浦和フットボール通信

MENU

河合貴子のレッズ魂ここにあり!「蘇るゴールハンター~興梠慎三選手」

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

kaz_8308

燃え尽き症候群に陥った興梠選手のゴールハンターとしての魂が蘇りだした

「真の日本一」を目指し年間首位と2ndステージ優勝を狙う浦和は、FC東京を3-1で下し2ndステージ単独首位の座に浮上し、年間首位の座に君臨する川崎を勝ち点2ポイント差に追い詰めた。

残り5試合となった段階で、他力であるが勝ち点2ポイントをひっくり返すために、目の前の1戦、1戦を勝利して1ポイントでも川崎の上に行くことが何よりも大事なことである。

対戦カードを見ながら、いろいろと思慮を巡らす。万が一、川崎と勝ち点が並んだ場合は・・・などと老婆心ながら考えてしまう。勝ち点が並んだ場合に優先されるのは、得失点だ。得失点差を考えると、川崎が29得失点で浦和が24得失点だ。5ゴールの差がある。得失点が並んだ場合は総得点となり、川崎が60点に対して浦和は50点である。勝ち点1ポイント、1ゴールが、正念場にどんなに大切か物語っている。

FC東京戦で2-1とリードしている中、その貴重なゴールを決めたのは興梠慎三選手であった。ゴールを決めた興梠選手は、両人差し指を掲げて天を仰いだ。普段の興梠選手なら、共に闘うゴール裏に敬意を表して敬礼をしたり、一目散にゴール裏へと走り寄るのに、FC東京戦のゴール後は違っていた。嬉しそうに笑顔を見せていたが、その表情は安堵に包まれていた。

試合後、興梠選手は「簡単なゴールだったが、自分にとって重みのあるゴールだった」とポツリと話した。

リオデジャネイロオリンピック後、興梠選手はなかなかコンディションが上がって来なった。帰国直後は時差呆けかなぁと安易に思っていたが、練習中に笑顔を見せてはいたが身体が重そうで切れがない。

首位攻防戦となった川崎戦は、帰国直後だったためにベンチスタートとなり、1-1の同点の状況下で後半60分に投入された。

「前で動いてもボールが入って来ないので、チュン(李忠成選手)とポジションを代わった。そしたら、相手が着いて来なかったから攻撃を組み立ててやろうと思った。自分はフレッシュだし、ボールを触ればどうにかなるだろうと思っていた」とワントップからシャドーへとポジションチェンジをして攻撃の組み立てを試みていた。

しかし、結果は1-2と惜敗。興梠選手は「この首位対決。落としちゃいけない悔しい負けだ」と本当に悔しそうに話していたのだ。

だが、アウェイの神戸戦を1-2で敗戦し連敗を喫し、YBCルヴァンカップ第1戦の神戸戦に勝利を収めて神戸遠征から浦和に戻って来た当たりから、興梠選手から覇気が消えたように感じた。

tak_0485_r

練習後に声を掛けても、「疲れてる」と避けるように足早にロッカールームへと向かう。「明日、絶対に話す」と約束しても両手を合わせて「ごめん」と謝る。練習のミニゲームでもゴールを決めているが、興梠選手本来の鋭さが感じられない。

「浦和を絶対に優勝させる!」と誓っていた興梠選手が、まさかリオデジャネイロオリンピックで燃え尽き症候群?!と嫌な予感がした。だが、興梠選手に限ってそんなことがあるはずがないと思いたかった。

興梠選手のコンディションは、一向に上がる気配すらなかった。カップ戦を挟んで再開された鳥栖戦もベンチスタートだった。2-0とチームは勝利を収めたものの、興梠選手のパフォーマンスは、試合の流れに乗れずにシュート0本であった。

試合後、ミシャ監督は「名前は言わないが、交代で入った選手のプレーに関して不満を持っている。そのことは、私だけでなく、選手自身も自分で感じ取れたことだと思う。日々のトレーニングを大事にして、しっかりトレーニングすること。自分の原点に立ち返ってやって欲しい」と名指しはしなかったが、興梠選手のことを言っているのだと思ってしまった。

鳥栖戦後の練習では、ミシャ監督の言葉の通り自分の原点に立ち返ったようにがむしゃらに身体を追い込むように動き回る興梠選手の姿があった。

常に勝利のためにゴール目指す興梠選手は、フットボールに関して実直な男である。

オーバーエイジでリオデジャネイロオリンピックを誠心誠意持てる力を振り絞り闘って来たのだ。その重圧は、興梠選手の心も身体も蝕んでいたのだ。嫌な予感は、的中していた。リオデジャネイロオリンピックで結果が得られなかった徒労感は、計り知れないものであった。

「自分のコンディションが悪いと分かっていても、モヤモヤしていた。疲労感だったり、筋肉が言うことを聞いてくれない感じだった。試合に出て、チームに迷惑を掛けるのもいけない。ミシャ監督に正直、モチベーションも上がらないと答えた。

オリンピックでは、サッカー人生で一番自分を出し切った。正直、燃え尽きた。なったことが無いから分からないけど、燃え尽き症候群。これがそうなのかなぁ?!」と興梠選手が思い口を開き心境を語ったのは、FC東京戦後のことであった。

そして、「時間が必要だった。練習で普段、動かないところも動いた。ゆっくりやるしかないって、そんなことも考えられないぐらい精一杯だけど、今は考えられる」と笑顔を見せた。

燃え尽き症候群で、苦しみながら決めた重みのあるFC東京戦のゴール。「スッキリした。それが、FWだ。点を獲らないと勢い付かない」と笑った。

リオデジャネイロオリンピックから約1ヶ月、燃え尽き症候群に陥った興梠選手であったが、ゆっくり時間を掛けてゴールハンターとしての魂が蘇りだした。

興梠選手自身の100ゴールまであと3ゴールだ!「あと3点は獲れる!」と自信を見せた。どんな試練も乗り越えて蘇るゴールハンター興梠選手は、残り5試合、浦和を栄光へと導くゴールを決めてくれるはずだ。

そして、一目散に浦和を愛し共に闘う仲間の下へと駆け寄って行くだろう。

Q. 2階のリハビリテーション科について教えて下さい。

A. リハビリテーション科には、筋肉トレーニングしながら行うリハビリとレーザーや低周波、超音波など痛みを和らぎ回復促す機械があります。マイクロ波は、患部を温めて痛みを和らげます。骨を早く付けるための低出力パルス超音波があります。また、電気で刺激を与える低周波治療器(EMS)は、血流を促すことで治癒を促進し症状を改善します。筋肉トレーニングとしては、ランニングマシーンやエアロバイク、歩く練習をする平行棒などがあります。

Q. 牽引について教えて下さい。

A. 牽引をすることでヘルニアの患者や座骨神経痛がある人は、牽引をすることで神経の圧迫を和らげて、痛みを軽減させることが出来ます。

img_1265_r

img_1266_r

img_1267_r

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

川久保整形外科

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。http://www.kawakubo-clinic.jp/

パートナーサイト

ページ先頭へ