【河合貴子の大原なう番外編】「タイトルを獲る為に、浦和へやって来た」遠藤航選手、加入記者会見(2016/2/7)
目標とする阿部さんと一緒にプレーするのが楽しみ
晴れ渡る穏やかな日曜日となった2月7日。リオデジャネイロオリンピック出場権を決め、U-23アジア大会優勝の名誉と共に遠藤航選手が、浦和にやって来た。
カタールから帰国後、短いオフを家族と新車で過ごした遠藤選手は、U-23アジア大会優勝の余韻からすっかり気持ちも切り替えていた。「早く、チームと合流したい」遠藤選手の心中は、浦和のことで一杯だった。
今シーズンのJリーグ開幕に向けチームは、鹿児島キャンプで最終調整を行なっている中、遠藤選手の加入記者会見が埼玉スタジアムで行なわれた。
一昨年からオファーを掛けた遠藤選手の獲得で、2年越しの思いが叶った山道守彦強化本部長は「U-23の大会でサッカー人として素晴らしい成績を残した。そういう選手が、我々のクラブの一員になってくれて嬉しく思う。昨シーズン、72点(勝ち点)とっても優勝出来ず、ACLも予選突破が出来なかった。昨シーズンを上回りたい。今シーズンから遠藤選手に来てもらった。一緒に歩んで行きたい」と満面の笑みをたたえ嬉しそうに話した。
上下浦和のジャージ姿で記者会見場に姿を見せた遠藤選手は「実は、この下にユニホームを着ているんです」と照れ笑いし「やっと浦和の一員になれたと実感している」と安堵の表情を浮かべた。
そして「浦和は、サポーターの声援や環境が整っている。タイトルが獲れていない悔しさがある。チームの歴史を感じながらタイトルを目指す。僕は、タイトルを獲るためにこのチームに来た。浦和のサポーターは、熱いイメージがある。プレーしやすい環境を作ってくれる。守備のところでは良さを出し、攻撃はビルドアップ。でも、一番は守備。ポジショニングやカバーリング、クレバーなところを3DFやボランチで出していきたい。チームの合流が楽しみ。早く合流してトレーニングしたい。すぐに、ACLがあるのでコンディションつくりとコミュニケーションをとって早くチームに馴染めるようにしたい」と意気込んだ。
多数のチームからオファーがあった遠藤選手が浦和を選んだ決め手は「チームを決める中で、自分が成長出来るかだ。このチームが一番、プレースタイルがやっているサッカーにフィットする。2年連続オファーを頂いたことも嬉しかった」と遠藤選手は話した。
気になるポジションは「真ん中でもボランチでも与えられたポジションをしっかりやりたい」と言いつつも「1対1の強さ、個の能力で守り切る安定感を3DFで出していきたい」と話した。
また、遠藤が目標にしている同じポジションの阿部勇樹について「代表でも阿部さんは、ボランチ、アンカー、センターバックといろんなポジションをやっていて参考にしていた。一緒にプレーをするのが楽しみ。阿部さんと会話して、海外の経験やプロの経験の話しを聞いて、話の中から人間性を必ず学んでいける」と話した。
また、背番号6番に付いては「浦和にとって重みのある背番号であることは、理解している。この背番号を背負ってタイトルをもたらしたいと思った。浦和のサポーターは、まだ何もしていない自分なので不安があると思うが、浦和のサポーターに認めてもらえるように頑張る」と身を引き締めた。
浦和移籍に関しては、湘南でチームメイトだった山田直輝選手や坪井慶介選手たちに相談すること無く「自分で決めるタイプなんで、僕から話すことは無かった。最終的に決めるのは、自分なんでね」と笑い、A代表で槙野智章選手と一緒だった時に「槙野君から、『浦和の遠藤さん』と言われたが、『まだ、決まっていない』と答えた。浦和は、サポーターが熱い。浦和の歴史の映像を見た。地域にサッカーが根付いている。厳しいこともあるが、背負って闘う。厳しい環境に身を置けるのは、成長にも繋がる。ベースは、自分の良さ、浦和の良さを出していく」と話した。
浦和にとっては、複数のポジションをこなすことが出来る遠藤選手の加入は心強い。しっかりと浦和にフィットして、タイトル奪還の原動力に遠藤選手はなって行くだろう。