Report by 河合貴子

過酷な5連戦の蓄積された疲労の色は隠せず

雨上がりの朝は涼しく、薄い雲に覆われて少し肌寒く感じた６月29日。過酷な５連戦の最後をホーム埼玉スタジアムで２連勝して１stステージを締めくくった。だが、すぐに２ndステージが始まる。２日のオフを過ごし、気持ちを切り替えて28日から２ndステージ開幕の福岡戦に向けて準備が始まった。

U-23日本代表のため、遠藤航選手が不在。また、駒井善成選手は足に違和感があり別メニューでランニングとステップワークを軽く行っていた。

３グループに分かれて行われたアップのボールでは、那須大亮選手が「絶対に跳ねて、膝に当たった！！見たよね」と主張すると、槙野智章選手や加賀健一選手たちが「嫌、違う！」と反論。那須選手に同意した西川周作選手に対して「シュウちゃんは、見えてないよ」と槙野選手が異議を唱え、阿部勇樹選手は「俺は、見えなかったけど」と冷静な口調で話すシーンがあった。「膝に当たった感触があるもん！」と絶対に自分の主張を曲げない那須選手であったが、周囲の猛抗議の末に折れた。ボールへの拘りや執着心から揉めたシーンであったが、見ていてどこか微笑ましい感じであった。

さらに、杉浦コーチが鬼になるとボールを回す勢いが増し、杉浦コーチがヘトヘトになるまで回されていた。

アップが終わると、森脇・阿部・柏木・関根・李・武藤・興梠の７選手は別メニューでランニングのみで練習を終えた。１stステージを終えて２日のオフがあったとは言え、蓄積された疲労は回復に至らず、如何に５連戦が過酷であったのかを物語っていた。

ハーフコートでの８対８のミニゲームは、ビブ組はGK西川、DF宇賀神、槙野、加賀、MF那須、高木、梅崎、FWズラタン。ビブなし組はGK大谷・岩舘、DF橋本、永田、イリッチ、平川、MF青木、伊藤、FW石原で行われた。

３タッチの制限が掛かった１本目は、攻守に渡りビブなし組が立ち上がりから主導権を握って、楔のボールを当てて落としの展開を見せていた。

主導権を握られてしまったビブ組は、リズムを取り戻すために前線から激しくプレスを掛けていき、高いポジションで槙野選手がプレスからボールを奪うと、梅崎司選手がゴールを決めた。

更に、高木俊幸選手がドリブルで縦に突破しフェイントから右に持ち出して豪快なシュートを決めた。良い攻撃の組み立ての形を見せるビブなし組であったが、ラストパスやクロスが合わずにシュートまで持ち込めないシーンが続いた。

石原直樹選手がビブ組のDFラインの横パスを奪いシュート！しかし、西川選手の好セーブに阻まれてゴールを決めきることが出来なかった。

両チーム共に球際に厳しく一進一退の攻防を見せる中、スーッと前線に永田充選手が上がると、伊藤涼太郎選手の縦パスを半身して上手くDFを欺くダイレクトシュートが決まった。

徐々に、ヒートアップしていった２本目は、ズラタン選手が切れのある豪快なゴールを決めてコンディションが良いことをアピールしていた。

選手のコンディションを考慮して行われた練習は、約１時間15分で終わった。

１stステージと２ndステージの切れ間がなく、チームの立て直しに時間が割けない状況で今週末には２nd開幕のアウェイ福岡戦が控えている。まずは、闘えるコンディションにするために、選手それぞれの状態にあった練習が行われた。