浦和フットボール通信

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河合貴子のレッズ魂ここにあり!「浦和の新星9番~武藤雄樹選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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浦和の新星となって武藤選手の背番号9が、輝き始めた

今シーズンの浦和の初ゴールは、思わぬ形で生まれた。シーズン最初の公式戦となったACLシドニーFC戦開始8分、梅崎司選手のクロスに合わせるように、ペナルティーエリアに斜め左から走り込んだ武藤雄樹選手の目の前に相手DFに当たったボールが転がりこんだ。

武藤選手は、冷静に右足でダイレクトにシュートを放ちゴールへと流し込んだのだ。

ゴールが決まると武藤選手は、すぐさまスタンドに駆け寄り、自慢げに背中のエースストライカー番号9を親指を立てて指し示した。背中の背番号9番が、頼もしく見え眩しく輝いていた。

浦和の9番と言えば、怪我が多く硝子のエースとまで言われながらも日本人選手初の得点王に輝き苦しい浦和の時代を支えて来た福田正博氏が、引退するまで背負って来た番号である。

その後、永井雄一郎選手(現ザスパクサツ群馬)が受け継いだ。浦和時代の永井選手は、足にボールが吸い付くような独特なリズムのドリブルでゴールを狙い、ACLのMVPに輝いた選手であった。

浦和の9番を付けるには、相当の覚悟がないと難しい。浦和を愛する人々から求められるのは、もちろん勝利に導くゴールである。永井選手が浦和から去り、2年間は空き番号になっていた。

その9番に「自分も浦和で伝説を作るんだ」と名乗り出たのは、エジミウソン選手(現レッドブル・ブラジル)であった。それは、エジミウソン選手の浦和を愛する気持ちの証であった。しかし、気持ちと裏腹にエジミウソン選手の背番号9番はたった1年だけとなってしまったのだ。

その2年後に浦和の生え抜きである原口元気選手が継承することとなったが、更なる飛躍を求めて原口選手は海外へと旅たち、わずかに半年間だけの9番でまた空き番号となっていたのだ。

残念なことに、浦和を背負って立つ9番を付ける自覚のある選手は、なかなか現れなかった。
そして、遂に浦和の9番を背負って立つ選手が現れた。武藤選手である。

チームの方から9番を付けたいと思うかと聞かれた武藤選手は「少し考えた上で9番付けたいと思って、着られるなら着せて下さい」と答えたのだ。

武藤選手は「浦和で活躍したい。浦和のエースになりたい。着ることで9番、エースになっていく。福田さんが9番付けて活躍した。原口もそうだった。浦和で愛される選手になりたい。簡単に付けられる番号ではないが、覚悟は決めた。浦和で遣るからには、エースになって行く。移籍してきてたった1年で、少し点を獲っただけだの自分が9番を付けるプレッシャーは感じていないが、責任は感じている。前線の選手として、大事な時に点を獲れる選手になっていきたい。そういう選手が出て来ないといけない」と練習初日に話していた。

武藤選手は、背番号9番を付ける重みと責任を感じ、覚悟を決めていた。「大事な時に点を獲れる選手になっていきたい」武藤選手の言葉の裏には、昨シーズンのチャンピオンシップのG大阪戦で決めきれなかったヘディングシュートの思いがあった。だからこそ、あえて背番号9番を付けて闘う道を選んだのだ。

そして、今シーズンの初の公式戦となったACL・シドニーFC戦の前日に武藤選手は「9番に値するプレーをする」と誓った。どんな試合でも先制点は重要であるが、特に大事な初戦での先制点は、どんな形のゴールであってもチームに勢いをもたらす重要なゴールだ。その大事な時に、武藤選手は背番号9番のお披露目と共に、見事に9番の役割を果たしてくれた。

「9番は、結果が常に求められる。正直、決めてホッとした。開幕初戦、固くなることもあるが、先制点は重要になるのでゴールを決められて良かった」と胸をなで下ろした。

浦和の生え抜きでもない、ましてや仙台から移籍して来てまだ2年目となる武藤選手が、浦和の9番を付けて闘うには、想像を絶するプレシャーが無かったと言えば嘘になる。

阿部勇樹選手は「武藤は、今年背番号が変わりやっぱりプレッシャーがある中で点が獲れたところで、気持ち的には楽になるんじゃ無いかなぁ。けど、そんなじゃないぞってプレッシャーかけ続けようかなぁ」と嬉しそうに笑っていた。

浦和の9番を付ける限り、相手ゴールを脅かす存在でいて欲しい。たかが1点、されど1点。シーズンは、始まったばかりだ。武藤選手にかかる期待は大きい。移籍1年目となった昨シーズン、ダイレクトシュートは武藤選手の代名詞となった。浦和の歴代背番号9番を付けて来た選手たちと違う持ち味がある。浦和の生え抜きの選手ではないけれど、昨シーズン1年間を浦和で闘っただけで、既に浦和を理解し愛している。

武藤選手は、ゴールに向かって走る、ひたすら浦和に勝利をもたらす為に走り続ける。浦和の新星となって武藤選手の背番号9が、輝き始めた。

Q. こむら返りのような状態を放置しているとどうなるのでしょうか?

A. こむら返りは、足が攣った状態です。筋肉損傷を分類すると、肉離れはこむら返りと同じ分類になります。筋肉が部分的にちぎれてしまうのが肉離れで、筋肉がちぎれる前に固くなりロックした状態がこむら返りです。筋肉が固くなりロックした状態のこむら返りでは、筋肉が伸び縮み出来なくなります。運動後のストレッチやアイシングなどを怠るとなります。こむら返りは時間の経過と共に自然に痛みは無くなりますが、悪化すると疲労性の炎症を起こすことがあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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