浦和フットボール通信

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【レッズ練習レポート】流通経済大学体育局サッカー部と練習試合

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(Report by 河合貴子)

2チームを構成して挑んだ、実質30分ハーフの2試合

爽やかな秋空が広がった11月18日。オフ明け3日目にして、戦術確認やコンディションと試合勘を取り戻すために選手たちにはハードな練習試合が組まれた。対戦相手は、宇賀神友弥選手と武藤雄樹選手の母校である流通経済大学体育局サッカー部(以下・流経)である。

天皇杯の川崎戦で右足首捻挫した大谷幸輝選手は別メニュー。また、昨日の練習で左足首を負傷した関根貴大選手は、無理せず大事をとって練習試合を回避。家庭の事情で一時帰国したズラタン選手は、週明けにチーム合流する予定である。そのため、ユースから練習生として2選手が参加することとなった。

また、日本代表から西川周作選手と槙野智章選手がチームに戻って来て、軽くボールを触りステップワークとランニングでコンディションを整えていた。

30分×4本と試合を浦和は、2チームを構成して挑んだ。実質、30分ハーフ2試合と考えて良いだろう。

1試合目、浦和は、GK岩舘、DF森脇、那須、加賀、MF宇賀神、阿部、青木、駒井、武藤、柏木、FW興梠。流経は、4-3-3のシステムで挑んで来た。

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流経のキックオフで始まった試合は、開始早々から浦和が主導権を握っていった。しかし、4分に意外な形で流経に先制点を決まられてしまった。オーバーラップしてきた左サイドバックの石川選手が、岩舘選手のポジショニングをしっかりと見て、ループ気味に放ったシュートがゴール右上に決まった。

この先制点で自信を付けた流経が、勢いに乗った推進力で前へと攻勢を掛けてきたのだ。押し込まれる形となった浦和であったが、阿部勇樹選手を中心にゆっくりとボールを保持して攻撃のリズムを取り戻していった。

11分には、ペナルティーエリア内で柏木陽介選手が倒されてPKを獲得。この判定に納得がいかない小野原選手が、異議を唱えたためにイエローカードが出された。しかし、カードに対して小野原選手は、不満を露わにしてしまい2枚目のイエローカードで退場。練習試合のため、急遽中谷選手がピッチに入り、試合は11対11のまま行われることになった。そして、このPKを興梠慎三選手が、しっかりとゴールに流し込み1-1の同点。

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浦和のペースでゲームが展開するものの、流経もゴール前で身体を張った粘り強い守備を見せてゴールを死守。浦和は、追加点を奪えずに1-1の同点で前半を折り返した。

後半も立ち上がりから浦和が主導権を握っていった。37分、柏木選手のFKをファーサイドで那須大亮選手が相手DFと競りながらゴール前へと折り返し、興梠選手がゴールへと叩き込み2-1。

更に44分には、楔の縦パスを受けた興梠選手が右バイタルエリアに走り込んだ駒井善成選手へと展開し、駒井選手のクロスをニアで武藤選手がしっかりと合わせて3-1。

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49分にも柏木選手が攻撃の起点となって、駒井選手へと展開して再びパスを受けて逆サイドの宇賀神選手へと幅を使った攻撃を魅せ、宇賀神選手のクロスに合わせた右足ダイレクトシュートが決まった。

押し込まれた流経は、浦和のCKの零れを狙ってカウンターを仕掛けるが、危機察知した武藤選手がいち早く戻り攻撃の芽を摘んだ。このプレーにミシャ監督も「オォ~武藤!」と絶賛していた。

54分には、那須選手のロングパスを受けた宇賀神選手のマイナスのクロスが、ゴール中央の柏木選手にわずかに合わず、逆サイドから走り込んだ駒井選手へと流れ、勢い良く駒井選手が放ったシュートは左ポスト直撃しながらゴールへと吸い込まれ5-1とした。

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最後まで攻撃の手を緩めない浦和は、試合終了間際に那須選手のDFの裏を狙ったロングパスに合わせて駒井選手が抜け出してゴールを狙う構えを見せると、柏木選手が「ダメだって、入らんから!」とボールキープを要求。しかし、駒井選手はシュートを選択。ボールの軌道は・・・。柏木選手の助言通り枠を捉えることが出来なかった。

後半は圧倒的な強さを魅せ付けて、1試合目は5-1で流経に快勝した試合となった。

フィールドのメンバーをフルチェンジして行われた2試合目はGK岩舘、DF永田、イリッチ、加賀、MFユース、伊藤、ユース、平川、高木、石原、FW李で挑んだ。

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前半は、流経の固い守備を切り崩すことが出来ずに苦しい展開となってしまった。しかし、23分に左バイタルエリアに流れた李忠成選手のクロスを石原直樹選手がゴール前で潰れながら高木俊幸選手へと展開し、高木選手がきっちりと決めて1-0で前半を折り返した。

後半は、立ち上がりからDFラインをしっかりと押し上げてコンパクトにして浦和が主導権を握っていった。

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すると、35分に加賀健一選手のアーリークロスをファーサイドで高木選手が合わせて右足シュートが決まり2-0。しかし、フレッシュなメンバーを入れて来た流経は前線からプレスを掛けて来た。

だが浦和は慌てることもなく、技術の高さで前プレスを外して流経を自陣へと押し込んでいった。

押し込まれた流経は、浦和の高いDFラインの裏を突くカウンターを狙い仕掛けて来た。

39分には、このカウンターの罠に嵌まりイリッチ選手が決定機阻止の一発レッドカードで退場。ミシャ監督からは「後ろを4枚にして!10人で行こう」と指示が飛んだが、一端はピッチの外に出たイリッチ選手が呼び戻されて11対11で試合が続行された。

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浦和は主導権を握るが、楔の縦パスが入らずに苦戦。45分にまたも流経のカウンターの脅威にさらされることになってしまった。途中出場の渋谷選手がDFラインの裏に抜け出して岩舘選手と1対1のシーンを作られてしまった。だが、岩舘選手は落ち着いて好セーブを魅せてゴールを死守した。そして岩舘選手は「ライン上げて~!しんどいけど、やりきろう」と仲間を鼓舞していった。

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流経はしっかりとゴール前を固めて攻守の切り替え早く仕掛けてきたが、浦和からゴールを奪うことが出来ず、2-0で浦和が勝利を収めた。

練習試合は、結果が全てではない。狙いとしたことが、練習試合で出来たかが大切なことである。30分ハーフの試合であったが、闘うコンディションを上げるには良い練習試合であった。

1試合目の前半は、狙いとした攻撃の組み立てが噛み合わないシーンが目立った。だが、ハーフタイムにしっかりと修正してピッチの幅を使いサイドから揺さぶりを掛ける攻撃やDFラインからのロングパスからなど多彩な攻撃の組み立てからゴールが生まれた。

2試合目は2-0と勝利を収めた。しかし、ユースの選手が二人出場しているとは言え、もっと流れの中からクオリティーの高いコンビネーションでゴールが生まれても良かったのではないかと思う。本来であればイリッチ選手の退場していた。失点はしなかったが、カウンターからのリスク管理など課題が見えた試合であった。

流経との練習試合をしっかりと有意義なものにするために、今後の練習で生かしていく。

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