浦和フットボール通信

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イニエスタ効果による5万超えの埼スタに想う【河合貴子のレッズ魂ここにあり!】

J開幕から浦和レッズを追いかけている”タカねえ”こと河合貴子さんによる浦和レッズコラム。毎週、タカねえの独自視点の浦和レッズを語ります。

うれしくもあり、情けない思いもあるイニエスタ効果

何年か前まで、見慣れていた光景が広がっていた。バックスタンドのアッパーの最上段まで埋め尽くされた人々を見つめながら、うれしい気持ちと何ともいえない複雑な気持ちになってしまった。浦和を勝たせるために、浦和を愛する人々が5万人のサポーターが集結してくれたのであればうれしい限りであったが・・・。

9月23日に埼玉スタジアムで開催された神戸戦に、訪れた人々は55,689人。チケットは、数日も前から完売状態であった。リーグ戦での5万人超えは、2017年の5月4日の鹿島戦以来であった。今シーズンの浦和の観客動員数を考えると、神戸のイニエスタ選手効果であることは否定できない。

浦和でも神戸でもないバルセロナやスペイン代表のユニフォームを着て、イニエスタ選手を目当てにスタジアムに足を運んだファンも多かった。もちろん、数々の栄光を手にしたイニエスタ選手が、浦和を相手にどのようなプレーをするのか興味があった人もいただろうし、純粋にイニエスタ選手のプレーを生で見たかった人もいただろう。

しかし、残念ながらイニエスタ選手は、前節のG大阪戦での負傷の影響で欠場であった。

イニエスタ選手が出場しようが、欠場しようが、浦和のやるべきことは変わらない。勝利あるのみであった。ただ試合前に願っていたのは、イニエスタ効果でスタジアムに久しぶりに訪れた昔の浦和を愛する人やイニエスタ選手お目当てで来た人たちが、もう一度スタジアムに足を運びたくなるように、浦和を愛する人々が選手たちと共に闘う浦和の熱いスタジアムの雰囲気をみんなで作りあげて、浦和が勝利することであった。

浦和は神戸に対してすべてにおいてに圧勝して4-0と快勝した。欲をいえば、イニエスタ選手が出場しての快勝であったら喜びもひとしおだったはずだ。

興梠慎三選手は「たぶん、皆さんはイニエスタを見に来たと思う。個人的にもイニエスタが出られなくて非常に残念だった。それは、僕だけじゃなくサポーターの皆さんも残念だったと思う。そういう中でも、少なくとも良い思いで帰って欲しいと思っていたので、4点も入って少しは楽しめてもらったのかな・・・」と話した。

前半終了間際の柏木陽介選手と興梠選手のホットラインから生まれたゴールは、お金を払ってでも見るべき価値のあるものだと思う。やはり、そこには埼玉スタジアムにチケットを買って、時間を費やして来てくれた人々を後悔させたくないし、サッカーを楽しんでもらいたい興梠選手の思いが詰まっていたように感じた。

槙野智章選手は「イニエスタ選手がいる神戸と、本当にやりたかった。一緒にプレーをしたかったのは事実だ。何よりも5万5千人のファン・サポーターの方々が来てくれたけど、イニエスタ選手やポドルスキ選手を主役にさせるのではなく、浦和の選手が主役になる思いがあった。今日は、浦和の日になって良かった」とホッと胸をなで下ろし「僕たちに対しての声援が、いつも以上のものを引き出してくれる力になる。今日も実際に、今年一番のプレーと結果を出せたと思う。間違いなく、自分たちだけじゃなくて結果と内容はサポーターの皆さんの力があったからだ。ポドルスキ選手とイニエスタ選手のおかげでこれだけの観客が集まったと思う。もっと、毎試合このぐらい集まれるような質と結果を出し続けないといけない」と身を引き締めた。

そして、世界に名をとどろかす大物外国人選手がチームに与える影響を「神戸の選手たちに聞いたが、自分たちがうまくなっている。レベルの高い選手たちとやることによって、プレーの幅や成長がかなり変わる。僕自身もそれは、感じとれた。Jリーグ全体が、サッカー界を盛り上げるために、1から学ぶべきものがたくさんあると思う」と話したのだ。

確かに、槙野選手がいうことにも一理ある。かつてのギド・ブッフバルト氏やベギリスタイン氏たちがそうであったように、世界で百戦錬磨を経験してきた大物外国人選手から得られるものは、プレーの質だけでなくたくさんあるのだ。

ある意味で、ポドルスキ選手とイニエスタ選手を抱えている神戸は羨ましいところはある。だが、大物外国人選手がいるからといって強いわけではないし、1つの魅力にすぎない。

浦和の黄金期ともいえる2006年と2007年の埼玉スタジアムは、常に真っ赤に染まっていたのだ。当時を思い出しながら、浦和の魅力とは何だったのかを考えさせられてしまった。

やはり、最後の笛が鳴るまでファン・サポーターと選手たちが、一丸となって共に闘い勝利を目指すことだったと思う。埼玉スタジアムは、浦和を愛する心に包まれていたのだ。

神戸戦の勝利に酔いしれながらも、『愛されるクラブ作り』とはどうあるべきなのかと思う。そして、サッカーに魅了され浦和を愛する人が、1人でも多くスタジアムに参戦してくれることを願う。

Q. 指の第二関節はどうでしょうか?

A. 第一関節のDIP関節に対して第二関節はPIP関節です。PIP関節の場合は、ボールの勢いに負けて手のひら側の掌側板という硬い関節の袋が剥がれたり、切れてしまったりします。また、ただ単に骨が剥がれる剥離骨折と違い、筋肉や腱に引っ張られて裂離骨折することがあります。

川久保誠 profile
1981年慶應義塾大学医学部整形外科教室入局。93年医学博士。94年英国リーズ大学医学部大学院へ留学、修士課程修了。96年より慶應義塾大学病院膝関節・スポーツ外来担当。東京歯科大学市川病院整形外科講師を経て2004年4月より川久保整形外科クリニック院長となる。浦和レッズレディースのチームドクターも務めた。

川久保整形外科
http://www.kawakubo-clinic.jp/

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