【河合貴子の試合レビュー】今日のポイント「諦めずにハーフタイムで気持ちを切り替えれた」
We are Diamondsは次勝ってから歌おうと話した
FC東京戦の前日、後方からの攻撃の組み立てを様々な形で行っていた。いつもならば、ボランチの阿部勇樹選手がDFラインに入ってストッパーが高いポジションを取る。そのため、中盤にスペースが生まれて相手に数的優位な形で攻撃を仕掛けられることが多かった。
前日練習では、阿部選手がDFラインに入らずにボランチに当てて落として遠藤航選手や槙野智章選手、森脇良太選手から逆サイドへと展開していた。その成果は、試合でも随所に観ることが出来た。
しかし、主導権を握るもののFC東京の守備を崩し切れず、前半に2点ものビハインドを追ってしまった。ボールの失い方が悪く1失点、警戒していたカウンターからの1失点であった。
3連敗中で、このままズルズルと行きそうな雰囲気の中、ハーフタイムのロッカールームは「良い流れに持って行こうと言っていた。先に2点やられてしまったことは、反省ですが、ポジティブな雰囲気が流れていた。良い雰囲気で後半迎えられた。早い時間に1点返して、前向きな守備が出来た」と西川周作選手は言っていた。
そのポジティブな雰囲気を作り出していたのは、ミシャ監督であった。槙野選手は「失点して下を向いている選手もいた。ロッカールームのあの15分で変わった。もっとチームがバラバラになってもおかしくなかった。ここ数試合、監督もナイーブになっていた。監督が「良いゲームしているぞ」と言ってくれたのが、選手が安心感を得られた。負けてるときに「お前たち良いぞ」と言うのは、もしかしたら監督の変化だったり、俺たちのモチベーションを変えるためのね」と話した。
監督の一言が、選手たちに安心感をもたらし自信溢れるプレーに繋がり、怒濤の攻めを見せた。そして、見事な逆転劇に繋がった。逆転ゴールを決めた李忠成選手のゴールは、決して華麗なゴールでは無かった。気持ちで押し込んだゴールであった。
選手たちは、勝利の歌をサポーターと共に歌わなかった。西川選手は「久しぶりの勝利で歌いたかった。いつも勝った時の楽しみだった。慎三やモリや阿部ちゃんたちが「次、勝ってからにしよう」と言った。1stステージ、次は最後だ。みんなで歌いたい」と1st最終節を勝利の歌声で締めくくる。
興梠慎三選手は「次で半分終わるだけ。僕らが狙っているのは、そこじゃない!僕は、1stは通過点としか思っていない。年間1位を獲らなければ意味が無い」と引き締めて話した。