浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付き>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ1stステージ第8節vs川崎フロンターレ戦<武藤、宇賀神、興梠、遠藤、李、梅崎コメントあり>(2016/4/25)

今日のポイント!!「気持ちのこもったプレー、冷静な判断力で首位川崎を撃破」

ACLシドニー戦から中3日で長距離移動と連戦の影響で、浦和は厳しい状況下で闘っていた。だが、選手たちは攻守の切り替えも良く素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれていた。

前半は、川崎の4バックに対し両ワイドが高いポジションを取りサイドを有効に使って浦和が主導権を握った。川崎の得意とするカウンターも良い守備で上手く潰すことが出来た。

そして、川崎は前半の反省を生かして浦和のサイド攻撃をケアして3バックへと変えて来た。だが、浦和はそれを逆手に取って、中のスペースを上手く使うことが出来た。

武藤選手は「4-4-2から変えて来て、相手は困っていると思った。逆にワンタッチで僕らが生きると思った」と話した。前線の3選手の距離感も良く、値千金の武藤雄樹選手のゴールは見事なコンビネーションから生まれた。

攻撃だけでなく、浦和は守備の面でも素晴らしかった。良い守備から攻守の切り替えが早く、良い攻撃が生まれたと思う。

宇賀神友弥選手は「ボールホルダーに対して、誰が行くか(プレスを掛ける)パスコースを与えないことを意識していた。守備のところでコンパクトだったから、川崎はパスの出し所が無かったと思う」と話し、興梠慎三選手は「川崎は3バックになって前から嵌めようとしたけど、俺と阿部ちゃんと陽介の3人でボランチ2人を見ようとして、仕事をさせなかった。攻守の切り替えをずっと遣って来たことが上手くいった」と疲れた表情を浮かべながらも嬉しそうであった。

ミシャ監督も試合後の記者会見で「危険なパスを出す選手にボールを渡さない。そして、あまり危険ではない選手がボールを触る回数を増やすのが狙いとしていたところだ。大島と中村がボールを触る回数が多ければ、我々にとっても危険であった。相手をしっかりとコントロールしながらゲームを進められた。失った後に、早くボールを奪い返して攻撃に繋げられたのは、非常に良かった」と目指していることが出来て本当に嬉しそうであった。

川崎がシステム変更をしないといけないような状況に追い込み、それを逆手に取ることが出来た。過酷なコンディションの中で、チーム一丸となって最後の笛が鳴るまで、走り、闘い、気持ちのこもったプレーを魅せた。そして、冷静さを保った判断から攻守のバランスが良かったことが、首位攻防戦を征したのだ。

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首位攻防戦を征し、浦和が首位に立つ!!

等々力陸上競技場を曇り空が包み込んでいた。無敗で首位に立つ川崎を勝ち点1差追う浦和は、川崎に打撃を与えて首位戦線に踏みとどまりたい。曇り空を吹き飛ばすように、浦和のゴール裏は熱く燃えていた。

浦和のキックオフで始まった試合は、開始から浦和の両ワイドの選手が高いポジションを取り、川崎の4バックのDFラインに対してサイドで数的優位を作り挑んで行った。

宇賀神友弥選手は「川崎の試合を観て、ワイドに入って来るシーンが多くなかったので、浦和のワイドが高い位置を取って、中盤の空いたスペースにシャドーが下りたり、ワントップが下りて受けるシーンが多かった」と話したように、浦和はサイドを有効に使い攻め込んで行った。

8分には、宇賀神選手が倒されて獲得したFKを柏木陽介選手がDFとGKの間を狙い鋭いボールを入れると、ニアーで阿部勇樹選手が潰れ興梠慎三選手が飛び込みシュートを放つもタイミングが合わずにゴール上へと逸れてしまった。

逆に川崎は、ボールを奪ってから縦に早い攻撃を見せるも、攻守の切り替えが早い浦和の挟み込む守備でことごとく川崎のカウンターの芽を潰していた。

24分には、エウシーニョ選手のスルーパスに抜け出した小林悠選手が右足を振り抜くが、わずかにゴール左へと逸れて行った。

遠藤航選手は「守備のバランスは、凄く良くカウンターも焦らずに飛び込まず、ずらしたり、相手のシュートを身体に当てることが良く出来た。理想はハーフライン付近で奪えれば良かったが、パスを出すタイミングと技術を川崎は持っているので奪えなかった」と話した。

攻守の切り替えが早い浦和は、相手陣内で囲むようにボールを奪い、武藤雄樹選手から興梠選手へとパスが通ると、興梠選手は相手DF陣の意表を突く強烈なミドルシュートを放って行った。

しかし、左ポストに直撃!跳ね返りを李忠成選手が狙うも決まらず、ビックチャンスを逃してしまった。

興梠選手は「ミドルシュートを撃ったことが無かったから、入ったと思ったら最後にブレて外れた。入っていないけど、撃った瞬間は気持ち良かった」とシュートの感触は良かった。

32分には、中村憲剛選手のスルーパスを受けた大久保嘉人選手がドリブルで駆け上がりシュート、40分には登里亨平選手がボールをキープし左サイドに流れた小林選手へと展開、小林選手のグランダーのクロスに走り込んだ田坂祐介選手がゴール前でシュートを放つも枠を捉えることが出来ずにいた。

お互いにビッグチャンスを生かすことが出来ずに、前半を0-0で折り返した。

浦和が主導権を握りながらも緊迫したゲーム展開で終えた前半の打開策を、先に手を打って来たのは川崎であった。田坂選手に代えて車屋紳太郎選手を投入し、4-4-2の布陣から3-4-3へと変えて来た。川崎は、守備になると両ワイドが下がり5バックを形成してきたのだ。

宇賀神選手は「車屋が入って来て、3枚(3バック)にして来たので、声を掛け合って行こうと話した。でも、後半の立ち上がりにマークが中途半端になってしまった」と話した。しかし、50分に川崎のお株を奪う浦和のカウンター攻撃が川崎ゴールに襲い掛かった。遠藤選手から縦パスを受けた李選手がボールをキープして興梠選手、興梠選手は切り返してキックフェイントで奈良竜樹選手を交わしてシュート!チョン・ソンリョン選手のファインセーブにあってしまった。

そして、獲得した右CKのこぼれ球を拾った森脇選手の放ったミドルシュートが相手DFに当たりコースが変わったところを上手く拾った興梠選手のシュートはクロスバーに直撃!!ことごとくチャンスを生かせなかった興梠選手は「今日は、入らん日だった」と悔しそうだった。

そして54分、均衡を破ったのは浦和であった。森脇良太選手のアーリークロスに対して、興梠選手がDFを釣る動きをし、李選手がヒールで斜め後方へ落とすと武藤選手がダイレクトでインサイドに丁寧に合わせてゴール右隅へと流し込んだ。

アシストした李選手は「慎三に出すか、武藤に出すかだったけど、武藤に落としてみた。トラップしてシュートだと思っていたら、まさか武藤がダイレクトで撃つとは・・・」と驚きを隠せないでいた。

値千金のゴールを決めた武藤選手は「良いボールを落としてくれた。(シュート)コースが見えていて流し込めると思った。トラップしたら、相手に取られていたと思う。居残り練習で、あの角度のシュート練習をしていた。綺麗に流し込める。綺麗なゴールだった」と嬉しそうに振り返った。

また「今日のゲームは、疲労のある中で続けることが大事だった。後半に川崎は、マンツーマンで嵌めて来て、楔から浦和らしい攻撃が出来た。チームの大事な試合で点を獲ることが自分の今年のテーマであった。今日も強い気持ちでゲームに入れたし、それがゴールに届いた。エースストライカーに僕自身がなっていきたい。無敗の川崎を破って気持ち良い。川崎を止めるなら、僕たちしかいないと思っていた。勝ちをもぎ取れたのは良かった」と誇らしく話した。

1点を追う川崎は、64分には車屋選手が左サイドを突破したクロスにファーサイドで大久保選手が折り返し、エウシーニョ選手が飛び込むも西川選手ががっちと押さえた。そして、66分には武藤選手に代えて梅崎司選手を投入。

梅崎選手は「リードしている展開で、守備のバランスを意識した立ち位置を取った。奪ってから簡単に失わないことも意識した。球際に勝って、コンパクトにサッカーが出来ていた」と守備のバランスは非常に良かった。

川崎は、68分に登里選手に代え森谷賢太郎選手を投入し攻撃の活性化を図ってきた。浦和も76分に足が攣りだした宇賀神選手に代えて高木俊幸選手を投入。

「ACLの遠征に行かずに1週間調整をしてきたのに、前日の練習で打撲して足に負担が掛かり攣ってしまった。監督にもごめんなさいと言った」と謝罪していた。

83分には、李選手がヘッドで前方に落として、自らドリブルで持ち込んだカウンターを仕掛け、関根貴大選手がシュートを狙うも決まらなかったが、最後まで集中した守備から追加点を狙っていった。

86分には関根選手に代えて駒井善成選手を投入し、交代枠を使い切りゲームを締めた。そして、5分のアディショナルタイムでもしっかりと集中力を保ち、走り続け1-0でここまで無敗を誇っていた川崎を下した。ミシャ監督体制になって、アウェイの等々力でリーグ戦初勝利を収め、浦和が首位に立った。

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