浦和フットボール通信

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【河合貴子の大原なう】守備を固める相手を崩す方法を念入りにチェック(2016/3/4)

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退いた相手をどう崩すのか、課題を持って

桜の蕾も大きく膨らむ好天気となった3月4日。浦和は、ホーム開幕となる磐田戦に向けて午前11時から練習を行った。ACL浦項戦で敗戦を喫し、韓国から帰国したメンバーは気持ちを入れ替えて練習に臨んだ。

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浦項戦でフル出場した槇野智章選手、永田充選手、駒井善成選手たち7名は、ステップワークを取り入れたランニングとストレッチで軽く体をほぐした。西川周作選手は、GK練習のアップに参加した後、土田コーチと一緒にランニングを行った。他のメンバーは、通称“鳥かご”のボール回し、パスの基本などアップを行った。選手たちは、リラックスムードで笑みを見せていた。しかし、ハーフコートでサイドの幅を5m縮めた9対9のミニゲームでは、真剣勝負そのものの動きを見せ、激しいポジション争いを物語っていた。

ビブ組は、GK大谷、DF森脇、遠藤、MF宇賀神、柏木、関根、武藤、興梠、FW李。ビブなし組は、GK岩館・福島、DFイリッチ、加賀、MF橋本、阿部、平川、伊藤、高木、FW石原だった。

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ミニゲームが始まる前には、ミシャ監督から「奪ってから早く、縦を狙って行け!」「前線の3人は、お互いの動きだし、コンビネーションを意識して行け!」と指示が飛んだ。立ち上がりから前線のコンビネーションの良さを見せつけたのは、ビブ組であった。

李忠成選手のスルーパスに抜け出した興梠慎三選手が冷静にゴール左隅に流し込んだ。その後も、左利きの李選手が右足で豪快なゴールを決めたり、前線からの追い込みで高い位置からボールを奪い積極的に仕掛けて行った。

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一方、ビブなし組はインターセプトしたイリッチ選手がそのままボールをドリブルで持ち上がり、高木俊幸選手に預けるシーンも見られたが決定的に崩すまで至らなかった。

積極性を見せるビブ組は、森脇良太選手が狙ったループシュートがクロスバーに直撃するシーンや攻守の切り替えが早く、縦パスを受けた武藤雄樹選手が左に走り込んで来た興梠選手へとパスを出し、興梠選手がまたもゴールを決めた。

ビブなし組は、ビブ組の前線からのプレスをかけられた影響で微妙にパスがズレてしまい効果的な組み立てが見られなかった。

2本目が始まる前には、ミシャ監督が「規律を持って、しっかりやっていた」と褒め、さらにステップアップを求めるように、ビブ組の前線3選手のポジションニングの修正を図った。ビブなし組が形成した守備ブロックの間にシャドーの選手とワントップの選手を置き、うまくローテーション(ただ単純にポジションチェンジをチェンジするだけでなく、選手がポジションチェンジしながら空いたスペースを他の選手が活用して連動していく)しながら攻撃を組み立ていく細かい指示を出した。

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また、ACL浦項戦の後半のシーンを持ち出し「永田も悪くはなかったが、仕掛ける部分で足りなかった。ポジションを変えることで自分の良さが生かせる。大事なのは、ポジションと仕掛けだ。永田がここにいて、駒井が~」と身振り手振りで熱く選手たちに、横パス多用すると崩すのが難しくなる話や、仕掛けて相手DFを寄せて逆を狙うことや、相手DFとの距離など話した。

2本目も主導権を握ったのは、ビブ組であった。興梠選手と李選手がポジションチェンジに関根貴大選手が絡んだり、逆サイドの武藤選手が空けたスペースに宇賀神友弥選手が連動した動き中からDF裏のスペースに飛び込むシーンも見られた。

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しかし、ビブなし組のボランチに入った阿部勇樹選手が素晴らしいポジショニングから零れ球を拾ってミドルシュートを放つと徐々に流れが、ビブなし組に傾いていった。ビブ組が押し込まれ始めると柏木選手が「守備でもうちょうと頑張ろうよ!」と周りに声をかけ、自ら猛ダッシュして激しいプレスを掛けに行ってボールを奪うシーンもあった。

3本目は、2本目の終盤にゲームの流れを取り戻したビブなし組が主導権を握っていった。ビブ組の後ろから繋ぎにボールを高木選手が奪うと素早くシュートを放ったり、伊藤涼太郎選手が豊富な運動量を見せつけ、守から攻の素早い動きからパスを出して走り込みシュートを放つシーンもあった。

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ラストゴールは、ビブ組であった。柏木選手の絶妙なロングフィードを右のバイタルエリアで受けた李忠成選手がDFラインの裏で受けて、シュートフェイントからGKを釣り、ゴール中央に走り込んだ興梠選手へ、これを興梠選手が無人のゴールへと叩き込んだ。

ACL浦項戦から中3日で迎える磐田戦に向けて、「しっかりと守備を固めた相手をどう崩すのか」課題を持った練習に選手たちは、取り組み良い汗をかいていた。

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