浦和フットボール通信

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【選手ミニコラム】あれから1年。石原「調子が良いし、戻って来ているという感じがある」」

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(Report by 河合貴子)

昨年の天皇杯・町田戦に復帰してから1年が経つ

昨シーズン、川崎戦で右膝前十字靱帯損傷して長期離脱した石原直樹選手。7ヶ月ぶりに闘いのピッチに戻ってきたのは、11月11日熊谷で開催された天皇杯4回戦となった町田との試合であった。7-1と町田に力差を見せ付ける中、77分に復帰戦の一歩を踏みしめる石原選手の姿があった。

しかし、復帰を果たしものの、本来の石原選手の持ち味である切れのあるプレーは、なかなか取り戻せずにいた。今シーズン、試合からも遠ざかりもがき苦しむ石原選手の姿があった。

復帰戦となった天皇杯から、1年の月日が流れた。天皇杯4回戦となる川崎戦がやって来る。川崎戦を目前にした11月10日、ミニゲームで躍動する石原選手の姿があった。

「踏ん張れたし、瞬間で突けるようになった。観ててくれる人も切れが戻って来たって声を掛けてくれる。調子が良いし、戻って来ているという感じがある」と嬉しそうに話した。

ミニゲームはハーフコートで行われるため、フルコートでの動きのクオリティーの不安はあるが、攻守の切り替えや前からプレス、運動量も問題がなく、チームメイトとの連動性も出て来た。

石原選手は「怪我して、頭と身体が連動していなかった。0.1秒ぐらいのズレがあった。それが、良いリズムでタッチ出来るようになって、すぐに足が出る。微妙なタッチの感覚がイメージ通りだ。昨年の11月の天皇杯で復帰しても、これぐらい時間が掛かると実感した」と話した。

頭で描いたプレーのイメージが、身体を動かして実践するまでのわずかなタイムラグ。石原選手が言った「0.1秒のズレ」。たかが「0.1秒のズレ」でもプロの世界では、シュートコースを切られたり、インターセプトされたりと思い通りのプレーが出来ずに致命傷となるのだ。その「0.1秒のズレ」が石原選手の中で戻って来たのだ。

しかし、石原選手は「試合勘の壁に当たる。難しい」と慎重な構えを見せた。試合に出場しなければ試合勘は戻らない。嫌と言うほど石原選手は分かっている。もし川崎戦で試合出場するチャンスが巡って来たら「何か特別なことをすることはない。チームのために泥臭くやりたい。今は、自分が良かった時のイメージがある。余裕を持ってるし、ボールを探しても1歩が出る。心の余裕がついて来た」と自信溢れる笑顔を見せた。

昨年の復帰を果たした天皇杯4回戦のプレーと格別に違う石原選手がいる。あれから1年、石原選手は天皇杯4回戦出場のピッチを狙う。しかも、怪我した等々力陸上競技場だ。恐れることなく、完全復活した姿を魅せてくれるだろう。

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