浦和フットボール通信

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”野人”岡野雅行さんが浦和で自伝発売を記念したサイン会を開催 「レッズサポーターの厳しい応援のおかげ」と浦和への思いも語る。


『サッカーをあきらめない サッカー部のない高校から日本代表へ――岡野雅行』を5月31日に出版させた浦和レッズでも活躍した”野人”岡野雅行さん(現・ガイナーレ鳥取代表取締役GM)が出版を記念して、浦和の須原屋書店本店でサイン会を開催した。

無名だったプレイヤーの岡野さんが日本代表にまで上り詰めた人生を振り返って子どもたちに伝えたい思いを今回の本にしたためた。

「こんな僕みたいな無名な選手がよく日本代表まで行ったなと思っています。浦和レッズでプレーさせてもらったことも奇跡でした。通った高校にサッカー部がなくて、一からサッカー部を作ってプレーをした経験もしましたし、大学でも試合ではなかなか出してもらえませんでしたが、サッカーを続けていたら、どこかで誰かが手を差し伸べてくれたという人生でした。

今は、便利になってたくさんの選択肢がある中で子供達もいっぱいやることがあって迷うと思うんですけれども、本当に好きなことであったら大変なことがあっても絶対にやり続けると、必ず誰かが手を差し伸べてくれたり、チャンスをもらったりするので、やりたいことをずっとやり続けて欲しいなということをこの本で少しでも感じてもらえれば嬉しいと思います。野人も46歳になりますけど、色々なことを諦めていないので、一緒に頑張りましょう」。

ワールドカップ本大会を直前に控える中で、今の代表チームに期待することは。

「自分の頃はワールドカップに出場しないと日本サッカー界がダメになるんじゃないかということがあって、そのプレッシャーはすごかったですが、今はワールドカップの本大会に出るのは当たり前の時代になって、本大会で予選突破しなければいけないというプレッシャーになってきていると思います。

その中で、海外に出て行っている選手も多い中で日本代表に入ったら日本代表の選手として、必死になってプレーをして欲しいですね。日本代表に選ばれるのは難しいことですし、ましてワールドカップのメンバーに入るのは本当にひと握りの選手しかいないので、選ばれた選手は日本代表の選手としてピッチに立った責任をもって、戦ってくれれば良いと思います。

もちろん勝ち負けもありますけれども、責任を持って戦うという姿勢が一番見ている人に伝わる部分だと思います。それを見て、俺も絶対日本代表になってやろうと思うようなプレーをしてくれれば良いと思います」。

今回のワールドカップメンバーで期待する選手について。

「贔屓目ではないですけれども、レッズで一緒にプレーをした原口元気選手とかは「仕掛ける」「勝負する」というところでは世界を相手にしても向かっていくんだぞというところを見せてくれる選手だと思います。私は仕掛ける選手とか、えぐっていく選手が好きなので、そういう選手に勇気を与えるプレーを見せて欲しい。一対一の場面では大きい相手でも仕掛けて行くとか、バックパスをするのではなくて仕掛けていくということを子供たちも見て日本人でもこんなに出来るんだと思わせることができれば皆さんに勇気が与えられるのかなと思います。

久しぶりに返ってきた浦和について。応援してくれたレッズサポーターについて。

「自分は小学校の頃からサッカーをやってきて本当に無名でした。応援に来ると言ったら両親だけで、いつも両親の声だけがグラウンドで聞こえてきたのに、浦和の選手になったら初めてサテライトリーグの時に、僕の応援歌を歌ってくれる人がいたんですね。その時にこれは走るしかないなと思ったんですね。そこから育ててもらって、サポーターは、怒ってくれたし、一緒に喜んでくれたし、泣いてもくれた。

無名な選手がこんなに応援されるんだという経験をさせてもらって、代表まで選ばれる選手になったのは浦和に来たおかげだと思っていますし、今あるのも浦和のおかげです。鳥取の仕事をしてるのも、浦和で経験したから責任もって何でもやらなければいけないなと思っていて、鳥取はカテゴリが下だからというのは関係なくて、自分のやるべきことは絶対にやらなければいけないなと。それは浦和で皆さんの厳しい応援などがあったからだと思っています。そのぐらい皆さん真剣に応援していますし、だからこそ自分も真剣にやらなければいけないなと思っています」。

(C)Masayuki Okano 2018 (C)Ryuta Fuse 2018 (C)Jリーグ

【書名】 サッカーをあきらめない サッカー部のない高校 から日本代表へ――岡野雅行
【著】 岡野雅行 【絵】 布施龍太
【定価】 本体980円+税 【仕様】 四六判・152ページ
【ISBN】 978-4-04-893810-5
【書店発売日】 2018年5月31日(木)
【発行】 株式会社KADOKAWA
<内容>
小学校時代から、サッカー部のない高校、そして大学にいたるまで苦労の多いサッカー生活を歩んできた岡野雅行は、その「サッカーをあきらめない」精神で、逆境をひっくり返してきた。プロリーグであるJリーグの浦和レッドダイヤモンズに入団、そして日本代表へとかけあがる。日本代表でまっていたのは、この試合でワールドカップ出場が決まるという、極度の緊張感がある試合の、しかも延長戦からの交代出場だった――。

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