浦和フットボール通信

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頼もしい仲間がピッチに帰って来た!梅崎司!完全復活だ!【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

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清水戦で1年ぶりの公式戦復帰

勝利の歌声と共に、清水の夜空に「アレアレ~梅崎~アレアレ司 ララララ~」と左膝前十字靱帯損傷から見事に復帰を果たした梅崎司選手を讃えるチャントが響き渡った。

「嬉しかったですね」とこぼれんばかりの笑顔をみせた梅崎選手は「ようやく、戻ってきたな~」と浦和を愛する人々のチャントを耳にして感無量であった。

「1年ぶりなんでね、怪我してから。ゴールやアシストはしていないけど、コールやチャントをしてもらえると言うことは、自分にとって特別なことだと感じだ。ここから、この瞬間をもっともっと作っていきたい」とピッチで輝きを放ち、浦和を勝利へと導くプレーを誓っていた。

梅崎選手が左膝前十字靱帯損傷したYBCルヴァンカップの神戸戦から約1年の月日が流れていた。怪我が治って合流したと思ったら腰痛で離脱してしまい、やっと清水戦で今シーズン初スタメンで出場し、しかもフル出場を果たしたのだ。

試合前日に梅崎選手は「チームに変化をもたらしたい」と意気込んでいたように、ピッチの中ではカットインからゴールを狙ったり、相手DFと駆け引きをして重心低く緩急を付けてペナルティーエリアへと侵入したり、逆転ゴールへと繋がる攻撃の起点となるアーリークロスをピンポイントで興梠慎三選手へと合わせたり、バリエーション豊富なプレーで浦和の攻撃に変化をもたらせていた。それは、まさに『梅崎司!完全復活!!』と言えるものであった。

梅崎選手は「ここから昇っていくための、大事な1試合だった」と清水戦を振り返った。そして「凄く準備を整えた。フィジカル的にメンタル的にも良いバランスで臨めた。ただ、チームの流れに乗って上手いこと(試合に)入っていくと言うだけにはしたくなかった。普通の感じで終わらせたくなかった。

かと言って力み過ぎたわけではないし、そういう意味では凄く良いバランスで入れたり、思ったよりやれた。その瞬間、瞬間で相手を見て、味方を見てバランスを崩さず、点差の状況を見てそれに合った選択がオートマチックに自分の中でできた。

ただ、簡単にプレーしなくてバランスを見て、前に意識を持ちながら時間を作るところは時間を作って、行くところは行って、自分が行くなり周りを使いながらって全体通して良く見えていた」と話した。

また、77分に鎌田選手にファールに対して一触即発になりかけたシーンを笑顔でと振り返り「ま、冷静ですけどね。何か、若造に舐められたくない。いくとこ見せてとこって、俺だけやられたのでは嫌なんで。舐められちゃいけない」とニヤリ。「でも、試合中に謝ってきた。良い奴だった」と話していた。百戦錬磨で修羅場をくぐり抜けてきた梅崎選手ならではのメンタル的駆け引きであった。

ただ、7月12日に開催された天皇杯熊本戦以来のフル出場となり、ドルトムント戦やリーグのC大阪戦で試合終了間際に途中出場した後は、シャペコエンセ戦を含めた5試合はサブのメンバー入りもできない悶々とした状態が続いていたのだ。

長期離脱した選手が復帰すると、試合勘や頭の中のイメージとプレーが伴わないことが多々ある。「それは、ずっとあった。でもこの間の(清水戦)試合はなかった。復帰してからの過程の中で、やっぱり相当現実とのギャップは凄いあった。プレーしていることと身体が上手く付いて来ない。最初の天皇杯もそうだし、練習の中でもなかなか上手くいかなかった。

でも、自分の中で受け入れて、今の自分の状態の中でできることを最大限に活かしてことだったり、イメージして選択することでコンディションが上がってきた。逆に、そのプラスがあったから、自分の中で引き出しが出てきた」と笑った。

頭とプレーが伴わないギャップを受け入れたからこそ、バリエーション豊富なプレーが生まれ、清水戦で魅せた完全復活に繋がったのだ。

ただ心配なのは、堀監督体制になって初めて起用された清水戦がフル出場になったことだ。少しずつステップを踏むように、出場時間を延ばしていき身体と頭を慣れさすことが一番良いと思われる。それ故に、リバウンドが気になるところだ。

だが、梅崎選手は「もちろん疲れは出ているが、自分が良くなっていく過程だと思う」と笑顔をみせたのだ。

清水戦のプレーによって心身共に充実感溢れる梅崎選手にとっては、それは心地良い疲労感だったに違いない。「良いリハビリを含めてやれていたし、戻ってきてからもだいぶ時間が経つのでリカバリー能力とか備わってきていると思う。自分のことは、分かっている。その中で最大限のプレーをする」と話した。

中2日で迎えるYBCルヴァンカップ準々決勝・第1戦のC大阪に対しても「もちろん!!」と出場に意欲を見せて声を弾ませたのだ。そして「締まって入りスタートすることが大事だ。90分間、大崩れしないことが大事。2戦目のホームに備えて、頭に入れながらプレーしたい」と話した。

復帰したばかりで、しかもフル出場を果たし中2日で挑むYBCルヴァンカップ準々決勝・第1戦のC大阪戦に梅崎選手が出場するかは微妙なところだ。だが、梅崎選手本人の意欲を見ると、本当に頼もしい仲間がピッチに帰ってきてくれたと嬉しくなった。

YBCルヴァンカップももちろんであるが、リーグ戦残り10試合、ACL、天皇杯と梅崎選手がピッチでバリエーション豊富なプレーでスタジアムを湧かせてくれるはずだ。

Q. 肉離れが完治しているか、確認方法を教えてください。

A. 一般的には、1つ目はストレッチをして痛みがないかを診ます。2つ目は、関節の可動性です。可動域を診ます。3つ目は、左右の筋力を測ります。全体的に8割戻っていれば、スポーツに復帰できます。腿前を手で力を加えた時に痛みがあるか、踵とお尻がくっ付けることができるか、ふくらはぎの場合は左右のつま先立ちの高さが同じかなどいろいろな動作で確認します。もちろん、筋力を測定する器械もあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科がリニューアル開院しました。平成28年5月6日(金)より新クリニックにて診療を開始しています。MRIなど最新施設を備えて、より良い環境の下での医療とサービスをご提供していきます。http://www.kawakubo-clinic.jp/

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