして選手とともに戦うインチャたちの映像を見ているだけでも、その興奮が伝わってくる。アルゼンチンのほとばしる興奮が十二分に伝わってくる。自分たちのクラブを愛して愛して止まない人たちのストーリー。サッカーの素晴らしさ、サッカーの熱狂を感じたいあなたは、ぜひ映画館で楽しんでもらいたい。
「ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー」
2015年 アルゼンチン/ドキュメンタリー/108分
監督:ロドリゴHヴィラ
字幕製作:YFFF
◆◆前 売 券 好 評 発 売 中◆◆
シングル券 1300円
1 日 券 3500円
パーティー 1500円
→Peatixにて好評発売中(クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済に対応)
http://peatix.com/event/138231/
会場 ブリリア ショート ショート シアター
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5-3-1フィルミー2F
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今回の上映作品のラインナップは以下の通りです。
■■ディーマンシャフト<日本初公開>
メッシ、クリスチャーノ・ロナウド、ネイマールのような強烈な個のチカラに頼ることなく、Die Mannschaft(チーム)の力で4度目のワールドカップ制覇を果たしたドイツ代表。
本作では、ヨーロッパでの事前合宿から、地元ブラジルを7-1で撃破し、ファイナルでメッシ率いるアルゼンチンを超えて頂点に立つまでの舞台裏にカメラが密着。その成功の秘密に迫る。
2月11日(祝) 19:30~ ゲスト:木崎伸也氏(スポーツライター)
2月12日(金) 17:40~ 上映のみ
■■ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー<日本初公開>
字幕製作:YFFF字幕チーム
イギリスの老舗サッカー雑誌4-4-2に世界のスタジアム100選のうち、第1位に輝いたボンボネーラ。マラドーナ、テベス、リケルメを輩出してきた南米を代表するクラブ、ボカ・ジュニアーズの本拠地だ。
花火、発煙筒、紙吹雪、そして選手とともに戦うインチャ(サポーター)たち。アルゼンチンのほとばしる興奮を映画館で体感しよう!!
2月11日(木) 13:10~ ゲスト:望月重良氏(元サッカー日本代表、SC相模原代表)
2月12日(金) 19:35~ 上映のみ
■■Ronaldo/ロナウド
世界最高のサッカー選手は誰だ?俺だ!
『アイルトン・セナ~音速の彼方へ』の製作陣が贈る、スーパースターの一年間を追った、サッカードキュメンタリー!華やかな姿と力強いプレーに隠された素顔に迫る。ユース時代の貴重な映像や息子との微笑ましい日常、最大のライバル、メッシへの想いとは・・・・
ファンならずとも必見の作品
2月11日(木) 17:10~ ゲスト:調整中
■■ノンフィクションW 盲目のストライカー 世界へ
~ブラインドサッカー日本代表 闘いの軌跡~<劇場初上映><音声ガイド上映実施>
製作:WOWOW、エネット
ブラインドサッカー日本代表のエース、黒田智成。6歳で全盲となった黒田にとって、全力で走り回ることができるブラインドサッカーのピッチは、限りなく自由を感じられる舞台だという。
2014年、日本代表の目標は、初の自国開催となる世界選手権での躍進だった。けがから復帰した黒田も、5月に代表合宿へ合流するが、その後黒田にゴールが生まれない。世界の頂点を目指す日本のエースは、世界の強豪を相手にどのような活躍を見せたのか?
「映文連アワード2015 文部科学大臣賞受賞作品」
2月13日(土) 15:45~ ゲスト:調整中
■■走る!蹴る!笑う!~アンプティサッカー・アフィーレ広島の1年<劇場初上映><無料上映>
製作:テレビ新広島
事故や病気などで手や足を失った選手が、杖を使ってプレーする新しい障害者スポーツ『アンプティサッカー』。2014年5月、中四国地方初となるクラブチーム「アフィーレ広島」が誕生した。
チーム設立から1年の歩みのなかで垣間見た、選手たちの心の成長。切断という障害を乗り越え、踏み出したそれぞれの「人生の一歩」に密着した。
2月13日(土) 15:05~ ゲスト:調整中
※同日17時より、アンプティサッカーの体験会を実施いたします。
■■60万回のトライ<ラグビーワールドカップ2019決勝戦決定記念上映>
悲願の花園制覇を目指し、新しいシーズンをスタートさせた大阪朝鮮高級学校ラグビー部。折からの高校授業料無償化対象からの除外や、平壌への修学旅行により、改めて自らのルーツと向き合うことになる選手たち。そして、誰もが頼りにする金寛泰(キム・ガンテ)主将の戦線離脱・・・。果たして彼らの夢は叶うのか?
※金選手はその後、U20日本代表にも選抜され、ラグビーワールドカップ2019での活躍が期待されています。
2月13日(土) 15:45~ ゲスト:金寛泰選手(東芝ブレイブルーパス)、藤島大氏(スポーツライター)
■■イタリア式サッカー狂騒曲 <日本初公開>
配給コンテンツセブン
一級審判員のクルチャーニは、ついに長年夢だったヨーロッパリーグでのジャッジを依頼される。時同じくして、サルデーニャ地方のクラブ・パバリーレは、最下位のアマチュアリーグで連敗続きだったが、アルゼンチン帰りの救世主マツツィの活躍によりついに、リーグ優勝を目前とするまでに…。
一件何のつながりもない天と地ほど離れた2つのリーグの戦いが、見えない糸によって絡まっていく…。誰もが想像し得なかった驚愕のゴールに今、神の審判が下される。
第35回モンペリエ地中海国際映画祭 ヤング審査員賞 受賞
2月12日(金) 15:35~ 上映のみ
2月14日(日) 18:40~ ゲスト調整中
■■モンテビデオの奇跡
協力:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
1930年ウルグアイで開催された第1回ワールドカップ。船で大西洋を越えて首都モンテビデオにやってきたユーゴスラビア代表は前評判を覆して快進撃を続けるが、準決勝で地元ウルグアイと対戦することに・・・・。
オシム、ストイコビッチ、ハリルホジッチと日本サッカーに多大な影響を与えてきたユーゴスラビアサッカーのルーツが分かる大河ドラマ。
2月14日(日) 15:30~ ゲスト:千田善氏(ジャーナリスト)
■■じゅういちぶんのいち
中村尚儁原作の同名の人気コミックを、D-BOYSの池岡亮介、竹富聖花、工藤阿須加など若手俳優を起用して実写映画化!
中学卒業を機にサッカーを諦めた主人公が、不思議な少女との出会いをきっかけに、サッカーへの情熱を取り戻すのだが・・・。
元サッカー日本代表の山口素弘、大竹七未の演技にも注目。
2月14日(日) 19:10~ ゲスト:片岡翔監督
■■サンゴーヨン★サッカー
日本/64分/監督:藤橋誠
日本のブラジルタウンである群馬県大泉町を舞台に制作された「まち映画」。
地元から脱出すべく日々、勉強と部活に励む亜美。職業実習で派遣された先で、数年ぶりに別居中の父・秀俊と再会する。秀俊は不況で苦しむ町を盛り上げるために国道354号線でのストリートサッカー大会を企画していた。渋々手伝う亜美だったが、次第に父の家族と地元への温かい想いに気づくのだった・・・。
2月12日(金) 16:05~ 上映のみ
2月13日(土) 13:10~ ゲスト調整中
■■MESSI/メッシ 頂点への軌跡
スペイン、アルゼンチン/93分/監督:監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
昨年のFIFAクラブ・ワールドカップ優勝に続き、11日発表されたFIFAバロンドールでは5回目の受賞を果たしたリオネル・メッシ選手のの栄光への道のりを追ったスポーツ・ドキュメンタリー。
なんと、ゲストには、「わたしの城下町」で日本レコート大賞新人賞を受賞しNHK紅白歌合戦に18回連続出場、女優としても『白蛇抄』で日本アカデミー賞主演女優賞に輝く小柳ルミ子さんが登場!仕事の日は最低3試合、休日は最低10試合はテレビ観戦するという彼女がメッシの魅力を存分に語ります!
2月14日(金) 13:10~ ゲスト:小柳ルミ子さま、西岡明彦氏(アナウンサー)
ぜひ、映画祭の会場でお会いしましょう!