浦和フットボール通信

MENU

【選手ミニコラム】心にポッカリと空いた大きな穴~平川忠亮選手

TAK_5836_R

それぞれのコンディションに合わせて居残り練習が始まると、左足関節捻挫で離脱している平川忠亮選手がピッチに姿を見せた。

芝生の感触を確かめるようにゆっくりと歩き、ハーフコートを一回りするとトレーニングルームへと入って行った。そして、しばらくするとまたピッチに姿を見せてウォーキング、再びトレーニングルームへと3回繰り返していた。

ゆっくりとした歩からは、現実をしっかりと受け止めてリハビリに集中していることを感じとることが出来た。

だがその姿を見ている側は、心にポッカリと穴が空いたように切なくなってしまう。

ミニゲームでは、平川選手のポジションである右サイドを天野コーチが務めていた。天野コーチの戦術理解度はやはり優れているが、体力や技術面では現役選手にはかなわない。

ふくらはぎにテーピングまでして、満身創痍の状態で必死に選手たちに食らいついていく天野コーチには本当に頭が下がる。しかし、平川選手が抜けた穴の大きさを感じずには居られなかった。

チーム最年長の平川選手はベテラン選手として「競争と共存」を意識してプレーしてきたのだ。激しいポジション争いの中で、選手として培ってきたサイドの攻防はミニゲームで対峙する宇賀神友弥選手の手本となり若手選手への刺激となっていた。

ミニゲームで左サイドを任せれた関根貴大選手と平川選手が対峙していたら・・・。きっと関根選手は平川選手から対峙しながら多くのことをピッチで学んでいただろう。

平川選手なら、関根選手が嫌がるプレーを魅せつけていただろうと思ってしまう。そして、ニヤリと笑いながら「まだまだ若い奴には負けたくないからね」と言っていただろう。抜けた穴の大きさは、まさにベテラン平川選手の存在の偉大さであった。

平川選手の早い復帰が待たれるところであるが、長期離脱を余儀なくされており無理はさせられない。平川選手にはしっかりとリハビリに専念して万全な状態で戦線復帰してもらいたい。心に空いた穴は、平川選手の勇姿を待っている。

ページ先頭へ