浦和フットボール通信

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<ハイライト動画付>【河合貴子の試合レビュー】明治安田生命Jリーグ2ndステージ第12節 vsFC東京<那須、西川、李、関根、興梠、駒井コメントあり>

FC東京に逆転勝利で2ndステージ首位浮上

久しぶりに太陽が顔を覗かせた9月17日。日暮れが早く、秋の訪れを感じさせていた。残り6試合、浦和にとっては1戦、1戦が勝負!浦和は、アウェイの味の素スタジアムに乗り込んでFC東京に挑んだ。

槙野智章選手が両足に張りがあるため欠場となり、左のストッパーを宇賀神友弥選手、左ワイドを関根貴大選手、右ワイドを駒井善成選手に任せて挑んだ。

一方、FC東京は田邊草民選手の出場停止により6試合ぶりに橋本拳人選手がボランチで起用された。試合開始前には、ピッチに大量の水が撒かれて蒸し暑さに拍車を掛け、更にFC東京のサポーターの歌声を打ち消すように浦和のサポーターの歌声がスタジアムに響き熱気に包まれていった。

浦和のキックオフで始まった試合は、立ち上がりから攻守の切り替えが早くスピーディーな展開となっていった。

FC東京はハイプレスを掛け、浦和が後方から攻撃の組み立てを図るためにバックパスやDF陣で回すと、一気にDFラインを押し上げて来た。

最初にビックチャンスが訪れたのは、FC東京であった。7分、東慶悟選手からDFの裏を突く浮き球に前田遼一選手がゴールを狙うもバウンドが合わずに空振り。

那須大亮選手は「僕が振られて、抜け出されてしまった。ゲームの流れを決めるポイントだった」と安堵の表情を浮かべ「遼一は、身体が強くあそこで極力起点を作らせない、良い形でヘディングさせないと思った。極力自由にさせないことを意識した。前からFC東京が(プレスに)来る意図は感じていた。浦和が後方からの攻撃の組み立てで3枚回しや4枚回しを遣る中で対策をしてきた。運動量が落ちると思ったから、とにかく我慢だった」と話した。

FC東京のハイプレスに苦戦を強いられ、徐々に流れはFC東京へ。

攻撃のリズムが作れない浦和は、24分に西川周作選手からのロングフィードに抜け出した武藤雄樹選手がシュートを放った零れ球をズラタン選手がゴールを狙うもサイドネット。

前線の選手たちへのクロスも縦パスも合わず、ミシャ監督は「前半はなかなか自分たちの闘いが出来ない前半であった。我々が後ろから組み立てていく、ボールを運んでいく部分が上手く出せていなかった。こう言った重要なゲームの中で、選手たちは慎重にあるいわ緊張して試合に入り途中で引っかかったり、あるいは長いボールを蹴るだけになってしまった」と前半を振り返った。

36分、FC東京のハイプレスによって西川選手からのフィードを狙った中島選手に自陣でボールを奪われショートカウンターゴールを狙われるも、自分のミスを取り返すように西川選手がゴールを許さなかった。

西川選手は「相手のプレッシャーは組織的で素晴らしかった。ただ、自分たちがもう少し顔を出して行ければ・・。あと精度のところで自分を含めて周りを見ることが出来れば、もう少し余裕を持ってプレー出来たと思う」と反省点を口にした。
ハイプレスから浦和の良さを消す狙いをもったFC東京に上手くゲームを支配されるも、浦和は我慢強く闘い前半を0-0で折り返した。

そして迎えた後半、高木選手に代えて李忠成選手を投入。高木選手は「前半、フワフワした感じで試合に絡めて無かった。ゴール前でギリギリ触れなかった。ボールに触れてない焦りから判断が悪かった。悪循環があって交代させられたことは、自分でも認めざるを得ない」と悔しそうに話した。

48分、梶山選手のスルーパスに抜け出した中島選手の足に那須選手の足が掛かってしまいPKの判定。反スポーツ的行為で何故が阿部選手にイエローカード。

那須選手は「中島が裏にスルスルと裏に抜け出した中で、ちょっと前に出られてしまった。自分は、東のケアに行って身体の向きが悪かった。阿部ちゃんも後ろ向き気味で戻って来て、ちょっと上手く抜けられたと言う中で、僕の足に掛かった感じだった。もう少し、中島の方にポジションを取れれば良かった。そこは少し反省です」とファールのシーンを振り返った。このPKを森重選手が、西川選手の右手を掠めて決まってしまった。

西川選手は「何が何だか分からなかったファール。人も間違えているし、PKに集中しようと思った。自分なり我慢した結果、真ん中をやられた。頭を割り切って切り換えた。森重君があそこに蹴ると分かっていた。あそこか、左だった。惜しかった」と話した。

この失点で目覚めた浦和は、FC東京のゴールへと猛攻を仕掛けていった。56分には、柏木選手の狙い澄ましたループシュートはクロスバー直撃!浦和が、ゴールを狙って主導権を握って行く中、58分に河野選手に代えて丸山選手を投入し、3DFへと変更し実質ワイドの選手が下がり5DFとして守備を固めて来た。

浦和も対抗するように、武藤選手に代えて興梠慎三選手を投入。興梠選手は「前半、観ていてセカンドボールが拾えてなかった。シャドウに入った。相手は前半から飛ばしていたから、DFのあいだ、あいだで貰える。そこを狙って行こうと思った」と話した。

守備を固めて来たFC東京に対して、浦和の選手たちには焦りは無かった。71分にも関根選手のクロスに合わせたズラタン選手のヘディングシュートがクロスバーに直撃!

そして77分、関根選手のクロスに今度は李選手が丸山選手と競り合いながら放ったヘディングシュートが見事に決まり同点とした。

同点弾を決めた李選手は「関根が良いクロスを入れてくれた。相手と駆け引きをしながら上手く前に入れた。しっかりと枠に飛ばせばヘッドで行けると思った。男でしょ!気持ち伝わるでしょ!」と眩しいぐらいの笑顔を見せた。

さらに85分、柏木選手のパスからズラタン選手が右に流れてDFの裏へと抜け出し、ゴール前に走り込んだ関根選手へとクロスを入れると、GK秋元選手のクリアが関根選手のマークに付いていた東選手に当たりオウンゴール。

オウンオールを誘った関根選手は「予想外のボールが来すぎて、そんなボール?と思って見たら入っていた」と思わず笑い「ファーに逃げるかニアか迷ったが、あそこは前で勝負だと思った。それが結果、ゴールに繋がって良かった」と話した。

2-1と逆転すると柏木選手に代えて青木拓矢選手を投入。すると、駒井選手と青木選手のコンビネーションで右サイドを崩し、駒井選手のクロスに興梠選手がタイミング良く飛び込みヘディングシュートが決まり3-1と突き放した。

アシストした駒井選手は「正直、疲れました。凄くしんどかった。今日は、攣りかけていたけど粘れた。相手の足が止まっていた。僕たちの距離感が良くて良いパス回しが出来たから相手が絞れなかった。青木君は、守備的なイメージがあるが、結構飛び出して行くプレーが青木君の魅力。それでパスしたら、クロスを上げると思ったらキープに切り替えた。中でサポートしたらフリーで受けられた。あとは、慎三さんの動き出しに合わせられた」と嬉しそうであった。

興梠選手は「コンディションが上がらない中、簡単なゴールだったが、重みのあるゴールだった。駒井が良いボールを上げて、触るだけだった。相手の前に完全に入って流し込むだけだった。100ゴールまで、3点。あと3点は獲れる」と不調からの足がかりとなるゴールであった。

PKで先制を許したものの浦和は攻撃的姿勢を貫き、3-1でFC東京をホームに続きアウェイでも逆転勝利を収めることが出来た。また、大宮が川崎を3-2で撃破し、年間首位に立つ川崎との勝ち点を2差にし、2ndステージ首位に立った。

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