女子版赤い同窓会 浦和レッズレディースの黄金期を作ったメンバー創設のフットサルクラブ「さいたまSAICOLO」が7月1日にさいたま市で女子Fリーグを戦う。
日本女子フットサルリーグ2017(女子 Fリーグ)が今年5月から開幕。全国7チームが参加する中、さいたま市をホームタウンとする、「さいたまSAICOLO (サイコロ)」も参加している。
「さいたまSAICOLO」は、元浦和レッズレディース高橋彩子代表が創設者として代表兼キャプテンを務めるフットサルクラブで、元浦和レッズレディースのOGも数多く所属するチームだ。その「さいたまSAICOLO」も参加する、女子 Fリーグのセントラル開催が、7月1日(土)にさいたま市桜区のさいたま市記念総合体育館で開催されることにあわせて、元レッズレディースの高橋、堀田、木原選手、小野監督に意気込みを聞いた。
ボールを蹴っている姿を見せたい
高橋彩子代表兼キャプテン(FP 背番号8)
UF:まず「さいたまSAICOLO」ができた経緯とチームについて教えて頂けますか。
高橋:私が浦和レッズレディースで選手を引退して、私が辞めた次の年にも引退した選手がいたので、身体を動かすためにボールを蹴らない?と彼女らを誘って、2011年にチームを作りました。最初は、レッズレディースにいた選手やサッカーを一緒にやった仲間や、仲間の友達で、埼玉でサッカーをしていた人で集まったエンジョイが目的のチームでした。
UF:今年から女子のFリーグが発足して、SAICOLOも参加をしていますけれどもエンジョイから始まったチームが6年でFリーグに参加するまでのチームになったのは、大きく変化を感じたのではないでしょうか。
高橋:チームを作った時に、女子のFリーグができることは想像はしていなかったですが、最初は県リーグに参加をしていて、そこから関東リーグに昇格するなど、徐々に階段を上がってきたという気持ちですね。普段は普通の仕事をしながら、週1回練習をして、週末に試合をするという生活です。レッズレディースの頃は週6でしたけれども、今は多くても週3回の練習くらいですが、練習がない日の過ごし方も考えるので、フットサルのために過ごしている所はありますね。
UF:エンジョイのチームから競技志向に変わっていく変化というのはどこにあったのでしょうか。
高橋:最初はみんなでボールを蹴れれば良いという気持ちでしたけれども、段々試合に負けると悔しいですし、さらに勝ちたいという気持ちが強くなって、勝つためにどうしたら良いかをみんなで考えながら活動していくことで、最初は監督もいない中でやっていましたが、監督にしっかり指導をしてもらう形になって、徐々に競技志向の形になったと思います。
UF:さいたま・浦和を拠点にしたということに特別な思いはあったのでしょうか。
高橋:さいたま・浦和で何かをしたいという思いがありました。私は大阪出身でしたが、最初に浦和に来た時に、なんでこの街の人はこんなにもサッカーが好きなんだろうと思いました。浦和レイナス時代から浦和レッズレディースになっても選手としてプレーさせていもらいましたが、誰もがレッズを応援する街の雰囲気があって、住み心地もいいですよね。地元の大阪にたまに帰りますが、浦和に帰ってきた時のほうがほっとするようになりました(笑)。この街には、サッカーがあって当たり前の空気があります。
UF:7月1日にセントラル開催で、初めて全国リーグの大会がさいたまで開催されるということで、レッズサポーターに向けて思いを語って頂ければと思います。
高橋:サポーターの皆さんに現役の時と変わってないねと言われるのが一番の目標ですが、現役を辞めてから7年、8年も経っているのでそれなりに動けないかもしれないですが、まだ頑張っているという姿をみせたいですね。先日、うなぎ祭に参加をした時に、サポーターでしたという声をかけて頂いたりしたので、サッカーを引退しても、まだボールを蹴っているという所をみせたいです。
UF:浦和レッズレディースが初めて優勝した時のメンバーは、サポーターにとっても特別な存在だという話もよく聞きます。そのメンバーの同行は今でも気になるサポーターが多いと思います。さいたま開催の試合の相手もライバルチームで、レッズレディースで共にプレーをした若林エリ選手がいる、アルコイリス神戸との対戦になります。
高橋:対戦相手はあまり意識をしていないのですが、自分達ができることをして、来てくれた人が来てよかった。フットサルを初めて見る人もいるかもしれないので、またフットサルを見たいと思ってもらえるような試合がしたいですね。さいたま市記念総合体育館は、2000人くらいのキャパがありますので、私もどのくらいの方が応援に来てくれるのか楽しみにしていますので、皆さんで楽しみましょう!
運動量豊富に攻守に絡む姿を見てもらいたい
堀田えり選手(FP 背番号10 日本代表)
UF:SAICOLOに入った経緯から教えていただけますか。
堀田:浦和レッズレディースを引退してから、特に何もしていなかったのですが、ボールが蹴りたいと思った時に、高橋さんがみんなでやりたいとチームを作った中で、立ち上げから参加をさせていただきました。最初は楽しむがモットーで始めたのですが、負けると負けず嫌いが発揮されて、もっと勝ちたい。勝たないと楽しくないということで、どんどん強くなっていて、今に至るという感じです(笑)。
UF:堀田さんは、現在フットサルの日本代表選手としても活躍していますが、フットサルの経験は元々あったのでしょうか。
堀田: フットサルの経験はなかったです。SAICOLOでもミニサッカーの感覚で始めました。フットサル特有の動きや足の裏で止めることも慣れなかったです。選抜チームに呼ばれ、監督がいる環境で練習をした時に、例えばパラという動きがあるのですが、全然できなかったですし、知らない事が多かったですね。楽しくやる、勝つためにどうしたら良いかとやってきて私自身、代表でプレーするイメージまではなかったです。代表でもまずは自分ができることをやろうという気持ちでやっています。リーダーシップを持ってやることであったり、局面局面の闘いなどでは負けないようにやっています。
UF:代表で活動することで、自身のチームであるSAICOLOに戻ってきた時に落とし込みたいと思ったことはありますか。
堀田:代表に参加して一番感じる違いは、攻守の切り替えの早さですね。世界の選手は大きさも違いますし、リーチの違いもあるので、そこの違いも感じて帰ってきました。
UF:堀田選手のこんなプレーを見てもらいたいという部分はどこでしょうか。
堀田:個人的にはもっとレベルを上げて、点に絡みたいと思います。ゴールに近い位置でプレーすることによって相手にとって嫌な存在になると思いますし、結果としてゴール数を上げていければいいと思います。
そして失点をしなければ負けることはないので、まずは守備からというチームのテーマも強くもってやっていきたいですね。また、運動量を多く、攻守に渡って絡むプレーを観てもらえればと思います。
UF:7月1日には、さいたま市で女子Fリーグの試合が行われます。
堀田:さいたま市内で開催されることは、なかなかないので楽しみです。まだ女子フットサルの認知度が高くないので、私たちのことを知ってもらうためにも実際に試合を見て、私達の良さやフットサルの良さを知って頂ければと思うので、まずは会場に来て頂ければと思います。そういう意味においても、さいたまでの開催が、SAICOLOの新たなスタートになると思っています。
サッカーとフットサルでは攻守の切り替えのスピードが違う
木原梢選手(FP 背番号6)
UF:SAICOLOに所属することになった経緯から教えて頂けますか。
木原:私がレッズレディースを辞める一年前に高橋さんが引退をされて、まだ彼女と一緒にやりたかったという思いがあったので、引退をした時に一緒にボールが蹴りたいと思って、SAICOLOに参加するようになりました。
UF:木原さんといえば、昨年までオルカ鴨川の選手としても活躍されましたが、女子サッカーとフットサルを上のレベルで掛け持ちしている選手は珍しいのではないかと思います。
木原:2014年と2015年は、SAICOLOとオルカ鴨川を掛け持ちでプレーしていましたが、去年はオルカ鴨川のチャレンジリーグに集中させて頂くために、SAICOLOは休部にさせて頂きました。昨季でサッカーはやりきって終えることができたので、また今季からSAICOLOに戻らせて頂いて、今はSAICOLOの活動をメインにして、空いた時間にオルカの下のカテゴリーを手伝うという形にさせて頂いています。一年間、フットサルの活動を休んでいたので、サッカーの方にプレーが慣れているので難しさを感じています。サッカーとフットサルでは競技的に動きが全く違うので、慣れない部分もあるのですが、今は、一生懸命フットサルの動きを一から学ぶつもりで一生懸命やっています。
UF:木原さんだから分かるサッカーとフットサルの違い、難しさはなんだと思いますか。
木原:フットサルの方がコートが狭い分、チャンスからピンチになるスピードが早いので、どこからでもピンチになり、チャンスでもあるのが大きな違いですね。だから考えて動くスピードが少しでも遅れるといけません。サッカーとは違う切り替えの早さが求められるのが一番の違いだと思います。
UF:木原さんにとって、浦和でボールを蹴るということは、特別な思いがあるのでしょうか。
木原:浦和レッズレディースに所属させて頂いた時は、圧倒されていたというか、自分達が好きでやっていることをこんなにサポートしてもらえるということが当たり前に思えなくて、周りにサポートしてくれる人のほうがサッカーを生活の一部にしていて、見たりするのが当たり前になっていて、こちらは自分の好きなサッカーをしてそれで応援してもらえて、色々とサポートしてもらえるという有り難い状況でした。こんな街は素敵だなと思っていました。サッカーをやる環境としては最高だと思います。
UF:「スマイル女子サッカースクール」では、地元の子どもたちの指導にもあたっていますが、木原さんが、教えることにおいてのモットーはあるのでしょうか。
木原:火曜と金曜に子供と大人のサッカースクール。金曜日はママさんフットサルもやっています。自分達が一番言っているのは、もちろんサッカーを楽しんで欲しいのですが、ただ楽しむだけではなくて上達の先に嬉しさを求めて欲しいと思っています。真剣にやって一つのことに努力することで得られる充実感を自分達もサッカーを通じて感じてきたので、一生懸命やることで目標を達成して、楽しいと思ってもらえるようにしていければと思っています。
UF:7月1日はSAICOLOにとって、さいたまで初の女子Fリーグの試合になります。
木原:その日はレッズレディースもアウェイの試合があると思うのですが、アウェイに行けない方は、ぜひ応援に来て欲しいです。私達もさいたま市記念総合体育館で試合をするのは初めてなので、すごく楽しみにしています。ずっとお世話になっているスクールの子などもたくさん見に来てくれると聞いているので、下手な試合はできないという緊張感と楽しみがあります。
UF:元浦和レッズレディースの若林エリ選手の所属するアルコイリス神戸についての印象は?
木原:アルコイリス神戸とは私自身は1試合くらいしか対戦したことがないのですが、その試合ではゴールを決めているので良いイメージはあります(笑)。皆が突破できて、ミドルシュートが打てるという個が強いという印象があるので、この勝負では絶対に負けたくない。特に若林選手には!(笑)
7月1日は、女子フットサルの面白さを表現できる試合になる
ゼネラルマネージャー兼監督
小野直樹監督
UF:今年から関東リーグと並行して女子Fリーグが行われるということで、小野監督にとって、今もっている大きな目標は何でしょうか。
小野:目標としては、女子Fリーグができて、そこに参入することが出来たので、リーグ日本一になりたいということが第一です。そして全国の舞台に立たせて頂くクラブになったので、その経験をさいたまの子どもたちに伝えていければと思います。さいたま市では女子中学生のサッカーの受け皿が非常に少ないと聞いていますので、フットサルという形で、そこに貢献できないかということも考えています。
UF:小野さんは、SAICOLOの前はShoot anilla(関東女子フットサルリーグ所属)の監督を務められるなどしていましたが、神奈川から埼玉に活動拠点を移されて、どのように違いを感じていますか。
小野:SAICOLOが女子Fリーグに入るにあたって、さいたま市の支援をホームタウンとして受けないといけないということで、さいたま市にご挨拶にお伺いした時に、すごく前向きに話をしてくださって、市の職員の方から、「サッカーの街ですから」という言葉を聞くことができて、改めてすごいなと思いました。我々女子フットサルのチームが全国リーグに出たいので支援して下さいというお願いに対して、「支援する他ないですよ」と言って頂いたのは、心強かったですし、この街は、サッカーの街なんだということを身に染みて感じた場面でした。
UF:神奈川は各カテゴリーにもサッカーチームが多いイメージあります。その比べると埼玉はサッカーチーム数でいうと、そこまで多くはない印象を受けます。
小野:確かに神奈川にはJクラブも他のチームもたくさんあるのですが、それ以前に色々なスポーツがあって、さいたま市に対しては横浜市でいうと、横浜市はプロ野球もあって、サッカークラブも多くあり、他のスポーツもさまざまあるので、サッカーだけにクローズアップするわけにはいかないという空気があります。さいたま市も色々なスポーツがあると思いますが、市の施策の中で、サッカーでのまちづくりというものがあったり、スポーツに関してはサッカーを中心にやっているんだなと感じました。
UF:SAICOLOの監督になる経緯について教えて頂けますでしょうか。
小野:SAICOLOの前は「Shoot anilla」で監督を務めさせて頂いて、そこでは関東リーグに入って、全国選手権も3位までいったのですが、そのシーズンに契約が終わって、すぐにSAICOLOから連絡が来て、高橋代表と話をすることになりました。「Shoot anilla」の監督としてサイコロは強敵でしたので、あのようなチームの監督をやったら面白いだろうなという想いがありました。その時はSAICOLOの監督になるとは夢にも思っていませんでしたが、その気持ちがあったのと、自分が女子フットサルの中で、やってみたいと思う戦術は選手達の技術がないと出来ない。さらに競技者としてのメンタルがあったので、勝負に徹することもできる。そして最後の大きな理由はSAICOLOは、関東リーグで優勝してもおかしくないのに、したことがなかった。全日本選手権に何回も出てそうなのに、1回も出たことがなかったということで、自分が監督になることでそれを成し遂げたいという想いがあって引き受けることになりました。
UF:結果で言うところの目標は何になりますでしょうか。
小野:関東リーグは、浦安の4連覇が最高成績ですので、それに近づくために、まずは2連覇している関東リーグの優勝、3連覇ですね。昔は2、3チームで争っていたのが、4、5チームで優勝を争うリーグになったので難しい目標だと思いますが、ぜひ成し遂げたい。女子Fリーグでいえば、昨年のプレ大会では最終節で、あと1点で日本一が取れたところで、届かなかったということで、日本一を取りたいという想いと、7月1日のさいたま大会は、対戦相手がチャンピオンのアルコイリス神戸ですから、観に来た人が女子フットサルって面白いねと思ってもらえる試合ができる相手ですので、その上でSAICOLOが勝ったらすごい盛り上がって、またサイコロの試合をみたいと思ってもらえると思っていますので、素晴らしい試合がしたいと思っています。
UF:レッズサポーターも多く見ていると思いますが、そのサポーターに向けてメッセージをお願いします。
小野:SAICOLOは、創設したメンバーや今の主力は浦和レッズレディースの黄金期を作った選手たちです。彼女らがフットサルという新しいフィールドで活躍をしているので、レッズの血を少しかもしれませんが分けてもらっているチームだと思っています。フットサルの魅力である攻守切り替えやアグレッシブさ、細かい戦術的な所を見てもらえるチームだと思いますので、日本一のサポーターであるレッズサポーターの皆さんにも、ぜひSAICOLOも注目してもらえたらと思いますし、見に来てもらえれば期待を裏切らないプレーをお見せできるのではないかと思っています。
UF:ありがとうございました。今季の活躍。そして7月1日が素晴らしい試合になることを期待しています。
女子Fリーグさいたま市記念総合体育館総合受付にて前売り券を販売!
日本女子フットサルリーグ
2017.07.01(土)15:30
さいたま市記念総合体育館
さいたまSAICOLO vs アルコイリス神戸
料金(前売りチケット)
小人 500円
大人 800円
※当日券大人1,000円
さいたまSAICOLO
https://www.saicolo.com/