浦和フットボール通信

MENU

<ハイライト動画付き>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第7節 vs湘南ベルマーレ<岡本(湘南)、西川、関根、武藤、槙野コメントあり>

ホーム500試合となった湘南戦を勝利で飾る

日本列島が猛暑に覆われた8月6日。埼玉スタジアムも気温30.6℃、湿度65%と不快指数81.5と最悪な状態であった。浦和にとっては、年間首位の座と2ndステージ優勝に向けて絶対に勝たなければならない試合。湘南にとっては、J1生き残るために勝ち点が是が非でも欲しい試合。対象的な立場の両チームの対戦となった。日が傾き始めると少し風が出て来たが、最悪なコンディションの中で闘いの火蓋が切り落とされた。

湘南のキックオフで始まった試合は、立ち上がり槙野智章選手がいきなり超ロングループシュートを放ち攻撃的な姿勢を見せていった。4連敗中の湘南であったが、両ワイドが下がりながらもDFラインを高く保ちハイプレスを掛けてきた。

古巣との対決に岡本拓矢選手は「初めてのアウェイの埼スタで、興奮して最初は高まる気持ちを抑えるのが大変だった」と話し「前から積極的に行こうと言うのはあったし、外れたとしてもしっかり戻って奪ってそこから出て行く狙いはあった。ミスがらみの失点、自滅だった」と悔しそうに話した。

8分、そのDFラインの背後を突くように西川周作選手が約70mのパントキックでゴール前へと狙っていった。そこに勢いよく走り込んで行った関根貴大選手が、相手GKにヘディングで競り勝ち浦和が先制。浦和での初アシストに西川選手は自陣を飛び出し関根選手の下へと駆け寄っていった。

西川選手は「いつもは芝生が濡れているが、今日は濡らさなかったのでそれを利用しようと思った。GKは、正面のロングボールは距離感が掴み辛くて前に出るのが難しい。ワンバウンドすれば処理は難しくなると思った。時間も早かったし、関根選手が上手く動いてくれていたので、最初のファーストタッチで一端持ち出して時間を作った。本当にイメージ通りだった。いつも狙っていることが出せた。アシスト決めたら、決めた人のところへ行こうと思っていた。関根選手の頑張りで競り勝ってくれた。嬉しかった。蹴った勢いで入るんじゃないかと思って行っていた」と嬉しそうに話した。

先制点を決めた関根選手はプロになって初めてのヘディングゴールだ。「競り合い事態は自分は何気に勝つ自信しかないので、勢いを持っていった。GKだろうが、吹っ飛ばして決めてやろうと思っていた。今シーズン、あのパスを狙っていた。それがやっとゴールに入った。ビルドアップに周作くんが参加しているので、GKまで下げたときに(相手の)最終ラインが完全に自分のマークを気にしない瞬間があるのでそのタイミングで自分は、周作くんと目が合って走り出した。競り合いは嫌じゃないし、小さくても工夫すれば勝てる」と自信を持っていた。

追加点を狙う浦和は、ボールをポゼッションしながら楔のパスからサイドや逆サイドへと展開して主導権を握っていった。

武藤選手は「決めなきゃいけないところで外した。前半のプレーの内容は良くなかった。1点目が入ったことで気持ちが落ち着いた」と話していた決定的なチャンスは、16分に槙野智章選手がDFの裏のスペースへ宇賀神友弥選手を走らせ、宇賀神選手がゴールライン際からダイレクトでクロスを送ると走り込んで来た武藤雄樹選手の選手のヘディングシュートは僅かにゴール左へと逸れていったシーンであった。

また、守備面では早い寄せから湘南に決定的なチャンスを作らせずにいた。そして42分、柏木陽介選手のクロスに飛び込んだ李忠成選手よりも一足早く相手DFが足を伸ばしてクリアー!しかし、運良く走り込んで来た武藤選手の前へとこぼれ、武藤選手が冷静にゴールへと流し込んで2-0とした。

武藤選手は「クリアが自分の足下に転がって来た。ラッキーだった。僕が長い距離を走り込んだから。自分の中では、余裕があって相手のGKの動きも見えていて冷静だった」とゴールシーンを嬉しそうに振り返った。

アシストした柏木選手は「今日、水撒いて居なかったから(芝生が)ねちっこかった。何かボールが収まるんじゃないかという気がしていた。トシ(高木選手)の位置も見えていたから、俺が前を走れば、トシから俺の選択しもあった。最初、武藤が良い走りをしていたが、相手も付いて来ていた。出すのが難しいから、自分が仕掛けながらシュート撃つか誰かの良い上がりがあったら・・・余裕があった。理想は、スリッピーになって行ったら俺だった。止まったから。チャンスだと思ったら、みんな前に行けていた。それが点に繋がった。獲らなきゃいけないときに、前に飛び出す力が良くなってきた」と満足そうであった。

このまま2-0で前半を折り返せると思いきや、44分に三竿雄斗選手が関根選手の裏を突くロングフィードをして、抜け出した菊池大介選手のクロスに大槻周平選手が倒れ込みながらゴールへと押し込み2-1のされてしまった。

嫌な雰囲気で前半を終わる中で槙野選手は「前半を良い形で締めくくれば良いところを失点してしまう中、ロッカールームでは重たい空気が流れた。大宮戦もあった。同じ過ちを繰り返さないように、自然と選手同志で出ていた」と大宮戦の反省を生かしたハーフタイムのロッカールームだった。

そして、後半を迎えると前半の23分に相手との接触から左膝を負傷した関根選手に代えて梅崎司選手を投入。関根選手「打撲です。自分が倒れるときはガチで痛いときなのに、みんな冷たかった。一回、止まって後半動き出すときは絶対に痛いと思ったので、自分から言いました。しっかりケアしてつぎに備えたい」と話した。

後半の立ち上がりから主導権を握って行ったのは浦和であった。「作戦通りだった。相手のマークの癖など踏まえた上で、あの前にも何本か(CKが)ありましたので、那須選手に選手が入れ代わると話した中でのゴールだった。良い入りと良いキックの質で落ち着いて決めることが出来た」と槙野選手の作戦成功!

63分に柏木選手の右CKをクリアーした大槻選手のこぼれをアンドレ・バイヤ選手のマークを振り切りフリーとなった槙野選手がゴールへと叩き込み3-1と湘南を突き放した。

だが、粘り強い湘南も80分に、途中出場したジネイ選手の落としに三竿選手がシュートは那須大亮選手がブロック!そのこぼれ球を同じく途中出場の大竹洋平選手が左足を思いっ切り振り抜くも槙野選手がブロック!と厚みのある湘南の猛攻を身体を張った守備で塞いでいた。

2点リードしている浦和であったが、攻撃の手を緩めることなく82分には、槙野選手の縦パスにDFの裏を狙って飛び出した宇賀神選手のシュートは左ポスト直撃!さらに攻め続ける浦和は、90分にインターセプトした槙野選手がドリブルで持ち上がり柏木選手へスルーパスを出すが、柏木選手の左足シュートはサイドネット。

だが、90+2分に柏木選手のクロスが逆サイドへと流れ、拾った梅崎選手からゴールライン際へと走り込んだ青木選手が中へと折り返し、武藤選手がターンしてゴールへと見事に流し込み、だめ押しの4点目!4-1の大差で湘南を下し、見事にホーム500試合の記念を勝利で飾った。

ページ先頭へ