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<ハイライト動画付き>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命J1リーグ 1st 第3節 vsアビスパ福岡<遠藤、柏木、興梠、西川、梅崎、武藤、関根、駒井、井原監督、濱田選手(福岡)コメントあり>

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今日のポイント!

「同じ失敗はしない!」ピッチに向かう浦和の選手の真剣な眼差しが物語っていた。浦和のプライドが引き裂かれた磐田戦の敗戦から、槙野智章選手と森脇良太選手を本来のポジションに戻した。リベロの遠藤航選手は「攻撃は縦パス、サイドチェンジを意識した。守備は、リスクマネジメントしながら、モリ君と槙野君と阿部さんとで声を掛け合い4人で上手く守れた」と嬉しそうであった。

しっかりとしたリスクマネジメントと攻守の切り替えの早さで福岡の狙いとするカウンターを封じ込め、攻撃のクオリティーを上げる連動した練習の成果も出た試合だった。井原監督が、試合後の記者会見で「力の差を痛感するゲームになった。個の質、チームとしての成熟度、力が無かった」とように歴然と差が出た試合であった。

また、古巣対決となった濱田水輝選手は「力の差が出た。その中で前半0-0で終えたかったが、失点してしまった。自分がマークについていたのでかなり悔しい。レッズのいつもの形でサイドチェンジからワンタッチクロス。自分は分かっていたが、慎三君が速かった。(シュート)コースが無かったので、遅らせてもゴールに入らないと思ったが、上手かった。J1とJ2のレベルの差だ。ゲームプランは、前半0-0で守らなくてはならなかった。自分のマーク・・・。悔しい。不完全燃焼だ」と浦和の手の内は分かっていても止められない悔しさを話していた。

しっかりと修正を図ったことが、浦和に勝利を呼び込んだと言える。ただ、試合後に武藤雄樹選手や梅崎司選手、李忠成選手が「ゴールが決められずに悔しい」と話していたように、完膚無きまでにゴールを奪い圧倒した勝利を収めたかったのも事実である。

無失点で福岡を破り、ホーム初勝利を飾る<遠藤、柏木、興梠、西川、梅崎、武藤、関根、駒井コメントあり>


春霞が上空を覆い、少し肌寒さを感じる3月12日。前節、磐田に敗戦を喫した浦和は、ホームでの連敗は許されない状況だった。磐田戦の敗戦から修正を図った浦和は、遠藤航選手を3DFの真ん中に置き、左のストッパーに槙野智章選手、右のストッパーに森脇良太選手と通常のポジションに戻した。また、ACLアウェイ広州戦を控えていることもあたり、磐田戦後に別メニューでコンディション調整を行っていた宇賀神友弥選手をベンチ外として、左ワイドを関根貴大選手、右のワイドを今シーズンリーグ戦初スタメンとなる梅崎司選手を起用してきた。

東日本大震災の犠牲者を思い黙祷が捧げられ、福岡のキックオフで試合が始まった。福岡は、想定した通りに5-4-1で守備ブロックを形成しカウンター狙いでやってきた。浦和は、ゲームの入りも良く積極的に攻撃を仕掛けて行った。

井原正巳監督は「守備の時間が多くなることを想定していた。浦和は、前線5人のコンビネーションでゲームに入り、サイドを仕掛けてくるから押さえに行こう」と指示を出していた。

しかし、浦和のワントップとシャドー、両ワイドの選手を含めた5人の動きは、オフザボールの動きを含めてクオリティーの高さを見せつけていった。

柏木陽介選手は「みんな、相手のDFラインの裏を狙っていて、みんな良い動きだしをしてくれてパスコースが沢山あった。俺が、迷った。わざとポジションを重なったりして、縦パスやスルーは良い感覚ではなかったが、俺がボールを受けた時に、簡単に落としたら相手DFがくっついてきてくれてスペースがあった。今日は、みんな良い仕事したね」と笑顔を見せた。

柏木選手がチームメイトの動きを褒めるほど外の崩しも、縦パスを入れて裏を狙う動きも出来ていた。だが、最後にGKイ・ボムヨン選手のセーブや最後のところで身体を張った福岡の守備にゴールを決めきることが出来なった。

ゲームを支配しながら攻め続ける浦和に、待望のゴールが生まれたのは、18分だった。森脇選手からゴールライン際の逆サイドへと展開すると、関根選手が左足にインサイドに上手く合わせてダイレクトでゴール前へと折り返し、興梠慎三選手がニアーに飛び込みゴールへと流し込んだ。

興梠選手は「関根から良いボールが来て、触るだけだった。先に点が獲れて自分たちの流れでいけた」と嬉しそうに話した。アシストした関根選手は「ちょうど深くまでボールが来て、誰かに合わせると言うよりも丁寧に中に折り返すことを考えていた。左にいって(左ワイドのポジション)見える景色も違って不安だったが、楽しかった。中にも行きやすかったし、その分クロスが何本がDFに当たってしまった」と反省しながらも嬉しそうであった。

また、カウンター狙いの福岡を封じ込めるように浦和は攻守の切り替えも速く、前線からプレスを掛けて、攻守に渡りゲームを全て支配して行った。福岡ゴールを脅かす浦和に対して、福岡の決定的なチャンスが訪れたのは、前半終了間際の44分であった。

亀川諒史選手のアーリークロスに合わせたウェリントン選手のヘディングシュートはゴールポスト左に直撃!!跳ね返りを西川周作選手が素早く外へ掻き出して福岡の2次攻撃を凌いだ。

西川選手「決定的なシーンってあれぐらいでしたね。ウェリントンにロングを合わせてくることも分かっていた。DFとボランチでチャレンジ&カバーし、その背後は自分がみる形だった。1歩出遅れることは無かった」と笑顔をみせた。また、試合前の西川コールに対して「前回の敗戦でどういう迎え方をしてくれるのか不安だった。でも、暖かく見守ってくれていて心強いサポーターがいて、落ち着いてプレーが出来た」と磐田戦のミスがらみの失点からすっかり立ち直っていた。

主導権を握るものの前半に浦和が放ったシュートは2本、福岡の放ったシュートは2本であった。前半終了間際のピンチを凌いだ浦和は、1-0で後半を迎えることとなった。

同点に追いつきたい福岡は、対人プレーに強くインターセプト後に攻撃の起点となれるダニルソン選手を投入し、5-3-2とシステムチェンジして来た。ミシャ監督は「最後の崩しの部分で精度を上げていこう。もっと早くボールを動かしていこう。攻守の切り替えを早くすること」と3ポイントを上げて選手をピッチへと送り出した。

後半も立ち上がりから主導権を握ったのは、浦和であった。そして51分、相手のCK崩れから素早くカウンターを狙った浦和は、関根選手から左に流れていた梅崎選手へ、梅崎選手がドリブルで持ち上がり絶妙なタイミングでクロスを入れると、ゴール中央へ走り込んで来た興梠選手が胸トラップから身体を反転させながら左足を振り抜きゴールへと叩き込み2-1とした。

梅崎選手は「カウンターのシーンは、左に流れて1対1の場面で中が見えた。チュン君が潰れて空いたスペースと言うイメージでクロスを入れた。良いイメージでボールが蹴れた」とニヤリと笑ったが「前半に2本、自分もビックチャンスになったかなぁっていうシーンで決めきれなかった」と悔しそうだった。

2ゴール目を決めた興梠選手は「チュンが潰れて、DFが引きつられたスペースに入り込んだ。冷静に流し込めた。相手にちょっと当たって、入って良かった。ハリルホジッチ監督からペナに入って行けと言われていたしね」と日本代表ハリルホジッチ監督の御前試合で2ゴールと結果を出した。だが、興梠選手は浮かれることなく「代表も大事だが、浦和で結果を出すことの方が大事だ」と力強く話していた。

何とか1点でも返したい福岡は、62分に金森健志選手から平井将生選手を投入。浦和は、ACL広州戦を見込んで柏木選手から青木拓矢選手、李忠成選手からズラタン選手と2枚代えをした。

浦和は攻撃の手を緩めることなく、追加点を狙っていった。73分には森脇選手のクロスを関根選手が合わせるもイ・ボムヨン選手がセーブ。さらにそのこぼれ球を武藤選手が押し込むが、オフサイドの判定でノーゴール。

武藤選手は「慎三さんからスルーパスをもらうシーンもあった。最後の精度の足りなかった。ゴールに近い選択をするのは、練習からやっていた。決めてやる気持ちでいても決められず悔しいですね。オフサイドで入らなかったシーンもあったし、ちょっとしたところだ」とゴールが決めれずに悔しがっていた。

そして、84分に武藤選手に代えて駒井善成選手を投入。関根選手は「駒井君が来た時、代えられたと思った。僕じゃなかった。あの時間帯(試合終盤)にもう一回、スピードアップ出来れば良いと思う」と危機感を持ってプレーしていた。

アディショナルタイムには、インターセプトから駒井選手がドリブルでエリア内に切れ込みゴールを狙っていった。駒井選手は「試合の状況によるけど、勝って退いていたらシンプルにプレーするけど、今日みたいな試合は、もう1点獲りに行こうと思った。スパッと抜けたら良かったんだけど、ガチャガチャってなって身体が勝手に動いてボールが獲れた」と短い時間でも積極的にゴールに向かう姿勢を見せた。

最後まで攻守の切り替えを素早く、ゲームを支配し続けた浦和が、福岡を2-0と下し、ホーム通算200勝目となる白星を飾った。

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