【7/28 練習レポート】甲府戦に向けて、退いた相手を想定したミニゲームを行う。
退いた相手を想定して、ミニゲームで汗をかく
時折日差しが照りつけるもののどんよりと蒸し暑くなった7月28日。平年よりも10日も遅く関東地方が梅雨明けした。
大宮に引き分けたが、快調な滑り出しをみせた2ndステージ、選手たちは笑顔を見せ楽しそうにアップのボール回しの鳥かごが始まった。だが、アップが終わると雰囲気は一変。次節対戦相手の甲府を想定したミニゲームになると、球際に厳しく攻守の切り替えが早い男のバトルとなった。
ビブ組は、GK西川、DF槙野、那須、森脇、MF関根、阿部、柏木、梅崎、武藤、石原、FW李。5-4-1の守備的システムで仮想甲府となったビブなし組は、GK大谷・岩舘 DF宇賀神、永田、イリッチ、加賀、天野コーチ、MF伊藤、青木、高木、駒井、FWズラタンだった。
1本目、立ち上がり積極的な姿勢を見せたのはビブ組であった。左のワイドのポジションを任せられた関根貴大選手のドリブル突破からクロスを入れてきた。しかし、仮想甲府のセンターバック永田充選手とイリッチ選手の高さと厳しいマークで中に飛び込んで来る選手と上手くタイミングが合わずにいた。
すると、徐々に流れはビブなし組へと変わっていった。5DFを退きながらもボールを奪うとサイドの宇賀神友弥選手の切り替えが素早く、逆サイドの駒井善成選手へと展開したり、ヘッドのトラップの落としどころも良く森脇良太選手の裏を突き、ゴール前へと運んでビブ組みのDFを翻弄して高木俊幸選手へ。しかし、絶妙なタイミングで飛び込んで来た高木選手のシュートは、西川周作選手が阻止。決定機を活かせなかった。
また、高木選手が切れのあるドリブルからシュートを放つも、ゴール前で那須大亮選手が身体を張って阻止、そのこぼれ球に高木選手が詰めて再びシュートを放つもまたも西川選手に止められてしまった。
なかなか攻撃のリズムが生まれないビブ組のパスミスをズラタン選手が見逃さずにインターセプトからドリブルシュート!ビブなし組が貪欲にゴールを狙っていった。
押し込まれる展開となったビブ組であったが、森脇選手からパスを受けた武藤選手が逆の石原直樹選手へ、石原選手のクロスに柏木選手が飛び込むも僅かに合わせることが出来なかった。
2本目は、シャドーの一角を石原選手から、1本目ビブなし組で動きが良かった高木選手へと変わった。また始まる前に、ミシャ監督と槙野智章選手が親密に話し合うシーンが見られた。
2本目は、ビブ組のDFラインが高く保たれ、ビブ組が主導権を握っていった。那須選手から李選手と縦パスが入り、李選手を追い越す動きで高木選手がシュート!
また、ビブ組の激しい前線からの嵌め込むプレスからボールを奪い李選手のシュートが決まった。
好調をアピールし続けている李選手であったが、梅崎司選手のクロスにDFの裏に飛び出した決定機を外してしまった。
主導権を握るビブ組であったが、サイドの攻めぎ合いに苦しみ5DFの固い守備をテンポ良く崩すことに手こずっていた。すると、ミシャ監督がフリーズを掛けて、前線の攻撃の組み立てを修正した。
相手のマークを外す、相手のマークを釣ってスペースを作る、楔の縦パスをゴールを背にして受けるのでなく半身にすることでドリブルやパス、シュートなどの選択肢を増やすことを要求した。
「相手がステイならターン!状況判断だ。ゴールに背を向けたら落とすしか出来ない」「動き直しが大事だ。止まるな!」「如何に早く頭の中で考えるかだ!」と檄が飛んだ。
そして、ワンタッチ、リターンなし(パスを出した選手にパスを戻すことを禁止)と制限が厳しくなると熾烈なバトルとなった。一進一退の攻防が続く中、伊藤涼太郎選手が放った豪快なミドルシュートのこぼれ球を石原選手が冷静に押し込んだ。すると、関根選手のクロスに斜めに走り込んだ高木選手がニアで合わせるも岩舘直選手がファインセーブを見せるも、こぼれ球を高木選手が詰めてゴール!
ラストゴールは、柏木選手からバイタルエリアに走り込んだ高木選手のクロスに阿部勇樹選手が飛び込みゴールへと流し込んだ。
ミニゲームが終わると、練習が始まったころの和やかな笑顔が選手たちから消え、蒸し暑さと真剣勝負の疲労が漂いグッタリとしていた。アウェイの甲府戦まであと2日、堅守の甲府をイメージした内容の濃い練習であった。